ファチマの聖母マリア

今、黙示録

The Fatima Crusader Issue 37(Summer 1991)より

われわれは、もし目覚めないならば、今や聖書に予告されている圧制的な反キリストの下での新しい世界秩序/一つの世界政府のまさに出発点にいる。ここにあなた自身で確かめることができる重要な証拠がある。以下の論考は1991年7月のMcAlvany Intelligence Advisorから取られた抄録から構成されている。

「世界革命の最終目標は社会主義あるいは共産主義でさえない。それは現在の経済組織における変化ではない。それは物質的な意味における文明の破壊でもない。指導者たちによって望まれている革命は一つの道徳的および霊的な革命、それによって19世紀間を通じて確立されたすべての基準がひっくり返され、すべての尊敬されていた伝統が足下に踏みにじられ、そしてとりわけキリスト教的理想が最終的に完全に破壊される観念の無秩序である。」ネスタ・ウェブスター(Nesta Webster)--Secret Societies and Subversive Movements「秘密社会と転覆運動」という彼女の書物から。

国家はその愚かな人々そして野心的な人々をさえ切り抜けて生き残ることができる。しかしそれは内部からの反逆を切り抜けて生き残ることはできない...一人の殺人者はそれに比べれば恐れられるものではない。」マルクス・キケロ--国家的危機の時に国民に向かって話しかけているローマの愛国者。

もしそれ(危険の接近)がわれわれに達するとするならば、それはわれわれの間から生じるに違いない。それは海外からやって来ることはできない。もし破壊がわれわれの運命ならば、われわれは我々自身がその創始者でありまた終結者でなければならない。」エイブラハム・リンカーン。

1990年代初期のアメリカは国連の下で、そしてオカルト的なニュー・エイジ運動の下で--世紀の転換によって(すなわち、9年間のうちに)一つの社会主義的政府(ブッシュとゴルバチョフによる「新世界秩序」と呼ばれる)へと次第に変わって行くために--一つの社会主義的警察国家へと急速に転換されている。

緩やかに煮られている蛙のように、たいていのアメリカ人(たいていの保守派とキリスト者を含む)はわれわれの基本的諸自由の、われわれの伝統的生活様式の、われわれのユダヤ・キリスト教的諸価値の、そしてわれわれの国家的主権と独立の急激な低下を見ることができない。それはあたかも、週に25−35時間のテレビと数十年間の物質的繁栄によって催眠術をかけられ無感覚にさせられたアメリカ人の全世代が妄想あるいは盲目の精神に引き渡されたかのようである。

ますます社会主義的、集団主義的、国際主義的、反家族的、そして反憲法的な諸々の法律、布告、あるいは官僚主義的規則や規制が激増し、そしてそれらがアメリカ人に課されるにつれて、(たいていのキリスト者と保守派を含む)大多数の人々の無関心と自己満足が同じように急速に増大し続ける。アメリカ人は、英国、ヨーロッパ、南アフリカ、オーストラリアの人々そしていわゆる自由世界の多くの人々と同じように、1990年代に現れつつある人民支配のオーウェル的世界における従順で穏和な奴隷となる準備がよくできているように思われる。

新世界秩序/ニューエイジ運動は彼らの秘密の会議と書き物において数十年にわたり(数百年でないとしても)彼らの究極的な目標が:1)すべての秩序づけられた政府の撤廃、2)私有財産の撤廃、3)遺産相続の撤廃、4)愛国主義の撤廃、5)すべての宗教の撤廃、そして6)家族の撤廃であるということを計画し、戦略として整備し、そして書いてきた。これらの目標が達成されるとき(彼らは2000年までにと希望している)、新世界秩序--新時代の曙--、アクエリアスの時代が出現するであろう。到来しつつある新時代は、それがイルミナーティ(Illuminati)、合衆国自由東方体制(US liberal eastern establishment)、外国関係委員会(Council on Foreign Relations)、三極委員会(Trilateral Commission)、ローマ・クラブ(Club of Rome)、ビルダーバーガーズ(Bilderbergers)、社会主義インターナショナル(Socialist International)、あるいはファビアン社会主義者同盟(Fabian Socialists)によって担われそして養われようと、欺瞞によって、そして一つの超自然的な、悪魔的な原動力によって特徴づけられる。平和、繁栄、兄弟愛、そして世界統一の点で多くを約束するこの運動はまさに正反対のもの--死、破壊、隷属そして信じられない悪を産み出すであろう。

1990年代は、--われわれが自由と隷属、真理と欺瞞、善と悪、神とサタンとの間の歴史の最大の衝突を見るであろうとき、ほんとうに運命の10年間としての形を取る。キリスト者と他の聖書研究者はどちらの側が最終的に勝利を収めるかを知っている。しかし、こちらとあちらの間には大きな苦しみ、苦痛そして激動が横たわっている。キリスト者、保守派の人々そして他の自由を愛するアメリカ人は試練の時のために準備し、そして彼らがかつて経験したどの時代とも似ていない1990年代の評価を検討する準備をする必要がある。そして彼らは最終的に勝利する側に自分たちがいるということを思い起こす必要がある。

MIA(McAlvany Intelligence Advisor)のこの号は来るべき矛盾のいくつかの領域を検討するであろう:アメリカの社会主義への突入、新しい通貨と現金を使わない社会への前進、一つの世界の銀行業務と金融制度、アメリカ人の生活のあらゆる局面のコンピュータ化とそれに続く奴隷化する支配、アメリカ人に対するすべてのプライバシー--財政的および個人的な--のオーウェル的撤廃。一連の行動がそのとき、来るべき新世界秩序/ニューエイジにおいてできる限り多くあなた自身そしてあなたの家族を守るために展開されるであろう。

第Ⅰ部:アメリカ警察国家へ向かって

某シーザーあるいはナポレオンのどちらかが強い手で政府の手綱を取るであろう。あるいはあなたの共和国(アメリカ)は、ローマ帝国が5世紀にそうであったように、20世紀に野蛮人たちによってひどく略奪され、荒廃させられるであろう。ただしローマ帝国を荒廃させたフン族やヴァンダル族は外部から来たが、あなたたちのフン族やヴァンダル族はあなたたちの制度によってあなたたち自身の国の内部で産み出されるであろうという違いがある。」トーマス・マコーレイ--1857年5月23日H.S. Randall宛の手紙。

過去17ヶ月の間、ブッシュ大統領は...マイケル・デュカキスの選挙運動からほとんど言葉どおりに主要な政策アイデアを採用した。元「デュカキスを大統領に」スタッフ、マイケル・アロンソンおよびクリストファー・J.ジョージ、1990年6月。

ジョージ・ブッシュ、リベラルな合衆国議会、ガルガンチュワ的無視された官僚制度、リベラルな合衆国裁判制度、そしてさまざまの州当局と地方自治体はわれわれの歴史におけるどの時代よりも多くの、アメリカ人の自由を窒息させつつある法律、規制、規則そして布告を通過させている。

The Wall Street Journal の「規制する大統領」と題された6/17/91の論説は、ブッシュ政府が他のどの合衆国大統領よりも多くの規則や規制を、空気清浄法、1986年銀行秘守法、憎むべき犯罪法案(Hate Crimes Bill)、銃規制法等々によって、推進しているということを指摘した。IRS,OSHA,E.P.A.,BATF, DEA等々のような(数万人の顔のない、選挙で選ばれたのではない官僚が職員として働き、合衆国の納税者の基金の数千万ドルから資金提供された)官僚的な機関を用いながら、ブッシュ政権と議会はアメリカ人の諸々の権利と自由の大規模な虐殺を主宰している。

数千人のアメリカ人が、過去数年にわたって議会から出された新しい法律から生じたさまざまの規則や規制の違反の廉で現在逮捕され、裁判を受けさせられ、投獄されている。1986年銀行秘守法、空気清浄法、憎むべき犯罪法案そしてさまざまの銃規制主導権のような法律が違反に対する付加された刑事罰則を伴って通された。多くの場合、新しい規制の公的予告はほとんどあるいはまったく与えられていない。アメリカにおいては法を知らないことは防衛ではないことを思い起こしなさい。そこで、OSHA、IRS、BATF、EPAそして他の諸機関からの政府職員たちは出かけて行って、多くの場合規制について一度も聴いたことがない人々に対して罠をかける(これらの罠は「おとり捜査」と呼ばれる)。政府の「犠牲者」は犯罪とされた新しい規制に違反するようにおびき寄せられる。そして次に逮捕され、起訴されそして裁判にかけられる。これらの「おとり捜査」の犠牲者たちの大部分は有罪判決を受ける。そして--他の人々を新しい法あるいは規制に完全に従うように脅迫するために--その裁判は十分に周知徹底される。

ポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts)は通信社を通して発表されたすぐれた論説(6/15/91)の中でこう書いた:「歴史的に見ると、法の目的は予測できないそして恣意的な権力から市民を守ることであった。しかしそれらの日々は過ぎ去った。今日では、合衆国政府は法的行為の根拠としてこれまでに知られていなかった罪を根拠に私的な市民たちを起訴している」。ロバーツはエクソンの予期しないヴァルデス・スーパー・タンカーのオイル漏れに対する重罪の有罪判決を得ようとする試みにおける「政府のKGBスタイルの恣意的および乱用的な権力の適用」に言及した。政府は最終的に、明らかに前もって計画されたのではない事故であったものに罰金としてエクソンから10億ドルの金を巻き上げた。

合衆国(あるいは州)政府の恣意的な権力乱用の例はアメリカ中で増加しはじめている。以下のほんのわずかのものがその傾向を例証するであろう。

1)カリフォルニアにおいて、州警察は今、捜索令状なしに市民の家のドアを蹴落とし、家宅捜索を行い、もし警察が登録されていない武器(56の目標とされた武器のリストに載っている)を所有しているという「犯罪」の嫌疑をかけるならば、登録されていない火器を押収することができる。銃の所有者は懲役3年に直面する。

2)ミルウォーキーにおいて、群保安官代表者と警察は5/4/91に非合法の薬物のために車を恣意的に捜索するために1-94[ルート]上で路上障害物/チェックポイントを設定した。すべての者は無罪であると証明されるまでは有罪の者として取り扱われた。これは上述の1)項と同じように、「令状のない捜索と逮捕」からの憲法上の保護の明らかな違反である。

3)合衆国最高裁判所は5/23/91に、警察が手荷物および車の他のコンテナを捜索令状なしに捜索してもよいと7対2で裁決した。

4)合衆国最高裁判所は5/13/91に、警察が人々を令状なしに逮捕し、その逮捕が正当化されるかどうかについての何らかの聴取以前に48時間彼らを拘置所に留めておくことができると5対4で裁決した。[最高裁判所]判事アントニン・スカリア( Antonin Scalia)はその裁決を「憲法違反の警察権力の拡大」として公然と非難した。「これから先、不当に逮捕された市民を守る法律は、彼を拘留する理由は絶対にない、誤りが犯されたのだと裁判官に示す機会を一度も与えられずに、2日間拘置所で待つことを強いられるであろう。

5)ブッシュ政権は、ニューヨーク・タイムズ--5/24/91によれば、「外国人に対する国外追放裁判における秘密審理、秘密証拠、そして秘密判決の体系」を求めるその大部の刑法典の一部として40ページの法律を押し進めている。秘密国外追放公聴会に呼ばれたNYTの記者アンソニー・ルイス(Anthony Lewis)は--それによって、外国人は直ちに拘留され、聴聞される権利を否定され、彼に対する何らの証拠もなしに国外追放され、そして裁判所が指定する国へ国外追放される法律を--「200年間のアメリカ憲法の伝統および法律との徹底的な断絶」だと呼んだ。

「アメリカにおける秘密裁判のための計画」というサブタイトルをもつそのタイムズの記事は、北京政権に反対していた一人の中国人学生が中国共産党政府によって提供された証拠に基づいて中国へ強制送還され得るであろうと結論した。

6)テキサス、ルリング(Luling)の警察は、--抜いた銃をもって急襲しながら--一人の青年を探しに、ある家の夜間手入れを行った。彼らが犯罪者だと思い、「威嚇的に行動した」82歳の父親は5回も胸を撃たれた。39歳の息子は少量のダイエット・ピル所持で逮捕された。そして警察は適切に行動したと宣言された。

7)6/27/91に、サン・フランシスコ警察署は彼らが「憎むべき犯罪」(おそらく、--サン・フランシスコ人口の大きなパーセンテージを占める--同性愛者たちに対する--)法で処理するために全区域を設定したと告知した。

8)5月に、薬物強制管理(the Drug Enforcement Administration=DEA)はDEAが潜在的なマリファナ栽培者を捜査するので、国中の庭園業者から顧客のリストを要求した。数千人のガーデニングをする人々や水耕栽培用品の使用者たちは尋問されたり、あるいは潜在的な薬物被疑者として監視下に置かれるであろう。

9)6/13/91に、カルヴィン・ウォン(Calvin Wong)18歳は彼のサン・フランシスコ湾岸地域高校の正式服装での卒業式から無理矢理に引きずり出され、手錠をかけられ、そして2週間の間強盗事件の捜査の一部として拘置された。2週間後警察は人違いであったと結論した。そしてウォンをノーコメントで釈放した。

10)昨年のクリスマスに、著名人のサイン入り写真を蒐集しているジョー・リー(Joe Lee)はサイン入り写真を求めてミハイル・ゴルバチョフに手紙を書いた。FBIは(郵便局と協同で)リーの手紙を開封し、そして次に彼を尋問するために彼の家に来た。この「非合法の手紙無断開封」について質問されたとき一人のFBIスポークスマンは、FBIがいくつかの外国に送られる手紙を定期的に見ていると答えた。

80年代半ばに、この論考の著者、大いに憎まれた南アフリカ共和国へしばしば旅行していたドン・マックアルヴァニーはあるCIAの職員の訪問を受けた--彼は南アフリカにおけるあなたの編集者の多くの接触について質問した。彼の釣り旅行はリハーサルであった。しかし、次の12ヶ月以上にわたって、実際にこの著者が南アフリカ共和国から受け取ったすべての手紙は無惨に引き破られ、テープで閉じられていた--ビッグ・ブラザーが南アフリカからの私の郵便物を読んでいたことをまさにそれほど繊細ではない仕方で思い出させるものである--。この著者が南アフリカ共和国へ送った郵便物の多くはこの時期の間決して受け取られなかった。

11)辞職するCIA長官ウィリアム・ウェブスター(William Webster)はCIAが合衆国内部で(その憲章の違反)いわゆる団体スパイに対して働くことを許されるべきだと提案した。このことはすぐさまCIAエージェントたちを合衆国の諸団体に対して、またその内部でスパイさせる地位に置くことができるであろう。そしてアメリカ人民に対して用いられるべきCIAのためのパンドラの箱を--ソビエト連邦においてKGBがロシア人民に対して用いられるように--開くことができるであろう。

12)アメリカにおけるキリスト者たちは、祈り、あるいは公立学校で聖書を論じ、公立の公園で降誕の場面を展示し、公的な場所に十字架を建て、或いは中絶クリニックに反対して非暴力的に抗議する彼らの権利を行使するという自由な言論の権利をますます否定されつつある。多くの事例において、警察は平和的な中絶反対のデモ参加者に暴力を振るい、傷つけた。彼らは今度はRICO法の下で投獄され、そして/あるいは平和的にデモをしたことに対して思い罰金刑を科されるのである。

第Ⅰ部の結論

最高裁判所判事アントニン・スカリアは、拘置所での48時間拘留に対する彼の異議の中で、合衆国の裁判所が、憲法の作成者たちが保証していた諸権利を無実の人から取り去る一方で、罪のある犯罪者たちを保護する、合衆国憲法のうちには見だされない、諸権利を創り出していると指摘した。アメリカ人は常習犯罪者たち(すなわち、殺人者たち、強姦者たち、薬物売人たち、強盗等々)の自由な甘やかしで養われ、そしてこれらの犯罪者たちに厳しくする態度を要求されている(そしてそれは正当にそうであるが)。しかし、彼らが理解していないことは、リベラルな議会、ブッシュ政権、官僚、そして裁判所が新しいそして有罪とされた政府の諸規制に巻き込まれた数万人の無実のアメリカ人を起訴するために諸々の法律、規則そして規制を通過させる一方で、常習犯罪者たちに対して手ぬるいあり方を続けるであろうということである。例えば、空気清浄法の違反は450年の懲役刑という判決で終り得るが、これは殺人、強姦あるいは銀行強盗に対するよりも5倍から10倍厳しいものである。

後に検討されるであろうが、たいていの納税違反は「マネー・ロンダリング」であると宣言されようとしている。それは有罪とされ、懲役刑によって処罰されるであろう。銃規制違反は同様に有罪とされるであろう。これはアメリカ人の異議を唱える人々、保守的な人々、キリスト者たち、等々を沈黙させる新しい方法なのか? これはジョージ・ブッシュがアメリカの刑務所の収容能力を2倍にするよう命令した理由なのか? 犯罪に対する戦争は、薬物に対する戦争と同じように、犯罪者たちに対する戦争では全然なくて、--正直な、法律を遵守する、愛国的な合衆国市民--特に新世界秩序に反対する者たち--に対する戦争である。それは、1930年代にドイツにおいてナチスが権力の座に上り、愛国者たちの残りの者が彼らに反対したときのようなものであるのか?

[編集者注]:社会主義、銃規制そしてアメリカ人民に対する警察国家諸統制へのこれらの傾向のすべては1992年大統領選挙のすぐ後に劇的に加速するであろう。ジョージ・ブッシュと彼の新世界秩序の暗黒面が1993年初頭には明らかになり始めるであろう。国際銀行家ポール・ウォーバーグ(Paul Warburg)が合衆国上院に(12/2/50に)告げたように、「われわれは好むと好まざるにかかわらず、一つの世界政府を持つであろう。唯一の問題はそれが同意によって創られるか、それとも征服によって創られるかということである。MIAのこの号を保存しおき、1993年初頭に読んでみなさい。

第Ⅱ部:現金のない社会へ向かって

現金は自由(freedom)である! 社会主義者たちそして新世界秩序の群衆は人民を完全に支配するために、彼らが人民の支出を監視し、彼らの金銭を支配しなければならないということを理解している。それゆえに、数十年にわたって、世界政府の主張者たちはコンピュータ化された銀行業務あるいはクレジット・カード・システムへと(最初は国家的にそして次に国際的に)注入されるべきすべての金融取引を推進してきたのである。現金のない社会は人民支配を意味する。

来るべき数ヶ月(あるいは数週)のうちに発行されるはずである新しい通貨は世界的通貨と中央銀行への、そして究極的にはコンピュータ化された現金のない社会への、単に一つの踏み石、一つの中間的な一歩にしかすぎない。--現金のない社会は2000年までに、あるいはそれよりも早く、世界主義者たちが誘導しようと計画している新世界秩序/ニューエイジ体制にとって本質的なものである。

第Ⅲ部:アメリカ人民のコンピュータ化

さらに、彼のたくらみで、偉大な者、小さな者、貧しい者、富む者、自由民、奴隷のすべては右の手と額にしるしをつけさせられた。獣の名あるいはその名の数をしるされていない者の他は、だれも売買することができぬようにするためである...獣の数字...それは人間の数字であって、その数字は666である。黙示録13:16-18

われわれはコンピュータの時代に生きている。コンピュータの知識、処理の速度そして技術は今や2年ごとに倍加している。コンピュータ技術および情報収集におけるこの驚くべき爆発はあなたについてのすべての傷つき易い個人的および財政上の情報が中央集権化され、審査のために利用可能とされる段階に達した。

数年にわたって政府はあなたについての傷つき易い膨大な量の情報を集めた。しかしその情報を十分に利用することができなかった。なぜなら、このデータを管理し関連づけることができなかったからである。実質的にすべての政府の記録ファイルのコンピュータ化とともにすべてのことが変化した。この処理は過去10年以上にわたり政府のあらゆるレベルで、そして私的な部分において急速なスピードで起こった。銀行、クレジット会社、保険会社、あらゆる種類の店舗やビジネスそして一般的企業主たちは今これらの記録にアクセスできる。その記録は数秒以内にあなたについての傷つき易い情報の膨大な量を与えることができるのである。

すべての情報のこの全体的なコンピュータ化の主眼点は現金のない社会である。それによってコンピュータは貸し方と借り方を電子的に移すであろう。貸し方と借り方が電子的に移され、そしてあなたの異なった財政的勘定書からはいかなる「現金」も所有主が変わらないので、--現金の必要はなくなるであろう。なぜなら、コンピュータが電子的に処理を行うであろうから。現金や小切手の必要は消えてなくなるであろう。今日、すべての銀行業務の4分の3以上が電子的に処理されている。合衆国政府は非常に多くのビジネスと同じように、たいていの官公庁給与支払い、福祉および社会保障管理を電子的に預金している。

各々のアメリカ人は彼に関する数ダースの(数百のではないとしても)コンピュータ・データ・ファイルを持っている--政府が現在各アメリカ人に関する2ダースと3ダースの間の別々のファイルを維持していると共に--。この種々雑多なものから成るコンピュータ化されたデータ・ベースのすべての政府による管理、合併、統合そして使用の鍵は--さまざまのデータ・ベースのすべてを一緒にまとめるための--たった一つの普遍的な番号である。あなたの社会保障番号があのコンピュータ化された情報のすべてを合併しそして公表するための普遍的な鍵となった。

アメリカにおいてあなたの社会保障番号なしに生活することは実際問題として不可能である。もしあなたが政府と何らかの接触を持っているならば、あなたはその番号を持たなければならない。それは連邦、州そして地方の納税書式のため、すべての医療計画のため、パスポートのため、福祉を受けるため、失業給付のため、医療費支払いの為、食料キップのため、何らかの目的のための何らかの政府の調査のため、銀行預金口座あるいは有価証券口座を開くため、等々で要求される。たいていの企業や小売商店は、たいていの医師、歯科医そして開業医がそうするのと同じように、取引に際して社会保障番号を要求し始めた。(誰もこれら後者のグループに番号を示すことを法的に義務づけられてはいない。そしてそうすることはこの著者には賢明ではないと思われる。)

政府の国家コンピュータ・ネットワーク

コンピュータ・テクノロジーにおけるこの爆発と社会保障番号を通じての数十の(あるいは数百の)データ・ベースの結合から、あなたの生活、財政、そして文字通り揺りかごから墓場までの諸活動をカバーするあなたあるいはあなたの家族に関する何らかのあるいはすべての情報をそこで政府諸機関がほとんど瞬時に呼び出すことができる一つの国家的コンピュータ・ネットワークが実現した。(社会保障番号は今や2歳以上の者に要求される。)

1985年以来IRSはすべてのアメリカ人をコンピュータ化した。そしてそのプロジェクトは今や事実上完全である。コンピュータ・プロフィールは今や事実上あらゆるアメリカの家庭あるいは個人の上に存在しており、それは政府がコンピュータによってあなたたの諸活動、足跡、軌道の全てを事実上監視し、あなたの財政、ビジネスあるいは個人的取引を見張り、非常に手っ取り早くあなたの居場所を突き止め、そしておそらくあなたのコンピュータ化された財政的プロフィールに基づいて結局はあなたの税金を直接査定し、--支払期日の来た税金のためにあなたの銀行口座から電子的に引き落とすことを可能にするであろう。

アメリカ人民のコンピュータ化は政府があなたを揺りかごから墓場まで見張りそして支配することを可能にするであろう。もしこのことがジョージ・オーウェルの1984年、ニコライ・チャウセスクのルーマニア、ヒットラーの第三帝国あるいはゴルバチョフのあるいは鄧小平の共産党「天国」のような代物に思われるならば、--それはそうであるがゆえにそうなのだ!未来の新世界秩序/ニューエイジ政府は過去のいかなる全体主義的権力よりももっと完全にそしてもっと効果的にその人民を監視し支配することができるであろう。コンピュータはそうするために彼らを助けるであろう!

第Ⅲ部:結論

過去10年から15年にわたるコンピュータ・テクノロジーにおける爆発は相反するものを含んでいる一つの祝福である。それはわれわれの生活をより効果的なもの、組織化されたもの、そして素早く探知されるものとした。しかしそれはまたわれわれの生活のあゆる局面をビッグ・ブラザーが綿密に調べ、跡をつけ、そしていつか支配するかぎり、パンドラの箱を開きもしたのである。2歳以上のアメリカの子どもたちは、彼らがほとんど文字通り揺りかごから墓場まで追跡されることができるように、今や一つの社会保障番号(政府の無数のデータ・ベースに彼らを結びつける彼らの普遍的番号)を持たなければならない。

慈悲深い、自由市場の、自由へ方向づけられた政府(親切なアメリカ人がほとんど200年間享受してきた)と共にであれば、このコンピュータ・テクノロジーはなんら脅威ではないであろう。しかし、権力を握ったヒットラー、ゴルバチョフ、あるいは鄧小平、あるいは新世界秩序/ニューエイジ志向の指導部と共にであれば、このコンピュータ・テクノロジーはアメリカと世界を奴隷化するための危険な手段となり得るであろう。

第Ⅳ部:ビッグ・ブラザーはどのようにわれわれのプライバシーを撤廃しているか

プライバシー[他人から干渉されない自由な私生活]は自由の最も基本的な構成要素の一つである。それにもかかわらず、それはたいていのアメリカ人が--それを失うまでは--完全に、特に注意を払う必要のないものとみなしているものである。ちょうどジョージ・オーウェルのすべてを見、すべてを知っているビッグ・ブラザーがそうであるように、われわれの政府は、彼らをもっとよく保護し、課税し、支配することができるように、今やすべてのアメリカ人についてあらゆることを知りたいと望んでいるのである。プライバシーは(現金と同じように)今やわれわれの政府官僚たちによって、--1990年代の「憎むべき罪」と同じように--悪と見なされている。

この論題の第Ⅰ部(1990年1月に書かれた)においてこの著者はこう書いた:

「ジョージ・オーウェルの古典的小説1984年は、その中で全能の、社会主義的政府(オーウェルによって「ビッグ・ブラザー」と呼ばれている)が彼らの生活、彼らの運動、彼らの財政、そして彼らの思考さえのあらゆる局面を支配することによって人民を奴隷化している一つの灰色の抑圧的な世界を描いた。ビッグ・ブラザーは彼らを彼ら自身から保護するために人民の生活のあらゆる局面を統制した。彼は言葉と概念の意味を変えた、あるいは逆にした。その結果、「隷属」は「自由」と呼ばれ、「戦争」は「平和」と呼ばれ、「憎しみ」は「愛」と呼ばれ、以下そのような仕方であらゆるものが呼ばれた。」

「彼は大衆を、彼自身のブランドの並の娯楽(それは最も左翼的な政治プロパガンダで彼らを洗脳した)でもって絶えず楽しませた。彼は定期的な地域戦争でもって大衆の気を紛らせた。打ち解けて心安いと思われるか? 彼は人民の良心となった。彼は歴史を書き換えた。そして彼は彼の臣民たちの精神と思想とを支配した。しかし最も重要なことには、ビッグ・ブラザーは人民を見張った--彼は1日24時間彼らと彼らの生活のあらゆる局面を絶えざる監視下に置いた。ビッグ・ブラザーはプライバシーのすべての局面を全面的に廃止した。

「数十年にわたってビッグ・ブラザーのテクニックを実践してきた東ヨーロッパ中のすべての共産主義政権が解体しつつあると「思われる」ある日に、アメリカ合衆国がジョージ・ブッシュの下でこれらの同じKGBスタイル--すべて人民を一連の社会に脅威を与える危機から守るという名目の下に--を制定するために動いているということは皮肉である。われわれば薬物危機、環境危機、地球温暖化危機(世界はだんだん寒くなっているのに)、テロリスト危機、犯罪危機、等々を抱えている。--そしてビッグ・ブラザーはアメリカ人民をこれらの危機から守らなければならない。

「これらの危機の各々は、アメリカ人の生活のあらゆる局面に対する[古代ギリシャのドラコンのような]過酷な社会主義的統制を課すためのリベラルな政治家や官僚の徒党を組むための口実である。1990年代の社会主義的アメリカにおいて、ビッグ・ブラザーがアメリカ人がするあらゆる動きを綿密に調べ、あらゆる取引を監視し、そして最終的にあらゆる決定を統制することを望んでいる。金銭とその自由な抑制されていない流れは資本主義社会の生き血であり、もしビッグ・ブラザーがその流れを監視し支配することができるならば、彼は社会を支配することができる。抵抗する普通の市民は犯罪者(すなわち、マネー・ロンダリングをする者)として烙印を押され、それに応じて処置されるであろう。

最初に1967年に出版された「プライバシーと自由」という書物において、アラン・ウェスティン(Alan Westin)教授はプライバシーをある形式においてすべての文化に共通の、そして正しい「心理学的バランス」の維持に必要な一つの基本的な人間的要求として見る見方の強い擁護論を唱えている。人々、諸々の組織そして諸々の政府は適切に機能するためにはあるプライバシーを持たなければならない。共産主義者たちが、ロシアと中国において[政権を]引き継いだとき、した最初のことはすべての形式のプライバシーを破壊することであったということは興味あることである。彼らは、そこで隣人たちが隣人たちを密告するスパイ網を確立した。--ちょうどブッシュ政権が、今日銀行員たちや金融業者たちに顧客をスパイし、どんな「疑わしい行動」をも報告するように奨励しているのと同じように--。独裁者たちは人民を支配するためにプライバシーを破壊しなければならないのだ。

ソビエト連邦においては、KGBはすべてのひとがすべてのことをするのを事実上常時監視している。このドラコン的マキアヴェリ的な人民監視および支配の体制(ソビエト型の身分証明書を完備した)は、アメリカが社会主義に変わり、新世界秩序の方向へ突き進み、ソビエト連邦と合併するにつれて、1990年代にアメリカに入って来ている。

途方もないコンピュータ・テクノロジーと他のハイテク機器の激増は社会主義的合衆国をして、プライバシーを廃止し、そして数年のうちに人民を完全に支配するためにアメリカ人民の生活のすべての局面(財政的および個人的)を監視することを可能ならしめている。

結論

ジョージ・オーウェルの1984年は、ジョージ・ブッシュと行政における彼の社会主義的新世界秩序連合、議会そして政府官僚によって導入されて、1990年代初期にアメリカにおいて急速に現れている。アメリカとロシアが「われわれの共通の関心の合同」に向かって動いているので、アメリカは毎日ソビエト連邦により似たものになって来ている。アメリカを支配している社会主義者たち(共和党も民主党も両方とも)は、もし彼らが現在の猛攻を続けるならば、アメリカ人から実質的にすべてのわれわれの自由(財政的およびその他の)を奪い、1990年代の10年間が終わる前にわれわれを奴隷に変えてしまうであろう。そして彼らはそれをすべて善の名において、薬物危機、財政的危機、環境危機、犯罪危機、等々からわれわれを守るという名においてするであろう。

過去30年から40年間にこの国で成長したたいていのアメリカ人は一度も犯罪を犯したことがなく、彼らの税をごまかさず、彼らの国と政府を愛し、警察が犯罪者を追跡して逮捕したときには喜んだ、正直な、法律を遵守する市民である。われわれはたいてい非常な法律施行賛成、警察賛成、FBI賛成、等々である(そしてそれはこの著者も含んでいる)。しかし、ロシアや中国における警察や政府役人が彼らの市民を追跡逮捕し投獄するときには、なぜわれわれは喜ばないのか? なぜなら、これらの市民は全般的にどんな罪も犯していないのであり、これらの政府は悪く抑圧的だからである。今日、アメリカにおいては正直で法律を遵守する市民は、抑制を失って社会主義の方へ突進している合衆国政府によって犯罪者だと宣言されている。そしてわれわれの諸権利を守るはずの警察と政府職員たちはソビエト・ブロックにおける彼らのよく似た相手のようにますます行為し始めている。

もし細部から離れて大きな絵を見るならば、アメリカの現在の軍縮と合併への衝動を、銃規制の不可抗力を、現金のない社会、財政的プライバシーの廃止、われわれの生活のたいていの局面に対する社会主義的統制への動きを見るならば、一つの非常に不吉な絵がアメリカにおける自由に関連して出現してくるのである。われわれは警察国家の中に生きる奴隷として次の世紀へと入るように運命づけられるのか?

2004/02/01 三上 茂 試訳

作成日:2004/02/01

最終更新日:2005/03/22

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