ファチマ・クルーセイダー

講演者の抜粋:

典礼において信仰を変える自殺行為

The Fatima Crusader Issue 84, Winter 2006

ポール・クレイマー神父、B.Ph., S.T.B., M.Div., S.T.L.(Cand.)

典礼についての大きな悲劇は教会において起こったことが、もし聖母のメッセージが心に留められていたならば、避けられ得たということです。聖母はミサにおいては何も変えないようにと警告なさいました。これは一つの単なる規律上の問題ではありません。

余りにもしばしばわれわれは典礼について単に法によって制定される何かあるものだと考える傾向があります。教皇はわれわれが皆従わなければならない布告を発せられます。しかし典礼に関してはわれわれは単なる規律を扱っているのではありません。そしてそれが信仰の遺産のうちにあるということ、そして教会の教導職において諸々の時代を通じて伝えられて来たものであるということが忘れられてきました。典礼上の諸々の教説は単に思索あるいは概念的な教説ではありません。しかし典礼の規律に関して教会の教導職によって公表され提案されてきた神的な法も存在します。そしてこれが典礼に関してはいかなる人間的権威も、いかなる高位聖職者あるいは教皇も絶対的な権威を持っていない理由です。なぜなら神の法は守られなければならないことをすでに明細に述べているからです。

それは聖パウロが tradidi quo accipi 「私は私が受けたものを伝えた」という原則を立てたときに、彼自身と共に始まっています。彼はここでは教義的な教説の本体に言及していません。しかし彼はここでは明確に典礼に言及しています。彼は、彼が伝えたものは彼が受けたものであると言っているのです。主は裏切られる前の晩、パンを取りそれを祝福しそしてそれを割いてこう言われました:「これはあなたがたのために渡される私の体である」と(1コリ11:23)。

聖パウロは典礼の受け伝えに明白に言及していました。諸々の時代を通じて受け渡されてきたものは有機的に成長し発展しました。その慣習が確立されるのは伝統の過程、典礼の受け渡しを通じてです。そして諸々の秘蹟の荘厳な管理において用いられる受け取られ承認された儀式にわれわれを結びつけるのは荘厳な信仰告白です。

「受け取られ承認された儀式」

私はとりわけ第一ヴァチカン公会議によって僅かばかり拡張されたトリエント信仰宣言のことを言っています。その公会議ではカトリックの良心が永続的に典礼の伝統的な儀式に縛られています。「受け取られ承認された儀式」は諸秘蹟の荘厳な管理において慣習的に用いられます。

これは諸教皇が数世紀の間戴冠の誓いを行って来た理由です。そして彼らは教会の規律と典礼の儀式とを保存すると荘厳に公言しました。そして彼らはもし彼らがそれらを敢えて変えようとしたならば、自分たち自身の上に呪いを祈願するのです。教皇レオ十三世は Ordinitalium dignitas の中で典礼においてはあるより小さな変化 - 主として原形回復の性質のもの - は許容され得ると説明しました。より小さな調整、より小さな変化です。教皇セレスティウス一世もまた、教会はその規律における調整を行うと説明しました。

しかしこれらは調整です。教会は「受け取られ承認された儀式」へのその忠誠を公言します。そしてこれもまたあの諸教皇の戴冠の誓いのうちにあります。それは600年の間教皇一人ひとりによって教会の状態、status ecclesia を保存するために、荘厳に公言されたわれわれの伝統の文書なのです。

Quo Primum は教えに基づいている

教会の規律と典礼は廃止されたり急激に改造されたりすることはできません。より小さな調整は二十世紀に至るまでの諸教皇によって説明されてきたように、時代の必要に従って許容され得ます。これが、人々が典礼において起こった変化を受け入れることに良心におけるそのような困難を感じる最も基本的な理由の一つです。なぜなら、それは人間の法の問題ではなく、神の法の問題だからです。

私の新しい書物典礼において信仰を変える自殺行為を素早く読み通して私がこの仕事をそれに基づかせた基礎的な原理を理解しなかった人々がいます。例えば、私は教皇聖ピオ五世の文書 Quo Primum Tempore を引用し、そしてそのことについて何らかの解説を与えました。それゆえ一人の人は自分は教皇聖ピオ五世の Quo Primum に基づいているどんな議論にも関心がないと言いました。もちろん私の答はこの書物は Quo Primum に基づいているのではないというものでした。実際、私が教皇聖ピオ五世の Quo Primum に基づいた立論を取り入れていると主張したのは一人の教会法の博士でした。

彼は私にこれはまた一つの非常に重要な文書であり、書物から落とすべきではないということを思い起こさせてくれました。私は最初 Quo Primum からのどんな議論も含ませることさえしないという考えでした。というのは、私はいかなる仕方でも私がその文書に私の基本的な議論を基づかせているという誤った印象を人々に持ってもらいたくなかったからです。

実際それは馬車を馬の前につけることでしょう。

荘厳な宣言

基礎となる原理はそれがピオ五世の Quo Primum に関係する限りでは以下の通りです:教皇聖ピオ五世はその使徒的権威の十全さをもってローマ教会におけるミサの典礼はこの様式において捧げられるべきであると布告されました。そして彼はこのことを彼の使徒的権威によって荘厳に宣言されました。彼はこう言われました:「私はこの現在の文書がいかなる時にも決して改革されあるいは修正されることはできないと制定し、布告し、宣言する。」なぜ彼は二十世紀に至るまでミサ典礼書を再発行し典礼において何らかのいっそうマイナーな調整をしたどの教皇も彼自身その文書の権威によって縛られていると感じたということを明らかにするような、そのような荘厳な宣言を行ったのでしょうか? 明らかに、われわれは、教会法の新法典のカノン#11 における表現を用いるならば、単に教会法だけを取り扱っているのではありません。これ(すなわちトリエントのミサ典礼書のうちにあるミサの儀式 - この教皇教書が触れている儀式)がローマ教会において伝えられて来た儀式であるということは教皇聖ピオ五世が言っておられる単に一つの規律的な問題ではありません。これは Quo Primum において教皇が用いておられる文言です。これはローマ教会においてそのものとして伝えられて来た儀式です。それゆえに、これは信仰告白に従ってカトリックの良心が縛られている「受け取られたそして承認された儀式」なのです。私はまた諸秘蹟全般に関するトレント公会議の中の一つの教義上のカノンを引用しそれについて解説しました。私はカノン13、セッション7に言及しています。

もし誰かある者が諸秘蹟の荘厳な管理において慣習的に用いられている受け取られ承認された儀式は...誰であれ教会の司牧者によって他の新しい儀式へと変えられてもよいと言うならば、その者は破門されよ。」注1)

グルーナー神父様はある時私に、誰かある人が私の書物(典礼において信仰を変える自殺行為)を読んで次のように論評したと話してくれました:「そうですね、クレイマー神父様はこの一つのカノンを取り上げてこのカノンを巡ってその書物全体を作り上げました」と。しかしもちろん、グルーナー神父様はその個人に次のように説明しました:「いいえ、その書物はすでに書かれていました。クレイマー神父様はこのカノンを書物の中に入れるために書物を改訂しなければなりませんでした。彼は最初にその書物を書いた時にはそのことについて知ることさえなかったのです」と。

私は以下の立場 - すなわち、神法によって、われわれは何らかの一つのカノン、あるいは教皇ピオ五世のこの布告 Quo Primum に基づいて、われわれの伝統的な儀式に縛られているという立場 - を根拠とはしていません。しかし私はそれを Quo Primum それ自体が教説に基づいているという原理に基づかせています。なぜ教皇聖ピオ五世は彼が公布され、彼が成文化されたミサ典礼書における典礼を強く要求なさったのでしょうか? 彼はその典礼を改革し、そしてミサの新しい儀式を創り出すそのような仕方で典礼を改訂されませんでした。彼は古代のローマ典礼を成文化されました。彼はカトリックの教え:すなわち、カトリックの良心は神法によって受け取られ承認された儀式を十分よく理解なさいました。これが土台となる原理です。

注:1.

"Si quis dixerit, receptos et approbatos Eccleasiae catholicae ritus in sollemni sacramentorum administratione adhiberi consuetos aut con- temni, aut sine peccato a ministries pro libito ommitti, aut in novos alios per quemcumque ecclesiraum pastorem mutari posse: anathema sit."(D.S. 1613)

2007/03/23 三上 茂 試訳

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作成日:2007/03/23

最終更新日:2007/03/23

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