ファチマ・ニュース

教皇、聖ピオ十世会の司教たちの破門を撤回なさる

2009/01/24

ベルナール・フェレー司教は、1988年6月30日に聖別されたその他の3名の司教たちの名前にもおいて、教皇庁立委員会エクレジア・デイ委員長ダリオ・カストゥリヨン・オヨス枢機卿に出された2008年12月15日の手紙によって、1988年7月1日にこの聖省長官の教令によって公式に(formalmente)宣言された伴事的破門の撤回を新たに求めた。上記の手紙においてフェレー司教は、その他のことのなかでも、次のように断言している。「私たちは、カトリックとして留まることそして、私たちの主イエズス・キリストの教会、すなわちこれはローマ・カトリック教会でありますが、私たちの全ての努力をこの教会の奉仕のために使うことを、私たちの意志において常に確固として決意しています。私たちはその教えを忠孝の態度で受け入れます。私たちはペトロの首位権とその特権を固く信じ、このために現在の状況は私たちを多く苦しめています。」

 ベネディクト十六世教皇聖下は、相手側によって明らかにされた破門の制裁のための霊的不都合(disagio)を父として感じ取り、上述の手紙において彼らによって表明された、まだ開かれている事柄についての聖座の当局と必要な話し合い(colloqui)を深めていく如何なる努力も惜しまないということを信頼し、起源において置かれた問題の、短期間で十全な満足のいく解決を達成するために、ベルナール・フェレー司教、ベルナール・ティシエ・ド・マルレ司教、リチャード・ウィリアムソン司教、およびアルフォンソ・デ・ガラレタ司教が、彼らの司教聖別とともに生じた教会法上の状況を再考することを決意した。

 この発布(atto)により、信頼の相互関係を堅め、聖ピオ十世会と使徒座との関係の強化し、それに安定性をあたえることが望まれる。クリスマスの祝祭の終わりにおいて、この平和の賜物は、普遍の教会の愛徳における一致を促進し、分裂の醜聞を消し去ろうとする印となることも目ざしている。

 目に見える一致の証拠とともに、教導権と教皇の権威への真の忠誠と真の認証を証することにより、この段階の後、素早い聖ピオ十世会の教会との完全な交わりを達成することが続くと期待される。

 ベネディクト十六世教皇聖下により特別に私に与えられた権能に基づき、この教令の効力により、1988年7月1日にこの聖省によって宣言された伴事的破門の刑罰を、ベルナール・フェレー司教、ベルナール・ティシエ・ド・マルレ司教、リチャード・ウィリアムソン司教、およびアルフォンソ・デ・ガラレタ司教にたいして元の状態に戻し(rimetto)、私は、上記の日付で出された教令を、今日の日付より、栽治権上の効力が無いと宣言する(dichiaro privo di effetti giuridici)。」

ローマ、司教聖省にて、2009年1月21日、
ジョヴァンニ・バッティスタ・レ枢機卿
司教聖省長官

(以上の翻訳は小野田神父様のブログから借用しました。三上)

聖ピオ十世会総長の書簡

親愛なる信徒の皆様、

 私が添付した報道用公式発表においてお知らせしているように、「1988年6月30日にマルセル・ルフェーブル大司教閣下によって聖別された司教たちの破門 - それは1988年7月1日の日付の布告において司教聖省によって宣言され、そしてわれわれが常に異議を唱えて来たものですが - はベネディクト十六世によって命令され、そして同じ聖省によって2009年1月21日に出された別の布告によって撤回されました。そのことは、2008年王たるキリストの祝日にルルドにおいて私があなたたちに委ねた祈りの意向でした。あなたたちの応答はわれわれの期待を上回りました。なぜなら、173万環のロザリオが、司教たちの人格を超えて、多かれ少なかれ伝統を重要なものと考えたすべての人々にかかっていた不名誉に一つの終わりがもたらされるということが、聖母の取り次ぎを通じて、得られるために、唱えられたからです。教皇様にこの単独の、慈悲深いそして勇気ある行動を鼓舞なさったいとも祝せられたおとめに感謝することを忘れないようにしましょう。われわれの熱心な祈りを教皇様に請け合いましょう。

 この意思表示のおかげで、伝統が重要であると考えた世界中のカトリック教徒たちは彼らの祖先の信仰を守ったために、もはや不当に汚名を着せられたり、非難されたりすることはないでしょう。彼らの祖先の信仰はそれ自体破門にされるものではなかったけれども、しばしば破門されそして日々の諸々の出来事において残酷に破門されました。それは、2007年7月7日のモートゥ・プロプリオ「スンモールム・ポンティフィクム」において教皇様が幸いにも思い起こされたように、トリエント・ミサが決してそれ自体廃止されたことがなかったのと同じです。

 1月21日の布告はカストゥリヨン・ホヨス枢機卿に宛てられた2008年12月15日づけの書簡を引用しています。その中で私は、そこでその2千年の古い教えとペトロの首位性へのわれわれの信仰をわれわれが受け入れることを再び断言しながら、「カトリック教会であるわれらの主イエズス・キリストの教会への」われわれの忠誠を表明しました。私は、われわれがこの教えそしてこの首位性がその中で軽蔑されている教会の現在の状況から大いに苦しめられているということを教皇様に思い起こさせました。そして私はこうつけ加えました:「われわれは、反近代主義的誓い、ピオ五世の信仰告白に署名するために、われわれ自身の血でもって信仰箇条を書く準備ができています。われわれは、それについてわれわれがいくつかの留保を表明した第二バチカン公会議までのすべての公会議を受け入れわれわれ自身のものとします。」このすべてのことにおいて、われわれは、その信望がまもなく再び回復されることをわれわれが希望しているわれわれの修道会の創立者マルセル・ルフェーブル大司教によって示された行動の線にわれわれが忠実であり続けると確信しています。

 従って、われわれはすべての時代の教導権に反対している教義的な諸問題についてのこれらの「話し合い」 - 布告が「必要」であると認めた - を始めることを望んでいます。われわれは今日の教会を揺り動かしている前例のない危機:すなわち、諸々の召命の危機、宗教的実践の危機、カテキズムの危機、諸秘蹟の受容の危機...を認めざるを得ません。われわれ以前に、パウロ六世は「ある隙間からサタンの煙が教会の中へ入った」と言うところまで行かれました。そして彼は「教会の自己破壊」について話されました。ヨハネ・パウロ二世はヨーロッパにおけるカトリシズムは、言ってみれば、「沈黙の背教」の状態にあると言うことを躊躇なさいませんでした。ベネディクト十六世はペトロの玉座に選ばれる直前に教会を「あらゆる側面から水の中へ引き込まれているボート」に比較されました。

 このようにローマ当局とのこれらの話し合いの間に、われわれは現在の状況の深い原因を検討したいと思っています。そして適切な救済策をもたらすことによって教会の永続的な復興を達成したいと思います。

 親愛なる信徒の皆さん、教会はその御母、いとも祝せられたおとめマリアの手のうちにあります。われわれはわれわれの信頼を彼女に置きます。われわれは彼女にどこでもそしてすべての人のためのすべての時代のミサの自由を求めて来ました。われわれは破門の布告の撤回を彼女に求めて来ました。われわれの祈りにおいて、われわれは今彼女にそのように多くのものを必要としている霊魂たちを混乱させた、必要な教義的明確化を求めます。

メンツィンゲン、2009年1月24日
+ ベルナルド・フェレイ

聖ピオ十世会が宗派分立罪のうちにないという事実についての一つの見事な論文については、ポール・クレイマー神父の"The Suicide of Altering the Faith in the Liturgy"(「典礼の信仰を変えることは自殺行為である」)を見てください。

第一次的な文書による証拠固め:http://www.dici.org/accueil.php

2009/02/14 三上 茂 一部試訳

作成日:2009/02/14

最終更新日:2009/02/14

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