ファチマ・パースペクティヴズ

あなたは悪魔との取引を止めることができない

No. 522

クリストファー・A. フェララ

「エキュメニカルな対話」に関するヴァチカンの政策とその中国政策とは一つの共通点を持っている:すなわち、それらは両方とも悪魔との取引をする試みを含んでいる。中絶、避妊そして離婚を許し、女性たちを「司祭」や「司教」として叙階すると主張し、無数の異端や不道徳を説教するアングリカン「教会」と神学的諸問題に関して「エキュメニカルな一致」を求めることは悪魔との取引をすることである。中国におけるカトリック教会の諸権利に関して赤色中国政府と取り引きすることは同じようにサタンとだらだら喋ることである。

それゆえに、エキュメニカルな対話とヴァチカンの中国政策が両方とも悲劇的な失敗であるということは誰をも驚かさないであろう。悪魔は決して正直に交渉しないし、また決して真の譲歩をしないのである。

2006年6月18日づけの中国において教会の自由を獲得するためのヴァチカンの最近の外交的努力の失敗に関する the Times Online of London による一つの報告を見てください。中国では毛沢東の「カトリック愛国協会」がローマの権威を強奪し、そして忠実なカトリック教徒たちは地下へと追いやられ、彼らの司教たちや司祭たちは規定通りに逮捕され投獄されてきたのである。

the Times の報告はこう述べている:「中国における地下ローマ・カトリック教会の七人の監禁された司教たちの苦境 - 少なくとも彼らのうちの一人は重病である - はヴァチカンと中国人たちとの間の秘密交渉を促した...数ヶ月以内にローマの高位聖職者たちはヴァチカンがその大使館を台北から北京へと移すこと、またカトリック教徒たちが教皇への従順を公言することを許すことで中国と同意することになるという大きな取引について話してきた。」ヴァチカンはヴァチカン市国の大きな視察旅行をするために中国宗教問題局や国家保安当局の代表者たちを招待しさえした。この視察旅行の間これらの共産主義者の悪党どもは王族のような待遇を受けたのである。

しかしながら the Times はこう言っている:「秘密外交が明らかになるにつれて、その権力と地位が宗教を統制する国家の官僚主義の継続した存在に依存している中国当局者たちの一団の間でそれはパニックを引き起こした。」それゆえ、結局、諸々の交渉は無に帰した。むしろ、中国当局者たちはもっと先へ進んだ。そして「数ヶ月の辛抱強い外交を挫折させながら、ローマによって承認されなかった3人の司教たちの任命を命じた。中国のカトリック聖職者が多年にわたる危険の中で彼らの最大の危険に直面する衝突のための舞台が今や設定されている。」

事態は今やこのようなので、クン枢機卿財団のジョゼフ・クンはこう述べている。「中国におけるおよそ40名の地下に潜っている司教たちのすべては逮捕されるか、あるいは現在投獄されているか、あるいは自宅監禁されているか、あるいは隠れているか、あるいは逃走中であるか、あるいは単純に消えてしまったかのいずれかである」

さらに the Times はこう報告している。ヴァチカンのあらゆる外交にもかかわらず、「中国の立場は硬化した。国立報道局の Xinhua は中国におけるカトリシズムの発展は「司教たちの自己選出と叙階を要求した」と述べた。

このすべてのことから学ぶべき教訓は、彼の共産主義者の迫害者たちに屈服するよりはむしろ赤色共産主義の牢獄に35年間を過ごした偉大なクン枢機卿の甥であるクン氏によって最もよく述べられている。the Times がクン氏の結論を要約しているように「クン枢機卿財団の忠実な信仰者たちにとって外交的な完全な失敗は、共産党がその絶対的な権力に触れる問題に関して妥協することができると信じることの誤りを暴露した。『それは最近のヴァチカンによる非常に混乱した中国政策の失敗を意味している』とクン氏は述べた。」

そのような混乱 - 悪魔と成功裡に交渉できるという考え - は今日の教会における悪魔的な方向感覚喪失の多くのしるしのうちの一つである。そのような悪魔的な方向感覚喪失はシスター・ルチアが彼女の手紙の中でしばしば書いたことである。すなわち、チアッピ枢機卿が第三の秘密のテキストにおいてわれわれに保証しておられるように、われわれが現在経験している大背教がどのように「トップで始まっている」かを詳細に示している未だに公表されていない第三の秘密のうちにこの文言は実際に見出されるとファチマ学者たちは信じている。

作成日:2006/08/22

最終更新日:2006/08/22

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