ファチマ・パースペクティヴズ

532号

カスパー枢機卿、エキュメニカルな「進歩」を要約される

2007/01/26

クリストファー・A. フェララ

2007年1月23日のカトリック世界ニュース(CWN)による報道に従えば、ワルター・カスパー枢機卿( - 使徒的継承は一つの歴史的事実ではない - )は報道記者たちに「昨年がどのように珍しくエキュメニカルな進歩の領域において実り豊であったか」に関して簡単な報告を与えられたばかりである。

カスパー枢機卿は報道記者たちに2006年の珍しく稔り豊かなエキュメニカルな進歩が次のようなことから成っていると語られた:すなわち「11月教皇のトルコへの旅行、そしてエキュメニカルな大主教バーソロミュー1世との教皇の会合、[そして]カトリック教会-正教会合同神学委員会の会合 - 2000年に決裂した話し合い以来の最初のそのような会合 - 」。

そのように、昨年は「エキュメニカルな進歩」にとって「珍しく実り豊かな」年であった。なぜなら、教皇が旅行をなさり、そして二つの会合が行われたからである。しかし、終わることのないエキュメニカルな長談義の過去40年を通じて諸々の旅行や会合はなかったのであろうか?

そしてすべてのエキュメニカルな旅行や会合は重大である唯一の意味におけるキリスト教的一致:受肉なさった神によって設立された唯一の教会における一人の主、一つの信仰そして一つの洗礼の一致によって何を産み出したのか? その答は明らかにまさに何もない、である。

あるいは、むしろ何もない、よりももっと悪いことである。なぜなら、第二ヴァチカン公会議の後に始まった「エキュメニズム」 - それがどんなものを意味しようとも - 以来、プロテスタント諸教派と正教会はこれまで以上にカトリック教会から遠くなっているからである。プロテスタント諸教派は特に、丸ティン・ルターのような者でさえプロテスタント諸教派の現在の「主流」を嫌悪をもって見るであろうほどにそのように劇的な加速された道徳的解体を経験してきた。

ロシア正教会に関して言えば、CWN に従えば、カスパー枢機卿は報道記者たちに、「教皇とロシア正教会のアレクセイ総大主教との間の会合の可能性については今のところ何ら具体的なことは決定されなかった」と告げた。それゆえ、ロシア正教会とのエキュメニカルな長談義の40年の後にヴァチカンは教皇とアレクセイ2世(ドゥロズドフ - ソビエト時代のKGBの秘密情報員)との間の一回の会合さえ獲得することができていないのである。

そして2006年は、気をつけてください、「エキュメニカルな進歩」にとって一つの珍しく「実り豊かな」年だった!もしこれがエキュメニカルな進歩であるならば、エキュメニカルな後退は何を構成するのであろうか?

エキュメニカルな諸々の愚かしい行為がずっと続いている:諸々の旅行と会合、会合と旅行が。際限のない時間、そしていかに多くのドルが、単にキリスト教的一致を生み出すことに失敗したばかりでなく、過ぎ去る各年ごとにますます達成不可能と思わせる一つの事業のために費やされてきたかを誰が知ろう。一方ではわれわれの文明の状態が示しているように、霊魂たちが、誰一人救うことができない「諸教会」、むしろ道徳的および霊的な堕落の媒体である「諸教会」において誤謬と不道徳へ向かって喪失させられているのである。

「エキュメニズム」は一つの妄想である。しかし妄想は夜が明ける現実の最小のしるしなしに続く。ファチマの聖母、われらのために祈り給え!

作成日:2007/01/31

最終更新日:2007/01/31

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