ファチマ・パースペクティヴズ

534号

中国に関する最新のヴァチカンの 決定:
支持の陳述か...それとも裏切りの始まりか?

2007/02/06

ジェームズ・W. バニスター、B.A., LL.B.

ヴァチカンと中国の共産主義支配者たちとの間の関係は、よくなるか、それとも悪くなるかどうかがあなたの訊ねる人によって異なるけれども、劇的に変化を始めたと思われる。

CNA によれば、ヴァチカン報道局からの今月のコミュニケは「『その代価が大きな苦しみであた時代においてさえ妥協することなく』教皇との完全な霊的交渉を維持した『中国の多くの司教たち、司祭たちそして信徒に名誉を与えている。』」

コミュニケはまた教皇ベネディクト十六世が間もなく中国におけるカトリック教徒に手紙を書かれるであろうとも述べている。ヴァチカンのメッセージは、その中で何人かの名を明かされていないヴァチカン高官たちと中国の司教たちが中国における教会の「最も重大で緊急」の諸問題を検討した一つの会合を追っている。そして「教会の神的制定および宗教的自由についての基本的諸原理」の光に照らしてそれらの最善の解決策を提供した。

すべては申し分なく結構なことである。しかし今われわれはすべての中国のカトリック教徒そしてあらゆる地域のカトリック教徒にとって重大な関心を引き起こすはずである声明の部分に行き当たる。

コミュニケはこう続いた:「過去の諸々の誤解を克服するために政府当局者たちとの丁重で建設的な対話の道に進むという欲求が起こってきた。」

世俗的なメディアは信徒たちの苦しみについての美辞を大部分は無視してきた。彼らはその代わりに提案された「政府当局者たちとの丁重で建設的な対話」 - それを彼らはヴァチカンが中国共産主義独裁との外向的和解を求めているという意味に解釈する - に焦点を当てる。

コミュニケにおいて言及されていない一つの名前がヨゼフ・ゼン枢機卿の名前であるということは重大である。香港の大司教として、ゼン枢機卿は常に中国政府を遠慮なくずけずけと批判してきた人であった。彼が[大司教としての]赤帽を受けたとき、彼は彼のアプローチを和らげる印をほとんど見せなかった。

彼の[大司教]指名を知ったとき、彼はこう言われた:「われわれは反対する諸々の趨勢を恐れることなく真理を明確に述べられる教皇の例から学ぶべきである。」彼の意見を和らげるかどうか訊ねられて、彼はこう答えられた:「私は70歳を過ぎた - 変えることが困難であろう諸々の事柄がある。」

ゼン大司教が[その位に]挙げられたとき、共産主義者たちは意図的な挑発だとしてヴァチカンを非難した。ある北京のスポークスマンの言ったことを引用すればこうである:「われわれは宗教人は政治に介入すべきではないと主張する。」

今ゼン枢機卿はどこにおられるであろうか? なぜコミュニケはヴァチカン国務省の一人の地位の低い役人によって出されたのであろうか? それは、ヴァチカンの国務省が、今日中国を支配している神なき、残酷な殺人者たちとの「よりよい関係」のために台湾と中国の1千万人の忠実なカトリック教徒を裏切る[ヴァチカン国務省の]2001年計画を復活させたということであり得るのか?

共産主義者たちは(今や50年以上にわたって断絶してきた)外交関係の回復は聖座と中華民国(台湾)との間の外向的な結びつきを断絶することにかかっているということを明確にしてきた。

「解決される」べき第二の問題は中国におけるカトリック教会の地位である。ただ一つのカトリック教会だけが存在し得るということは明らかである。共産主義者たちは、彼らが真の教会に取って代わらせるために1957年に創り出した教会である中国カトリック愛国協会(Chinese Catholic Patriotic Association = CCPA)を解散しようとはしない。そうすることはメンツを失うことを意味するであろう。それは中国人が決してすることができないことである。

しかしキリストに忠実であるためには、カトリック教会は CCPA を妥当なもの、真なるもの、あるいは善なるものとして認めることはできない。CCPA はカトリック教会のように見えるかもしれない。しかしそれは分離派的でかつ異端的である!

それゆえわれわれはいくつかの厳しい質問をしなければならない。ヴァチカンは一つの不道徳的な妥協を強いられているのか? 彼らは信徒たちがその「地下活動」を止め、ただ共産主義者によって統制された「教会」においてのみ礼拝するように彼らを強制しようと不当にも試みているのか?

確かに真の信仰のために迫害されてきた人々、殉教さえした多くの人々はより善きものを受ける価値がある!

作成日:2007/02/09

最終更新日:2007/02/09

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