ファチマの聖母マリア

熊に催眠術をかけられて:ソビエトの大きな欺瞞 第Ⅱ部

The Fatima Crusader, Isuue 33: Summer 1990より

アメリカと西側は東と西の間の平和、軍縮そしてパートナーシップという現在の雰囲気によって大規模に欺かれている。われわれは、もし現在の傾向が逆にされないならば、来るべき数年にわたって信じられない危険に直面する。この論考の読者はこの報告をできる限り広く--特にアメリカ、NATO諸国、南アフリカ、等々の政府、軍隊、そしてメディアの指導者たちに--配布するように強く勧められる。

紙数が足りないために、われわれは報告全体をリプリントすることができない。しかし完全な報告のコピーを望むならば、The Fatima Crusaderに請求してほしい。

もとはThe McAlvany Intelligence Advisorの編集者、ドン・マックアルヴァニー(Don McAlvany)によって1990年5月にMIAにおいて公表された。

「敵を破るためにはまず第一に彼らの士気を失わせ、そして抵抗する彼らの意志を破壊しなければならない。最も完全な技術は戦場で彼らと戦うことなしに敵を征服することである...汝の敵の武器供給を是非とも破壊せよ。」孫子--「戦術」--500 B.C.

「共産主義と資本主義との間の徹底的な戦争は不可避である。しかしわれわれは攻撃するには余りにも弱い。われわれの時代は30年から40年のうちに来るであろう。しかし最初にわれわれは、歴史を通じて知られている平和と軍縮の最大の序曲でもって資本主義諸国を眠らせるようにあやさなければならない。そして次に、彼らの警戒が止められるとき、われわれの握りしめた拳をもってわれわれは彼らを打ちのめすであろう。」ディミトリ・マヌイルスキ(Dimitri Manuilski)--1930年代にモスクワでの政治闘争のためのレーニンの学校における演説の中で。

序論

共産主義は本当に死んだか? 冷戦は本当に終わったか? ゴルバチョフは本当に偉大な平和の人であるか? ソビエト帝国は本当にその最終的危機にあるのか? なぜアメリカの指導者たちは50年以上の間、その指導者たちがわれわれを葬ると約束したちょうどその時にソビエト帝国が成長し拡大するのを一貫して助けてきたのか? これらの問いに対する答は数百年間のではないとしても、数世代の間の人類の未来を決定し得るであろう。

ソビエト帝国の中で何が実際に起こっているのか? 西側の新聞がずっと繰り返し言っているようにそれは解体しつつあるのではない。それは来るべき5年から10年のうちに、世界支配のためのその最終的な攻撃を準備して再構築し、再調整し、再軍備しているである。マルクス・レーニン主義の宗教と世界支配の夢がクレムリンにおけるその指導者たちの心のうちに生きている限り、共産主義は死んだのではない。ゴルバチョフは偉大な平和の人ではないし、また彼の軍事機構が世界史の中で最も恐るべき大きさにまで成長し続け、そして彼が12,3の民族解放戦争を扇動すると同時に、ソビエトの武器をアンゴラ、モザンビーク、リビア、エチオピア、アフガニスタン、中央アメリカそしてフィリピンに年に150億ドルから200億ドルずつ船で運んでいる限り、冷戦は終わったのではない。

ミハイル・ゴルバチョフは、西側のメディアがわれわれに告げるように、改革者ではないし、また秘密リベラル派でも、キリスト者でもない。彼はレーニン自身以来の最大級の筋金入りマルクス・レーニン主義者--元ソビエト大統領をアンドレ・グロムイコ(Andre Gromyko)が「微笑の背後にライオンの歯がある」と記述した人間--である。ロシアの学生たちの大きなグループに対するある演説の中で[11-15-89]ゴルバチョフはこう言った:「われわれは生きている一人のレーニンのために存在している....われわれの未来を建設するに際してわれわれは、マルクス・レーニン主義の理論に結びつけられた社会主義的理想の巨大な知的および道徳的可能性に基づいている...われわれはマルキシズムのうちに含まれている精神的豊かさを放棄するいかなる合理的根拠も見ない....」「再構築[ペレストロイカ]を通じてわれわれは社会主義に第二の風を与え、そして社会主義体制の巨大な人間主義的可能性をそのすべての充満において明らかにしたいと思っている。このことを達成するため、ソビエト連邦の共産党は[ボルシェヴィキ]革命の起源と原理、新しい社会建設についてのレーニン主義の理想に立ち帰る...われわれの党はレーニンの党であったし、そしてそれであり続ける...簡単に言えば、われわれは生きている一人のレーニンのために存在しているのだ...われわれはレーニン主義の精神によって指導された解答、レーニンの思考のスタイル、そして弁証法的認識の方法を探求しなければならない。」

これは共産主義の死を主宰している人間のように響くか? ゴルバチョフが崇拝しているレーニンは言った:「われわれは後退を通じて前進する」、「われわれが弱いとき、強さを鼻にかけよ」、そして「われわれが強いとき、弱さの振りをせよ」。汝の敵を混乱させるための2歩前進し、そして次に1歩後退せよというレーニン主義の古い弁証法的教説は確かに今日、彼の弟子ゴルバチョフによって適用されている。それは信徒によって「科学的社会主義」と呼ばれている。そしてもちろん、ゴルバチョフは、自分は社会主義を捨てたいと思っているのではなくて、それを更新し、再構築しそして強化したいと思っていると言った。

一見してあたかも共産主義陣営が崩壊し始めているかのように見える。しかし、実際には、ソビエト連邦は解放化過程の完全な統制のうちにあり、ほとんど10年前にユーリ・アンドロポフとKGBによって作られたKGB脚本に単に非常に注意深く従っているにすぎない。しかし第二の脚本、ワシントンからボン、ブリュッセルまでの西側の社会主義的指導者たちによって推進されている脚本がある。そしてその脚本はこの10年の終りまでに一つの世界社会主義政府(新世界秩序)--アメリカ、東西ヨーロッパ、ソビエト陣営そして東洋の経済的および政治的利益を一つの巨大な世界社会主義政府(あるいは独裁制)へと変えてゆくであろう--を求めている。

また第三の脚本もある。それは定義することあるいは量で表すことがもっと困難な脚本である。しかしそれにもかかわらず、全面へと出て来ている脚本である。そしてそれはニューエイジ運動の脚本--2000年までに一つの世界政府を要求しているオカルト的、準超自然的脚本--である。これらの脚本(もしあなたが望むならば、陰謀)の三つすべては世界政府についての彼らそれぞれの形式のために2000年頃の一つの標的とする年月日を持っている。三つすべては平行し、重なり合い、協力しそして相互にお互いを増進させている。三つすべては(筆者の見解では)明確に異なっている。そして三つすべては(筆者の見解では)それらを押し進めている一つの悪、超自然的、悪魔的、強力な悪を持っている。これら三つの脚本(あるいは陰謀)のある結びつきがこの10年が終わる前に一つの世界政府を確立することに成功できると見えるであろう。

MIAのこの号はこれら三つの脚本を分析するであろう。それはヨーロッパにおけるソビエトの大きな戦略を分析するであろう。それはニカラグアにおける現在の諸々の展開を検討するであろう。大規模なソビエトの軍備増強に目を向け、アメリカにとっての生き残りの戦略を探求するであろう。

1.三つの脚本の話

A.ヨーロッパにおけるソビエトの戦略

今日ヨーロッパにおいて起こっていることは、この10年の終りまでにソビエト連邦の利益になるように世界権力のバランスあるいは諸勢力の相互関係を変えるような仕方でヨーロッパのチェス盤を再調整する(ほとんど10年前に書かれた)ソビエトの脚本である。この脚本における重要な諸要素のいくつかは:

1)ロシアは経済的崩壊の振りをするであろう--ロシアの軍事的な強さと生産、宇宙計画、石油、鉱物そして工業生産のどの綿密な分析も示すであろうのに、われわれはロシアが実際は西側より遙かに強いと信じることができないように騙されている。ソビエトと西側の新聞は石鹸やトイレット・ペーパーの不足について不満を述べている。一方でクレムリンは、ペンタゴンが供給することができないチタンから数十万ドルもする核潜水艦を37日毎に1隻建造している。

2)ロシアは、共産主義は死んだ、冷戦は終わった、そして民主主義の新しい波がソビエト連邦と東側ブロックにおいて出現していると宣言するであろう。ブロックのいたるところで諸々の共産党が当たり障りなく改名され[すなわち、社会民主党、等々]、再編成され、余り知られていない共産主義者を書記長に再指名するであろう。そして秘密警察の組織は「公式に」解体されるが、しかし「私的に」改名され、再編成され、そして永続化されるであろう。諸々の反対政治集団が繁栄することを許されるであろうが、しかし共産主義者たちや秘密警察によって潜入されるであろう。急拵えの選挙がメディアの派手な宣伝と共に行われるであろう。共産主義者たちが彼ら自身の競争--彼らが統制する偽の競争--を創り出すことを好むということは記憶されるべきことである[すなわち、ポーランドにおける連帯]。

[編集者注:共産主義という名称は場面から消え失せ、社会民主主義に似たある名称が採用されるであろう。すべての共産主義者はほとんどこの時期から先は自らを「社会主義者」と呼ぶであろう。]

3)鉄のカーテンは開かれ、そしてベルリンの壁が取り除かれるであろう。--西側に対するこれらの動きの心理学的衝撃と共産主義崩壊の「幻想」は西側におけるソビエトからの「脅威知覚」をほとんどまったく消し去るためにアンドロポフ商会によって計算に入れられていた。

4)ソビエトの人間たちは歴史における最も見応えのある軍縮キャンペーンを開始するであろう--「公式に」大きな譲歩をし、INF条約とSTART条約に調印し、そして次にこれらの条約そして先行のすべての条約を、同じように守っていると公言する一方で、大規模に不正をして潜り抜けた。ソビエトが歴史における最も大規模なしかし秘密の軍備増強を続けている一方で、上述の要素1−3に対する騙されやすい西側の信仰だけが西側をそそのかして大規模な軍備を縮小させるであろう。[以下の第Ⅳ部を見よ。]

5)ソビエトは東西ドイツに再統一することを許すであろう。--しかしただ統一されたドイツが中立国となり、NATOから引き上げ、そしてソビエト軍隊をその国土に駐留させ続ける場合にだけ、[そうするであろう]。ドイツはNATOにおける重要な国であるので、ドイツの脱退はNATOの崩壊を引き起こし、そしてヨーロッパの全部は中立国となりフィンランド化されるであろう。

[編集者注:フィンランドは、ソビエトの領土のどの部分もそうであったのと同じように(ものすごい軍事的脅迫を通じて)多くスターリンの情けにすがる一方で、スターリンが1949年にフィンランドが望むことをすべてすることを許した国である。独裁者の情けで存在することは西欧の政治的意味における自由ではあり得ない。フィンランドは、スターリンの許可とソビエトがフィンランドの頭の上に持っていた軍事的ダモクレスの剣のゆえにその特別の地位を与えられた。フィンランドは国連においてほとんど常にソビエトに賛成投票ををした。中立化した、軍備を縮小したNATO後の西ヨーロッパは同じようにフィンランド化されるであろう。]

ひとたびドイツの再統一が起こったならば、ロシアはドイツをその西側の諸々の隣国から政治的、軍事的および心理的に分離するために主要な努力をするであろう。

6)アメリカはそのすべての軍隊と軍備を西ヨーロッパから引き上げるよう圧力を受けるであろう。--ヨーロッパ中立の新しいポスト冷戦、ポスト共産主義の時代に。平和主義的ヨーロッパの諸政府と人々はそのような引き上げを要求し、そしてヨーロッパおよび合衆国のメディアおよび議会における左翼的/共産主義的圧力はそのような合衆国の引き上げを既成事実とするであろう。実際ヨーロッパおよび合衆国におけるそのような圧力はすでに始まった。

7)アメリカと西側が入って来て、「新しく民主化された」東ヨーロッパ諸国とソビエト連邦自身をその財政的困難から救い出すであろう。--アメリカと西ヨーロッパは、以前にはロシアによって支払われていた東ヨーロッパの資金調達のために1年の勘定書の支払いとして400億ドルから500億ドルを負担するであろう。ロシアに対する直接の合衆国財政援助はすでに合衆国議会において、そしていくつかの支配層たちによって、提案されてきた。合衆国銀行、IMF、そして世界銀行のロシアに対する信用貸しが流れ始めている。そして次の5年間にわたって信用貸しとビジネス・プロジェクトで1000億ドル以上の金が西側によってロシアに注ぎ込まれるであろう。

8)アメリカと西側からのハイテク移転が--上述の要素1−5を考慮すれば--加速するであろう。

ロシアのハイテクの多くは西側から来た(買われ、借用され、与えられ、盗まれて、等々)。アメリカは1972年にロシアのために大いに賞讃されたカマ川トラック工場(Kama River truck factory)を建設した。そしてブッシュは今日ゴルバチョフのためにそれを近代化することに忙しい。それは年に30万台の軍用車を生産している。ニクソンとキッシンジャーは、ソビエトにMIRVed(多弾頭)ミサイル生産を許した1970年代初期にアメリカのボールベアリング技術の売却を押し通した。ソビエトのスパイは原爆起爆装置のアメリカの機密、そしてわれわれの核潜水艦を静かに航行させることに関するアメリカの技術を盗んだ。今ロシアの新しい潜水艦は静かに航行し、そしてそれゆえに発見することは困難あるいは不可能である。

ソビエトは技術的に蕪トラック(turnip truck)の質を低下させなかった。(あなたの敵を過小評価してはならない!)彼らは宇宙空間技術および兵器技術の多くの分野においてアメリカをリードしている。そして毎年アメリカよりも10倍以上の科学者、技術者を卒業させている。しかし彼らは、日本、ヨーロッパそしてアメリカからの新しい高度技術と共に現在発展しつつあるポスト核兵器において1990年代にある量の兵器の躍進--アメリカの運命をこれを最後に封じ込めることができる躍進--をしたいと希望している。ソビエト上層部は世界支配への鍵は西側の科学および技術への際限のない接近であると信じている。

9)NATOおよびワルシャワ条約は解消されるであろう。そして東西ヨーロッパの諸々の軍隊を結合する一つの全ヨーロッパ防衛軍が形成されるであろう。もちろん、ロシアは非軍事化されたヨーロッパにおける支配的な軍事的要因であろう。そして次にヨーロッパのバランスをフィンランド化するであろう。西ヨーロッパはこのシナリオにおいては完全に非核化されなければならないであろう(そしてこの論考を書いている時点ではその方向に急速に動きつつある。)

10)東西ヨーロッパは一つの共通のヨーロッパの家へと合併されるであろう--この合併は最初は経済的、そして次に政治的であろう。統一されたヨーロッパは中立的、社会主義的そしてフィンランド化されたものであろう。そして経済的および軍事的に合衆国を排除するであろう。ソビエトの政策は合衆国(彼らの究極的な敵)をヨーロッパから追い出し、アメリカを孤立化させることからぐらついたことは一度もない。ゴルバチョフと「脚本」はウラジオストックから大西洋までの一つの社会主義連邦--もちろんロシアによって支配された--を目に見えるものにしている。

11)ロシア南東部に対する中国の脅威は中ソ不可侵条約の調印によって中和されるであろう。そのような条約が現在協議されており、そしていくつかの部分的合意がすでに調印された。

12)ロシアの東西両側面が中立化され、アメリカが軍備を縮小され、士気を挫かれたヨーロッパから排除されるとともに、ロシアはペルシア湾石油地域を支配するためにペルシア湾へ軍隊を自由に動かすであろう。それは西側がそれに依存している二つの宝箱:ペルシア湾石油地域とアフリカ南部と南アフリカの戦略的鉱物をひったくるためのブレジネフ・ドクトリンの一部である。後者は2年から4年以内には、そして前者は1990年代の後半までには一つの既成事実であり得るであろう。そのことが起こるとき、西側は完全な敗北を喫するであろう。そして合衆国および西側の事実上の降伏(それは当たり障りなく「順応」と呼ばれるであろう)がたぶんその後に続くであろう。

[編集者注:何人かの聖書研究者たちはそれをハルマゲドン・シナリオと呼んでいる。]

上述の12部のシナリオは1990年代の終わりまでのソビエト世界支配のためのKGB脚本である。それは最初に二人の元KGB高官によっておよそ10年ほど前に書き上げられた:アナトーリ・ゴリツィン(Anatoliy Golitsyn)、そして1984年に彼の書物『古い嘘に代わる新しい嘘』(NEW LIES FOR OLD )(現在絶版)そしてイオン・パセパ(Ion Pacepa)、彼の書物『赤い地平線』(RED HORIZONS)において公表された。これらの元KGB工作員たちは「脚本」が東ヨーロッパとロシアの独裁制を救いそして拡大すること、それをヨーロッパ社会主義-共産主義的独裁制へと変え、そして次に、1)統合されたヨーロッパ、2)一つの全ヨーロッパ共同市場、そして3)最後に一つの新世界秩序を通じて一つの普遍的社会主義的独裁制へと変えることが意図されていると信じている。

D. McAlvanyによる報告はここになお2つのセクションを持っている。すなわち:

B.一つの新世界秩序への突進

C.ニューエイジ世界政府

しかし2つのセクションのテキストは紙数の欠如のためにここでは除かれている。完全な報告のコピーを得るためにはThe Fatima Crusader に手紙、あるいは1-800-263-8160へ電話してください。

II.欺瞞の劇場

「すべての戦争は欺瞞に基づいている。」孫子、500B.C.

「結果として、共産党の戦略家たちは今や、長期間の最終的、攻撃的な局面へと入り、...マルクスの想像を超える、あるいはレーニンの実践的到達の範囲を超える、そしてスターリンにとって考えられない術策や策略に参加する覚悟ができるている。そのような以前には考えられない策略の中には東ヨーロッパ、そしておそらくソビエト連邦への偽りの自由化の導入、そしてルーマニア、チェコスロヴァキアそしてポーランドにおける諸政府の一部での偽の独立の展示がある。」彼の書物『古い嘘に代わる新しい嘘』p.327 & 328--1984年に書かれた--からアナトーリ・ゴリツィン。

序論

現在のソビエト指導部は西側を不安定にし、組織的な欺瞞を通じて最終的にそれを負かすために歴史上最も包括的なそしてマキアヴェリ的な計画を発展させた。ソビエトの人間たちはアメリカの人々が非常に短い注意期間を持っていること、メディアによって産み出された諸々の幻想によって容易にそそのかされること、そしてカモフラージュと欺瞞とを見つけだすことに困難を見出すことを学んだ。彼らは現在、平和の幻想、共産主義の死、ソビエト陣営の非軍事化、そして友情--まさにその正反対のことを計画ししでかしている一方で--の幻想を創り出している。

ゲイリー・モース(Gary Moes)が最近『カルケドン・レポート』(CHALCEDON REPORT)(P.O. Box 158, Vallecito, CA 95251)において書いたように:「約30年前に、世界のすべての共産党の一つの会議はレーニンが彼の計画の内的および外的な敵を道徳的にそして物理的に武装解除することにおいて驚くべき成功を収めて実行した一つの戦略を復活させた。レーニンの秘密警察によって考え出されたその戦略は偽情報--非共産主義世界から望み通りの反応を引き出すために共産主義世界の真の状況や実践についての意図的になされる偽の描写--であった。共産主義世界内部の真の弱さと危機の時期には注意深く念入りに作られたイメージは攻撃的な強さと拡張のイメージであった。そしてすべての共産主義的実践はそのイメージを創り出すことに適合させられた。共産党指導内部の実際の強さと連帯の時期には、体制は弱くて、もがいている、過渡期にあって、そして(謙遜に認められた諸々の不足のゆえに)西側の諸国家の家族との協力に対して開かれているものとして描写された。

「西側における軍事的/産業的大国によって設定された障壁を取り消すために、ソビエト陣営は平和愛好的である、そして西側とイデオロギー的に収斂の方向へ向かっている途上にあるものとして--簡単に言えば、もはや脅威ではないものとして--描写されなければならなかった。このようにして近年の大規模な軍縮推進があるのである。民主主義諸国家の武装解除をするために、民主主義の道が取られたということを確信させる証拠がなければならなかった。そして民主主義の諸勢力が本物であるということを世界に確信させるためにはしばらくの間は、上からのレジスタンスが、たとえ偽の降伏であろうと、なければならなかった。」

「この戦略はほとんど想像を絶するほど詳細なもの、そして包括的なものであった。そして東側ブロックにおける現在の諸々の迅速な出来事は長年の注意深い計画と巧みな操作の結果である。欺瞞の範囲とその詳細な諸目的は、数人の西側に逃亡した重要な、事情に詳しい消息通、有名な元KGB将校アナトーリ・ゴリツィンおよび元ルーマニア秘密警察署長イオン・パセパの開示のおかげで、この数年間、(大いに無視されてはいるけれども)知られて来た。両者は偽情報計画の不安にさせる暴露記事を書いた。ゴリツィンの『古い嘘に代わる新しい嘘』(NEW LIES FOR OLD )(Doddm Nead & Co., 1984)そしてパセパの『赤い地平線』(RED HORIZONS)(Regnery Gateway, 1988)。エドワード・ジェイ・エプステイン(Edward Jay Epstein)による新しい書物『欺瞞』DECEOTION(Simon and Shuster, 1989)はこれら二人の専門家の開示をまとめており、さらに共産党の偽情報戦略の西側に対する意味を分析している。」

ブレジネフの死に先立って彼の著作の大部分を書いているゴリツィンは詳細にわたって現在の諸々の出来事を予告した。彼はそれらの出来事を長期にわたる大規模な欺瞞の結果として描写した。

「彼の1984年の書物において、彼はこう書いた:『確かに、次の5年は強烈な闘争の時期であろう。それは過去20年間にわたる戦略的偽情報計画の成功を利用し、共産主義陣営に対する西側の諸政策においてそれが産み出して来た危機と誤りを利用することを意図した一つの主要な調整された攻勢によって特徴づけられるであろう。全般的な目標は共産主義諸国家の世界的な連盟を確立するという最終的イデオロギー的目的を準備するものとしてソビエト陣営の利益になるように世界権力バランスにおける一つの主要なそして逆行できない移行をもたらすことであろう...新しい「自由化」の真正なものとしての西側の受容は合衆国、西ヨーロッパそしておそらく日本さえ、に対する共産党の戦略の実現のための好ましい諸条件を創り出すであろう。』」

D. McAlvanyによるレポートはここでもう7つの非常に重要なセクションを述べている。すなわち

II.欺瞞の劇場

A.ポーランドにおける欺瞞

B.ルーマニアにおける欺瞞

C.東ドイツにおける欺瞞

D.チェコスロヴァキアにおける欺瞞

E.アフガニスタンとアンゴラにおける欺瞞

III.ニカラグアにおいて共産主義は本当に終わったのか?

A.ヴィオレタ・チャモロ(Violeta Chamorro)とは誰か、そして彼女はニカラグアを変えることができるのか?

B.サンディニスタ党は本当に権力を放棄するであろうか?

しかしこれら7つのセクションのテキストはここでは紙面の欠如のために除かれる。完全な報告のコピーを得るためにはThe Fatima Crusader に手紙、あるいは1-800-263-8160へ電話してください。

III.ニカラグアにおいて共産主義は本当に終わったのか?

C.結論

軍隊に加えて、サンディニスタ党はまた内務省--共産党秘密警察(すなわち、サンディニスタ国家公安司令部)を預かっている--を支配し続けるかもしれない。サンディニスタ党は国会の40%を占めるであろう。そしてそれによっていかなる憲法上の変化をも締め出すことができる。彼らはすでに彼らの盗み、殺人そして他の残虐行為に対する全部の恩赦を自分たちで可決した。そして1980年代の間に数千人のサンディニスタ党幹部による1万軒以上の家屋の押収を合法化した。彼らは軍隊を支配し、少なくとも秘密警察の部分的支配権を持つであろう。そしてそれゆえに国に対してなお主要な支配を行うであろう。

サンディニスタ党はニカラグアにおいて次の諸制度を支配している:1)軍隊;2)民警;3)警察--秘密警察と公然の警察の両方--;4)革命防衛委員会--10年間にわたって住民をスパイし、また食料割当カードを配布した--;5)諸々の諜報機関;6)労働組合;7)街の群衆;8)テレビ局;9)学校と教育制度そして10)すべての政府部局--貿易、司法、教育、等々。共産主義者たちはこれらのグループの支配を、あるとしても、すばやくは断念することはない。彼らは扇動、転覆、そして操作という彼らの伝統的な戦術を通じて、彼らがその革命を全体的権力へと押し戻すまで--しかし、大規模な合衆国援助が東ヨーロッパ風に流入した後に始めて--ニカラグア内部の一つの強力な第5列にとどまるであろう。

IV.ソビエトの軍備増強対西側の軍縮

「核兵力および通常兵力削減の提案がソビエト高官たちから自由に流れて来る。たぶん彼らはゆくゆくは何かよいものへと導くであろう。他方において、現実世界はソビエトの戦略核兵器配備--合衆国を直接に脅かす種類のこと--においてミハイル・ゴルバチョフのなだめの言葉とはほとんどあるいは全然似ていない。」ヘンリー・モーア(Henry Mohr)陸軍大将(合衆国陸軍退役)、1989年3月3日。

「ゴルバチョフが就任して以来、ソビエトは、イギリス、フランス、そして西ドイツを合わせた軍隊において現在存在しているよりも多くの戦車、火器を配備した。」ヨーロッパにおける連合軍最高司令官、ジェイムズ・ガルヴィン(James Galvin)将軍。

「ソビエトはその脅威の現実を強化する一方で、彼らの削減がソビエトの脅威についての西側の知覚を減らすことを希望している。このことは、ゴルバチョフのグラスノスチ政策の目標が『USSRの敵を除去する』ことであるというゴルバチョフの主張と一致する。」ユージーン・ロストウ(Eugene Rostow)、現在の危険に関する委員会、議長、1989年9月5日。

ソビエト軍事力と合衆国、NATOそして西側を合わせた軍事力に対するその優勢は平和、軍縮、共産主義の死、冷戦の終結そしてソビエト帝国の崩壊の知覚にもかかわらず、恐るべきものであり、増大している。今日、ソビエト赤軍は世界最強であり、そして近代兵器によって最善に装備されている。これは世界におけるどの軍あるいは情報機関のトップも(もし自由に話すことができるならば)認める一つの事実である。一方、アメリカはGNPの6%を年に防衛に支出している。そしてわれわれの同盟はざっとその半分を支出している。ソビエトの支出は呆然とさせる額、なんとGNPの18%である。

*1990年のJoint Chiefs of Staff Military Net Assessmentは1993年にはUSSRは、ニクソン・ブレジネフABM条約の下で[アメリカに]許された100基のABM発射台に比較して500基の専用ABM発射台を持つであろうと予告した。全国規模の配備のための付加的なABM発射台のソビエトの現在の生産(モスクワABM体制のグレードアップのために要求されたものより遙かに多い)はJCS分析によって指摘されている。

出典:Soviet Military Power, 1989; Annual Report to President and Congress, 1990; President's Reports to Congress on Soviet Arms Control Non-Compliance; Soviet Military Capabilities, 1986; DOD and ACDA documents, 1984; and various press.Soviet Military Power, 1989; Annual Report to President and Congress, 1990; President's Reports to Congress on Soviet Arms Control Non-Compliance; Soviet Military Capabilities, 1986; DOD and ACDA documents, 1984; and various press.

最近の防衛諜報機関Defense Intelligence Agency(DIA)レポートはソビエトが550万人以上の武装した人々--アメリカの210万人の武装した人々に比べて--を持っていると指摘している。また報告によれば、数万人のソビエト軍の要員がキューバ、リビア、ベトナム、アンゴラ、エチオピア、ニカラグア、ペルー、ラオス、カンボジア、インド、アフガニスタン、イラク、クウェート、そして少なくともアフリカの14カ所に配置されている。報告はまた合衆国の244機(その多くは30年にもなる旧式の、ほとんど時代遅れのB-52爆撃機)に対して620機の核武装した爆撃機を所有していると指摘している。ソビエトは現在45機の新型爆撃機と700機の新型戦闘機を毎年生産している。

ソビエトはSS-24軌道可動型ミサイルとSS-25道路可動型ミサイルの(数百基までの)急速な配備を続けている。1990年3月29日に、上院議員マルコルム・ワロップ(Malcolm Wallop)、ジェス・ヘルムズ(Jess Helms)そしてスティーヴ・シムス(Steve Symms)はブッシュ大統領に4つの主要なソビエトのINF条約違反に関して大統領に説明を要求しながら書簡を送った。これらの違反の一つは密かに東ドイツ、チェコスロヴァキアおよびブルガリアの軍隊を動員した120基のSS-23ミサイルの秘密の送付を含んでいる。さらに、最近ソビエトは3週間の期間にわたって、ソビエト、ヴォトキンスク(Votkinsk)ミサイル工場における3台のソビエトのミサイル軌道車に関するINF条約監視の権利をアメリカに対して否定し、われわれの積み荷検査X線システムを許容するのを拒否した。ブッシュ政権は質問されて、1988年以来ソビエトによるINF条約の300回の技術的および他の違反があったことをしぶしぶ認めた。

モスクワの海軍増強は加速化し続けている:4隻の大型、近代的、新型の航空母艦、7000隻の商船(実際にはそれらのすべては電子スパイおよび他の軍事的使用のための装備を施されている)、核弾頭を尖端につけたSSN-21サムソン巡航ミサイルを装備した大多数の新型タイフーン型およびデルタ型潜水艦で今やグレードアップされている450隻の潜水艦隊など。ソビエト海軍は現在、1マイルの深さを50ノットから100ノットの速度で潜ることのできる潜水艦、200ノットから300ノットの速度で進む高度に正確な魚雷、1600海里以上の射程をもつ海上発射巡航ミサイル、潜水艦から発射される防空ミサイル、そして潜水艦から垂直短時間離着陸できる航空機を開発し、1990年代には配備するであろう。

[編集者注:次の10年から20年にかけて、潜水艦戦争は戦争の最も効果的また危険な形式であろう。(なぜなら、潜水艦は発見し、またそれに対抗して防御するのが非常に困難だからである。)この論考を書いている時点で、ソビエト連邦はアメリカ主要都市および軍事施設を標的にした核ミサイルを搭載した24隻以上の核潜水艦を合衆国東および西海岸およびメキシコ湾に配置し終わっている。]

いま行われているどのソビエト海軍の軍縮もただ、スヴェルドゥロフ級巡洋艦、コトレンおよびカネン型ミサイル装備護衛艦、リガ級フリゲート艦そしてノヴェンバー級、ホテル級およびウィスキー級潜水艦のような実際的軍事価値を持たない、古い時代遅れの艦船だけを含んでいる。

今日のハイテク潜水艦戦争に関する何らかの展望を得たいと思うMIA読者はすぐれた新しい映画「赤い10月の狩り」THE HUNT FOR RED OCTOBERを見ることをお勧めする。

レーガン政権の間に、アメリカがただ50基の新しいICBMを生産した一方で、ソビエトは3つの新しい階級のミサイルを生産した:それぞれ10個の弾頭をつけた100基のSS-24ミサイル;130基のSS-25ミサイル;そして多くの非合法のSS-26ミサイル。ロシア人たちは2つの宇宙ステーションをもつ宇宙空間においてわれわれを追い抜いている。一方われわれは最初の宇宙ステーションから数年遅れている。合衆国の国防支出は1985年以来16%縮小した。そして同じ時期にソビエトの軍事費は新兵器の調達に大きな強調点を置いて25%まで増大した。ソビエトの進歩した技術段階の防弾反動武器装備T-80主要戦闘戦車の生産は今や1年につき3,500台の割合で行われている--ソビエトが現在合衆国に対して享受しているほとんど5万台優勢に加えて--。

サー・ウォルター・ウォーカー(Sir Walter Walker)将軍(元NATO、ヨーロッパ軍最高司令官)が最近言ったように、「ソビエト連邦の最も近代的な戦車は今地上にあり、それらは非常によく武装されているので、実際上破壊不可能である。NATOの戦車はそれらの戦車を貫通させる火力を欠いている。明らかに、ゴルバチョフは多くの時代遅れのワルシャワ協定戦車の大量削減をすることができる。そしてなおNATOの戦車よりも遙かに優れている近代的な戦車力を残すことができるであろう。」

[編集者注:ソビエトの人間たちは質、ハイテク軍備を信じ、そしてそれを生産する。しかし彼らはまた量と「優勢」についての軍事的教説--それは非常に優勢な数の武器あるいは人間でもってあなたの敵を圧倒することを意味する--をも信じている。たいていのチェス・チャンピオンは彼らの敵を圧倒する「優勢」の概念を用いる。]

B.いくつかの奇妙なそして不吉なソビエトの軍事的展開

(ポスト冷戦時代に)一つの平和愛好超大国にとって、ソビエトの人間たちはいつくかの非常に奇妙なそして不吉な軍事的展開を加速させている。コラ半島(北ヨーロッパ、スカンディナヴィア近くの)でソビエトの人間たちは446機の海軍機、212隻の軍艦、142隻の潜水艦、1海軍Spetsnaz旅団、1海軍歩兵旅団、2機動ライフル部隊、22の空軍基地、2つの戦略核爆撃機基地、18の第2次空軍基地、9つの軍事基地、9つの潜水艦基地、そして1つの劇場および核ミサイル発射複合体を配備した。このソビエトの軍事力に対抗するのは500人のノルウェー国境警備隊である。(ノルウェーはNATO軍がその土地に配置されることを許すことを拒否している。)戦争の時には、ソビエトの人間たちは、完全に西ヨーロッパを包囲しながら、約48時間以内にスカンディナヴィア半島を押し流すことができるであろう。

アラスカにおけるそしてその周辺でのソビエトの軍事行動はまた過去2年にわたって劇的に増加した。われわれの最北端の州への多数のSpetsnazの侵入の豊富な証拠がある。アラスカ空軍司令官トマス・マキナーニー(Thomas McInerney)司令官はAIR FORCE MAGAZINE(1989年2月)において、1987年中に、56機のソビエト航空機がアラスカ空軍基地において迎撃されたが、その数は1988年および1989年には大きく増加したと言っているのを引用されている。合衆国戦略空軍副司令官、ジミー・V.アダムズ(Jimmie V.Adamsu)中将は言った。「われわれは1995年までに(アラスカの近くでの)巡航ミサイル脅威が1000ミサイルおよび150爆撃機へと成長するのを見ると予期している。」

[編集者注:ソビエトは現在アラスカに大きな関心を示している。この人口の少ない州(40万人を下回る人口を持つ)はシベリアとソビエト本国からわずか数マイルのところに戦略的に位置している。過去3年にわたってロシアから十数人の企業、教育、文化および政治の代表団がアラスカを訪問している。そしてアラスカにおけるソビエトスパイは劇的に増加した。アエロフロートは定期的にアンカレッジ空港に着陸しているのが見られる。もしソビエトがアメリカを攻撃することがあるとすれば、彼らは最初にアラスカを占領するために動くだろう。一握りの小さなSpetsnazチームが容易にそれをすることができるであろう。]

ほとんど2年前、ソビエトのセルゲイ・アクラムレイエフ(Sergei Akhramreyev)司令官は、西ハワイ諸島の北220マイルで20発の弾頭を装備することができるSS-26ミサイルを発射して真珠湾およびハワイのヒッカム・フィールド模擬実験攻撃を企画した。合衆国海軍高官たちはロシア人たちがいつ何時でも彼らが太平洋におけるわれわれの基地を破壊することができるという警告を出しているのだと理解した。西太平洋のほかの場所で、ソビエトの人間たちはベトナム・カムラン湾の彼らのより古いTU16爆撃機やMIG-23戦闘機をより新しい高性能のバックファイヤーやベアFモデルIII爆撃機そしてSU-27フランカーおよびミグ29フルクラム戦闘機に置き換えている。

[編集者注:一方、ソビエト人たちが東南アジアおよび北東アジアにおいて彼らの軍事的展開を増大させているとき、アメリカはその戦略的なフィリピンの諸々の基地、クラーク・フィールド基地やスービック湾基地を閉鎖し、韓国からその軍隊を撤退させる方向へと動いている。]

C.ソビエトの彼らの共産主義同盟諸国への武器の船積み

共産主義が「申し立てによれば」死に、冷戦が「申し立てによれば」終り、そしてロシアが「申し立てによれば」破産しているときに、ソビエトの人間たちが軍事援助を毎年アフガニスタンへ40億ドル、ベトナムへ25億ドル、キューバへ60億ドル、アンゴラへ15億ドル、そしてニカラグアへ10億ドル(全体で155億ドル)ずつも船積みしているということは非常に奇妙なことである。(これは上院議員オリン・ハッチ(Orrin Hatch)[ユタ州共和党]によるものである。)

ハッチ(上院諜報委員会の委員)は最近、洗練されたミグ29,ヒンド対地用攻撃ヘリコプター、Mi-17軍隊輸送ヘリコプター、無数のSAMミサイル、スカッド・ミサイル、戦車、装甲車、小火器、等々を含む、付加的数十億ドル相当のソビエト製武器がカンボジア、モザンビーク、エルサルヴァドル、エチオピア、シリア、リビア、北朝鮮におけるソビエト同盟諸国へ、そして世界中の多数の共産主義的解放組織(すなわち、ANC、PLO、IRA、フィリピンの新人民軍、等々)へ毎年船積みされていると指摘した。

D.ソビエトの鋼鉄はどこに行っているか?

1959年に当時の上院議員ジョン・F.ケネディはソビエトの鋼鉄生産高(5490万トン)と車や他の消費財のために使用される鋼鉄の少量との間の食い違いに衝撃を受けた。ケネディはその鋼鉄の一番大きい部分(すなわち、おそらく90%以上)が軍事生産の中へ行っている、そしてそれは合衆国鋼鉄生産の1%以下が軍事兵器生産へ行っていた時期であったと結論した。

1989年には、ソビエトは1億6千万トンの鋼鉄(1950年代後半の鋼鉄生産水準の3倍以上)を生産した。しかし彼らは、ソビト全鋼鉄生産高の5%以下を用いて、121万7千台の車を生産したにすぎない。他の消費財および新しい建造物はソビエト鋼鉄生産の別の5%かそこらを使用したと見積もられているにすぎない。質問:ソビエト鋼鉄生産の残り(すなわち、年に約1億4400万トン)はどこに行っているか? 答え:歴史上最大の軍事機構の建造の中へ。

[編集者注:ソビエトの軍事的優勢を研究せよ。--28ページにある1990年の更新されたチャート。そうすれば、あなたはソビエト鋼鉄がどこに行っているかを知るであろう。--それはソビエトの秘密の軍備増強の中へ行っている。]

E.西側の軍備縮小への突進

「軍事においては、ペレストロイカと新経済思考およびより開かれた東西貿易の下でのソビエト工業技術の近代化はわれわれの国の軍事力を増強する助けになるであろう...そしてソビエトの軍縮提案はNATOの軍産複合体を武装解除する溶剤として働く。」KGBの長、ウラディーミル・クリュチコフ、1989年11月。

MIAが何度も書いたように、ゴルバチョフおよびクレムリン指導者たちから出ている現在のグラスノスチ/ペレストロイカ偽情報キャンペーンの主たる目的はNATOを中立化すること、合衆国の軍隊と兵器がヨーロッパから撤退するのを見ること、西ヨーロッパが中立へと倒れ込むのを見ること、そしてアメリカと西側が軍備を縮小するのを見ることである。ソビエトの人間たちは19万5千人の軍隊をヨーロッパから撤退させることを提案した。しかしたとえ軍隊を全部撤退させたとしても、彼らはわずか375マイルのところにいるのであり、48時間もすれば戻って来ることができるであろう。一方、撤退した合衆国軍隊は大西洋を横切って3,750マイル遠くにいるだろう。その大西洋には450隻のソビエト潜水艦の大部分とコラ半島周辺には強力な北方艦隊が彼らを阻止するために配備されているのだ。

3月半ばに、中央ヨーロッパのためのNATO司令官たちは東ヨーロッパにおける諸々の変化を引き合いに出して、3月の後半に行う予定であった機動演習を中止した。3月に、NATOの重要な海洋メンバーの一つであるアイスランドは、首相が他のNATO加盟国も海軍の軍縮に賛成し始めていると述べて、海軍の軍縮を主張し始めた。

2月には、ブッシュ大統領はヨーロッパからの合衆国軍隊10万5千人の撤退を提案した。そして3月には、新しいチェコの大統領ヴァーツラフ・ハヴェル(Vaclav Havel)は、--NATOの軍事力とワルシャワ条約軍事力の軍人たちを一つの大きな全ヨーロッパ軍/警察力へと合併して--NATOとワルシャワ条約が相互的、共通のあるは集団安全保障の一つの新しいシステムによって取って代わられることを提案した。(これは第2次世界大戦の間にナチス/枢軸国権力と連合国権力とを合併させるのと同じくらいばかげた提案である。)

[編集者注:「合併」は来るべき5年にわたるヨーロッパ、そしてまた同様にアメリカにおける政治的、経済的、そして軍事的に[なされる]ゲームの名前となるはずである。]

一方、アメリカにおいて合衆国共産党、そしてその多くの共産党に関係した前線組織は「共産主義の死」、「冷戦の終結」そして「東ヨーロッパにおける民主主義」を考慮してのわれわれの軍事力および軍需物資保有量を劇的に削減するようにというアメリカに対する強力な宣伝キャンペーンを始動させている。そのキャンペーンは左翼的なアメリカのメディアにおいてそして議会のリベラル派の人々の間ではやっている。そして来るべき数ヶ月のうちにおそらくものすごい弾みを得るであろう。

合衆国共産党第一書記のガス・ホール(Gus Hall)は党がその歴史のどの時期よりも今日もっと影響力を持っていると自慢した。なぜなら、党はアメリカの人々にソビエト連邦がもはや脅威ではないということを確信させているからである、と。その公式の出版物において、共産党は自らを世界革命の「内的勢力」および「内的部門」と呼んでいる。党のプロパガンダは「経済的回心」への呼びかけに満ちており、その言葉は国民的コンセンサスにおいて強さを獲得することである「平和の配当」への呼びかけである。

マックアルヴァニー報告の結論

聖書はエレミアの書において「人々が平和、平和、そしてそこには平和がないと叫ぶとき、注意せよ」そしてテサロニケ人への第一の手紙5:13において「人々が平和である無事であると言うとき、滅びは突如として彼らの上に下る。それは妊婦の生みの苦しみのようである。彼らは逃れることができない」と警告している。

そしてレーニンはかつてこう言った:「戦争においては、決して君たちの両手を正規の手続きという考慮で縛ってはならない。一つの条約が強さを獲得する一つの手段にすぎないことを知らないことは馬鹿げている...諸々の条約は--破られるために作られた--パイの皮のようなものである」そしてレーニンはこうつけ加えた:「彼らは軍備を縮小し、われわれは増強する。」アメリカと西ヨーロッパが、ソビエトの善意の「諸々の約束」に寄りかかりながら、大規模に軍備を縮小している間に、ソビエトの人間たちは(歴史において最大のそして最も恐るべき戦争機構を所有している)増強を続けている。

われわれが一つの新世界秩序--アメリカの、そしてヨーロッパのリベラルな社会主義的支配層によって、ニューエイジ運動によって、あるいは筆者がより正当に信じているように、ソビエトの熊の信じられない軍事的優勢によって据えられ、あるいは実施されようと--へと突進しているときに、世界は次の数年にわたって1938年--われわれが第2次世界大戦へのカウントダウンのうちに自らを見出した時--以来、その最も危険な接合点に向かって動いているのである。

2004/02/14 三上 茂 試訳

作成日:2004/02/14

最終更新日:2005/03/22

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