公教会祈祷文

カトリック中央協議会編1962年21版から

目次

主要なる祈

十字のしるし 主祷文 天使祝詞 栄唱 使徒信経 信徳唱 望徳唱 愛徳唱 痛悔の祈 告白の祈 天主の十戒 公教会の六つのおきて 御告げの祈 アレルヤの祈 呼祷

日常の祈

起床時の祈 朝の祈 始業の祈 終業の祈 食前の祈 食後の祈 夕の祈 就床時の祈 聖堂に出入りする時の祈 射祷

ミサの祈

ミサ聖祭にあずかる心得 ミサにあずかる前の祈 ミサの始まる時の祈 司祭祭壇の上り向って右側で入祭文を読む時の祈 栄光唱 司祭右側で集祷文を唱え、書簡を読む時の祈 司祭左側で福音を奉読する時の祈 奉献の祈 司祭祭壇中央で序唱を唱える時の祈 司祭典文を奉読する時の祈 パンとぶどう酒との献げものにえんしゅする時の祈 聖変化 聖体奉挙の祈 聖体奉挙後の祈 神こう唱を唱える時の祈 霊的聖体拝領の祈 司祭右側で聖体拝領後の文を唱える時の祈 祝福の時の祈 ミサの後の祈 元后、あわれみ深き御母 ユスト高山右近の列福を求める時の祈 ミサにあずかるを得ざる時の祈

聖体拝領前後の祈

信仰を起さん けんそんの心を起さん 痛悔を起さん 信頼の心を起さん 望みを起さん 聖体拝領後の心得 礼拝せん 愛を起さん 感謝せん 御恵みを願わん 身を献げん 遷善の決心を為さん キリストに向う祈 十字架上のイエズスに向う祈 自己を献ぐる祈 霊的聖体拝領の祈

告白前後の祈

準備の祈 究明の前に聖霊の助けを願う祈 究明の箇条 痛悔の祈 遷善の決心をなさん 依り頼む心を起さん 聖母と守護の天使とに御助けを願わん 告白場にいたりての祈 痛悔の祈 信仰と信頼心とを起さん 主に感謝せん 罪を避くる決心をなさん

十字架の道行の祈

十字架の道行の祈

ロザリオの祈

ロザリオの祈

連祷

イエズスの聖名の連祷 イエズスの聖心の連祷 わが主イエズスキリストのいと貴き御血の連祷 聖マリアの連祷 聖ヨゼフの連祷 諸聖人の連祷

天主の御恵みを感謝する祈

テ・デウム マグニフィカト

聖会暦年中の祈

待降節の祈 御降誕節の祈 幼きイエズスを訪い奉る祈 新年の祈 御公現の祈 四旬節の祈 イエズスの御受難を崇むる祈 悲しめる聖母に対する祈 御復活節の祈 御昇天の祈 聖霊降臨節の祈 聖霊の御降臨を望む祈 三位一体の大祝日の祈 聖体に対する祈 聖体に対する聖トマの祈 オ・サルタリス アヴェ・ヴェルム パンジェ・リングワ 聖体を訪い奉る時の祈 人類の忘恩に対する償いの祈 イエズスの聖心に家庭を献ぐる祈 聖心の侮辱を償う決心の祈 すべての人の心の王たるキリストに向う祈 イエズスの聖心に人類を献げ奉る祈 聖母の御保護を求むる祈(聖ベルナルド) 聖母に一切を託する祈(聖アロイジオ) 聖母の汚れなき御心に日本を捧ぐる祈(1945) 聖マリアに身を捧ぐる祈 めでたし海の星 暁の星なる聖母マリアに対する祈 めでたし元后 聖会の保護者なる聖ヨゼフに向う祈 聖ヨゼフに向いて貞徳を求むる祈 大天使聖ミカエルに向う祈 守護の天使に向う祈 天使の保護を求むる祈 聖ペトロと聖パウロとに対する祈(6月29日) 日本二十六聖殉教者の信仰を求むる祈(2月5日) 聖アンナに対する祈 聖フランシスコ・ザベリオにならいて善徳を求むる祈(12月3日) 幼きイエズスの聖テレジアの精神を求むる祈(1月3日)

種々の祈

教皇のためにする祈 父母のためにする祈 子女のためにする祈 聖家族に対しておのが家族のためにする祈 御召を求むる祈 司祭のための祈 洗礼志願者のための祈 不信者の改心を求むる祈 洗礼の約束を新たにする祈 救霊に係わるすべての恵みを求むる祈 完全なる痛悔の祈 信仰の一致を求むる祈 幼児を献ぐる祈 よき収穫を願う祈 死を甘んじ受くる祈

病者のための祈

病人の快復を求むる祈 死に臨める人々のためにする祈 病中忍耐の徳を求むる祈 終油の秘蹟を受くる前の祈 終油の秘蹟を受けたる後の祈 重病人のためにする祈−臨終の時の心得− 臨終の祈 最終の祈

死者のための祈

霊魂肉身を離れたる後の祈 司祭不在の時の葬式 1 一般の場合 墓前の祈 幼児の場合 すべての死者のための祈 デ・プロフンディス 通夜の時の祈

死者のためのミサの祈

司祭告白の祈りを唱える時から入祭文を読む時まで キリエ・エレイソンを唱える時 集祷文を唱える時 書簡 福音 奉献の時 序唱 聖体奉挙の前 聖体奉挙の祈 聖体奉挙の後 神こう唱 聖体拝領の前 聖体拝領の後 終りの福音 聖会のための祈 ミサ終了の後

公教会祈祷文以外の祈り

平和の祈り 聖母の汚れなき御心に日本を捧ぐる祈(1844) 聖母への奉献の祈り 公会議のよき実りを聖霊に願う祈り(1960年初期?)

主要なる祈

十字のしるし

+ 聖父(ちち)と聖子(こ)と聖霊(せいれい)との御名(みな)によりて。アーメン。

主祷文

天にましますわれらの父よ、願わくは御名(みな)の尊まれんことを、御国(みくに)の来らんことを、御旨(みむね)の天に行わるる如く地にも行われんことを。*われらの日用の糧を、今日(こんにち)われらに与え給え。われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より 救い給え。アーメン。

天使祝詞

めでたし、聖寵(せいちょう)充ち満てるマリア、主御身と共にまします。 御身は女のうちにて祝せられ、御胎内の御子イエズスも祝せられ給う。 *天主の御母(おんはは)聖マリア、罪人(つみびと)なるわれらのために、今も臨終の時も祈り給え。アーメン。

栄唱:

願わくは、聖父と聖子と聖霊とに栄えあらんことを。*始めにありし如く、今もいつも世々にいたるまで。アーメン。

使徒信経

われは、天地の創造主、全能の父なる天主を信じ、またその御独り子、われらの主イエズス・キリスト、すなわち、聖霊によりて宿り、童貞マリア より生まれ、ポンシオ・ピラトの管下(かんか)にて苦しみを受け、十字架に付けられ、死して 葬られ、古聖所(こせいしょ)に降りて三日目に死者のうちよりよみがえり、天に昇り て全能の父なる天主の右に坐し、かしこより生ける人と死せる人とを裁かんために来り 給う主を信じ奉る。*われは聖霊、聖なる公教会、諸聖人の通功、罪の赦し、肉身のよみ がえり、終わりなき命を信じ奉る。アーメン。

信徳唱

真理の源なる天主、*主は誤りなき御者にましますが故に、われは主が公教会に垂れて、われらに諭し給える教えを、ことごとく信じ奉る。

望徳唱

恵みの源なる天主、*主は約束を違えざる御者にましますが故に、救世主イエズス・キリストの御功徳によりて、その御約束の如く、われに終わりなき命と、これを得べき聖寵とを、必ず与え給わんことを望み奉る。

愛徳唱

愛の源なる天主、*主は限りなく愛すべき御者にましますが故に、われ、心を尽くし力を尽くして、深く主を愛し奉る。また主を愛するがために、 人をもわが身の如く愛せんことを努め奉る。

痛悔の祈

ああ天主、われ、主の限りなくきらい給う罪をもって、限りなく愛すべき御父に背きしを深く悔み奉る。御子イエズス・キリストの流し給える御血(おんち)の功徳(くどく)によりて、わが罪を赦し給え。聖寵の助けをもって今より心を改め、再び罪を犯して、御心(みこころ)に背くことあるまじと決心し奉る。アーメン。

告白の祈

全能の天主、終生童貞なる聖マリア、大天使聖ミカエル、洗者聖ヨハネ、使徒聖ペトロ、聖パウロ、および諸聖人にむかいて、われは思いと言葉と行いとをもって多くの罪を犯せしことを告白し奉る。*これわがあやまちなり、わがあやまちなり、わがいと大いなるあやまちなり。これによりて、終生童貞なる聖マリア、大天使聖ミカエル、洗者聖ヨハネ、使徒聖ペトロ、聖パウロ、および諸聖人に、わがためにわれらの主なる天主に、祈られんことを願い奉る。願わくは全能の天主、われらをあわれみ、われらの罪を赦して終りなき命へ導き給え。*アーメン。願わくは全能にして慈悲なる主、われらをあわれみ、罪の赦しを与え給え。*アーメン。

天主の十戒

第一 われはなんじの主なり。われを唯一の天主として礼拝すべし。
第二 なんじ、天主の名をみだりに呼ぶなかれ。
第三 なんじ、安息日を聖とすべきことをおぼゆべし。
第四 なんじ、父母を敬うべし。
第五 なんじ、殺すなかれ。
第六 なんじ、かんいんするなかれ。
第七 なんじ、盗むなかれ。
第八 なんじ、偽証するなかれ。
第九 なんじ、人のつまを恋うるなかれ。
第十 なんじ、人の持ち物をみだりに望むなかれ。

公教会の六つのおきて

第一 主日と守るべき祝日とを聖とし、ミサ聖祭に与るべし。
第二 少なくとも年に一度は必ず告白すべし。
第三 少なくとも年に一度は御復活祭のころに聖体を受くべし。
第四 定められたる期日には大斎を守るべし。
第五 金曜日およびその他定められたる期日には小斎を守るべし。
第六 各々の分に応じて教会維持費を負担すべし。

御告げの祈

(朝、昼、晩、ひざまずいて唱える。ただし日曜はその前晩から起って唱える。)

主の御使いの告げありければ、*マリアは聖霊によりて懐胎し給えり。めでたし、聖寵充ち満てるマリア、主御身と共にまします。御身は女のうちにて祝せられ、御胎内の御子イエズスも祝せられ給う。*天主の御母聖マリア、罪人なるわれらのために、今も臨終の時も祈り給え。アーメン。

われは主のつかいめなり。*仰せの如くわれになれかし。めでたし、聖寵充ち満てる マリア、主御身と共にまします。御身は女のうちにて祝せられ、御胎内の御子イエズス も祝せられ給う。*天主の御母聖マリア、罪人なるわれらのために、今も臨終の時も 祈り給え。アーメン。

しかして、御言葉はひととなり給い、*われらのうちに住み給えり。 めでたし、聖寵充ち満てるマリア、主御身と共にまします。御身は女のうちにて祝せら れ、御胎内の御子イエズスも祝せられ給う。*天主の御母聖マリア、罪人なるわれらの ために、今も臨終の時も祈り給え。アーメン。天主の聖母われらのために祈り給え。 *キリストの御約束にわれらを適わしめ給え。

祈願。主よ、われら天使の告げを以て、御子キリストの御託身を知りたれば、願わくは その御苦難と十字架とによりて、ついに御復活の栄えに達するを得んため、われらの心 に聖寵を注ぎ給え。われらの主キリストによりて願い奉る。*アーメン。

アレルヤの祈

(御復活の祝日の前日の昼から三位一体の祝日の前日の昼まで、御告げの祈りに代え起って唱える。)

天の元后喜び給え。アレルヤ。*御身に宿り給いし者は。アレルヤ。

宣える如くよみがえり給えり。アレルヤ。*われらのために天主に祈り給え。アレルヤ。

童貞マリア喜び給え。アレルヤ。*主まことによみがえり給えり。アレルヤ。

祈願 聖子イエズス・キリストの御復活をもって世界を喜ばしめ給いし天主、願わくはその御母童貞マリアによりて、終りなき命の喜びをわれらに得しめ給え。われらの主キリストによりて願い奉る。*アーメン。

呼祷

至聖なるイエズスの聖心、*われらを憐れみ給え。

心の柔和、けんそんなるイエズス、*われらの心を聖心にあやからしめ給え。

聖マリアの汚れなき御心、*われらのために祈り給え。

大天使聖ミカエル、*われらのために祈り給え。

聖ヨゼフ、*われらのために祈り給え。

聖フランシスコ・ザベリオ、*われらのために祈り給え。

幼きイエズスの聖テレジア、*われらのために祈り給え。

日本の尊き殉教者、*われらのために祈り給え。

日常の祈

起床時の祈

+ 聖父と聖子と聖霊との御名によりて。アーメン。

朝まだきにわが心
主をあこがれてめざむ。(詩62)
イエズス・キリスト、祝せられさせ給え。 イエズス、マリア、ヨゼフ、この日と一生とを御手にゆだね奉る。

+ 聖父と聖子と聖霊との御名によりて。アーメン。

朝の祈

+ 聖父と聖子と聖霊との御名によりて。アーメン。

天主の御前に出でて恭しく礼拝せん

三つのペルソナにましますいとも尊き唯一の天主、*今主のここにいますことを信じ、謹み敬いて礼拝し、主の無上なる御霊威に対して、尽すべき尊敬を献げ奉る。

御恵みを感謝しわが身を献げん

主の今までわれに賜いしもろもろの御恵みを感謝し奉る。*わが生きながらえて今日にいたれるは、ひとえに主の賜物なれば、この日もまた主に仕え、わがすべての思い、言葉、行い、苦楽を主に献げ奉る。願わくは、何事も主を愛する精神をもってなさしめ、一に主の御栄えとならしむるよう、聖寵を垂れ給え。

罪を避け徳を修むる志しを立てん

崇むべきイエズス、*主はわれらの達せんと努むべき、完徳の鑑みにましませば、われひたすら主にならい、柔和、けんそん、貞操、熱心、堪忍、慈しみなどを体し、ことに今までしばしば犯したる罪を、今日再び犯さざらんことを努め、これを改むるに力を尽さんと決心し奉る。

必要なる御恵みを天主に願わん

主はわが弱きを知り給う。聖寵によらざれば何事もかなわざるが故に、必要に応じてこれを施し給え。*主の戒め給うすべての悪を避け、命じ給う善を行い、御摂理によりて、われに与え給う数々の苦しみを甘んじて堪え忍ぶ力を授け給え。

主祷文
天使祝詞
栄唱
使徒信経

信徳唱
望徳唱
愛徳唱

聖母、守護の天使、保護の聖人に代祷を請わん

天主の御母にましまして、またわが母なる童貞聖マリア、われ御手によりすがりて御保護を願い、ひとえに御あわれみを請い奉る。*慈しみ深き御母、わが危うき時には助けとなり、苦しむ時には慰めとなり、今日、毎日、ことに臨終の時、天主なる御子の御前にて、わがために代祷者となり給え。
忠実にして、親愛なるわが守護の天使、*われを照らし、主の御おきてに反(そむ)かざるようわが歩みを導き給え。
わが霊名の聖人、*地においては、御身にならいて天主を愛し、天においては、共に終りなく天主を讃美するを得んために、われを守り、かつわがために祈り給え。

天主の十戒

公教会の六つのおきて
イエズスの聖名の連祷

始業の祈

 聖霊来り給え、信者の心に充ち給え。*主の愛熱の火をわれらに燃えしめ給え。 主よ、聖霊を遣わし給え、しかしてよろずの物は造られん。 *地の面は新たにならん。
 祈願 聖霊の光りをもって信者の心を照らし給いし天主、同じく聖霊をもってわれらに 正しきことを悟らしめ、その御慰めによりて常に喜ぶを得しめ給え。われらの主キリストに よりて願い奉る。*アーメン。
 原罪なくして宿り給いし聖マリア、*御身に依り頼み奉るわれらのために祈り給え。

終業の祈

天主の聖母の御保護によりすがり奉る。*いと尊く祝せられ給う童貞、必要なる時に 呼ばわるを軽んじ給わず、かえってすべての危うきより、常にわれらを救い給え。アーメン。

食前の祈

主、願わくはわれらを祝し、また主の御恵みによりてわれらの食せんとするこの賜物を 祝し給え。われらの主キリストによりて願い奉る。*アーメン。

食後の祈

とこしえにしろしめし給う全能の天主、数々の御恵みを感謝し奉る。*アーメン。 願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。

夕の祈

+ 聖父と聖子と聖霊との御名によりて。アーメン。

天主の御前に出でて恭しく礼拝せん

ああ天主、主の無上なる御霊威に対し、へりくだりの心をもって謹みて礼拝し奉る。*主は極めてまことなる御者にましませば、われ深く主を信じ奉る。いたって仁慈なる御者にましませば、われ厚く主を頼み奉る。限りなく愛すべき御者にましませば、われ心を尽して主を愛し奉る。また主を愛するがために、人をも我が身の如く愛せんことを努め奉る。

御恵みを感謝せん

天主のわれに賜いし御恵みをいかにして報い奉らんや。主は永遠よりわれを愛し、無よりわれを造り出し、御子の御血をもってわれをあがない、日々に数々の御恵みを下し給う。*願わくはもろもろの天使、聖人、われと共に、かく卑しきわれを恵み給うあわれみ深き天主を讃美せんことを。

罪を弁え知る聖寵を天主に願わん

永遠の光の源にまします聖霊、わが心の暗(やみ)をてらして、今日犯したる罪とその汚れとを弁え知りて、主のこれをきらい給う如くわれもきらい、かつ何事よりも罪を犯すことを、いたく恐るるを得しめ給え。

今日犯したる罪を吟味せん

天主に対し。祈りを怠りもしくはゆるがせにし、あるいは祈りの時に知りつつ心を散らし、聖寵の勧めに背き、聖堂において不敬をなし、故なく他人をはばかりて信仰の勤めを怠り、天主の御摂理をつぶやき、依り頼む心を失いて天主に委せざるなどのことなかりしや。

他人に対し。偽り、邪推、あなどり、憎み、恨み、ねたみ、あだがえし、怒り、けんか、口論、辱め、そしり、ざんげん、あざけりなどをなし、人の財産を損い、名誉を害し、悪しき例し(ためし)となりて人をつまずかせ、敬うべき人を敬わず、正しき命令に従わず、愛徳にもとり、忠実、信義を尽さざるなどの事なかりしや。
おのれに対し。高慢心を起し、虚栄心にかられ、偽善を行い、思い、望み、言葉、行いなどをもって清浄を損い、柔和を失い、怠惰に流れて空しく時を費やし、職務を怠り、飲食の度を過すなどのことなかりしや。

痛悔の祈
告白の祈
主祷文
天使祝詞
使徒信経
栄唱

御保護に身を委ねん

主よ、われさらによく主に仕えんために、今しばらく寝(やす)みてわが力を補わんと欲す。*願わくは、わが寝(やす)むを祝し給え。またわが依り頼み奉る聖母、守護の天使、保護の聖人、わがために祈り、今夜、終生、ことに臨終の時にわれを護り給え。アーメン。

生ける人と死せる人とのために祈らん

主願わくはわが親族、恩人、友人、またわれに害を加えんとする者にも御恵みを垂れ給え。*なおわれらの霊魂を司どる人々と、肉身を司どる人々とを助け給え。貧しき者、禍いに遭う者、身寄りなき者、病める者、および死に臨める者をあわれみ給え。主を知らざる者に救霊の御恵みを下し、また煉獄に苦しむ霊魂に御あわれみを垂れ、ことにわれらに縁あるものの霊魂に終りなき幸いを与え給え。アーメン

平安を求むる祈

主よ、願わくはこの住家をみそなわし、あだの謀計(はかりごと)を遠ざけ給え。*また主の御使いをこの住家に降し、われらを安らかに守らしめ、主の御祝福を常にわれらの上にあらしめ給わんことを、われらの主キリストによりて願い奉る。アーメン。

諸聖人に向う祈

天国の永福を得たる諸聖人よ、*われらの主なる御父に祈り、われらに大罪を免れしめ、主の御心に適うを得しめ給え。

聖マリアの連祷

就床時の祈

イエズス、マリア、ヨゼフ、*心と霊魂とを御手に委せ奉る。
イエズス、マリア、ヨゼフ、*臨終のもだえの時に、われを助け給え。
イエズス、マリア、ヨゼフ、*御保護のもとに、安らかに息絶ゆるを得しめ給え。

守護の天使、保護の聖人、われを照らし、守り、導き給え。

聖堂に出入りする時の祈

主イエズス・キリスト、*主はまことにこの聖ひつのうちにましまし給う。われは天主たり人たる主を礼拝し、讃美し、かつ御身に感謝し奉る。アーメン。

射祷

わが天主、わがすべてよ。

わが天主、われ心の底より主を愛し奉る。
聖寵によりてわが霊魂のうちに住み給う至聖なる三位一体よわれ主を礼拝し奉る。
わがイエズスよ、あわれみ給え。
イエズス、マリア、ヨゼフ。
イエズスよ、わが天主よ、われ万事に越えて御身を愛し奉る。
いとも甘美なるイエズスよ、わが裁き手とならで、わが救い手となり給え。
至聖なるイエズスの聖心、御国の来らんことを。
至聖なるイエズスの聖心、われらの家庭を護り給え。

甘美なるマリアの御心、わが救いとなり給え。
あわれみの御母、われらのために祈り給え。
主イエズス、主の司祭をふやし給え。

ミサの祈

ミサ聖祭にあずかる心得

ミサ聖祭は主イエズス・キリストが十字架上にかち得給う他、無量の功徳を人々に施すために、御みずから定め給うた至聖なるいけにえである。それ故、天主のよみし給う最上の祈り出ある。五感には感知せられないが、ミサ聖祭において習イエズス・キリストは、パンとぶどう酒との形色のもとに実際に祭壇に降臨し給い、世のいけにえとなり、人々の霊魂の糧となり給うのである。
それ故カルワリオにて主の御苦難を仰ぎ見給うた聖母の御心にならい、聖なる祭りを祭壇の司祭と一致して公教会と共に献げなければならない。

ミサにあずかる前の祈

主、イエズス・キリスト、われらもしカルワリオにて主の御苦難を見奉り師ならば、われらの腸(はらわた)かなしみのために断たれたるべし。*今この祭壇にて行われんとする祭りは、十字架の上にて献げ給いしいけにえと異ならざる者成れば、われらをしてこれに適うべき思いを起し、罪の赦しを蒙り、御旨に従うことを得しめ給え。且つ、主のわれらに向いて茲に復(また)新たに示し給う御苦難、御死去の功徳をこうむらしめ給わんことをひたすら願い奉る。

ミサの始まる時の祈

+ 聖父と聖子と聖霊との御名によりて。アーメン。
いとも尊き三位一体の天主、われ主の御名にむかいて礼拝を尽し、感謝を献げ、罪の赦しと主の御恵みとを求めんために、ここに謹みてミサ聖祭にあずかり奉る。*願わくは、われらをして司祭と心を合わせて、救霊のいけにえを献げしめ給え。かつ主がわれらのためにカルワリオにて御血を流し、苦しみを受け給うを仰ぎ視しならば、われらの必ず起したらんが如き思いを、今ここに起さしめ給え。

告白の祈

司祭祭壇に上りて向って右側で入祭文を読むときの祈

万物の創造主にまします天主、主に造られたる人々をあわれみ給え。
慈悲深き御父、*子たるわれらの罪を赦し給え。
われらのために死し給いし救世主、*御苦難の功徳をわれらにこうむらせ給え。
人を聖ならしめ給う聖霊、*われらの心を潔(きよ)め、愛熱の火を燃えしめ給え。

栄光唱(黒色或いは紫色の祭服を用いる時はこれを唱えない。)

天においては天主に栄えあれ。地においては恵まれたる人々に平安あれ。主なる天主、天の王、全能の父、われら主を称(たた)え主を崇(あが)め、主の御栄えの大いなるがために感謝し奉る。*拝すべきイエズス・キリスト、御父の御独(おんひと)り子(ご)、万物の習、世の罪を除き給わんがため天主より遣わされし子羊、われらの祈を聞き容れ給え。御父の右に坐(ざ)し給う御者(おんもの)われらをあわれみ給え。そはイエズス・キリスト、主は唯一の聖、唯一の習、唯一の至高者にして、聖霊と共に御父の御栄(みさか)えのうちにましませばなり。

司祭右側で集祷文を唱え、書簡を読むときの祈

全能の天主、聖母マリアおよび今日(こんにち)祝う聖人の代祷(だいとう)を聞(きこ)しめして、司祭の求むる御恵みを施し給え。*われら司祭と心を合わせて我らのため、ならびにわれらに係わりある人々のために祈り奉る。願わくは、必要の御恵みをわれらに賜(たま)いて終りなき命にいたらしめ給え。われらの主キリストによりて願い奉る。アーメン。

慈悲深き天主、主は御身を知らざる人々のうちよりわれらを選びて御教えを示し給い足れば、われら心の底より喜びてこれを受け奉る。預言者および使徒の言葉をもって伝えられたる御教えを守り、これを実行せんと欲す。*濃い願わくは、われらをしていにしえの聖人の如く主に仕え、太祖(たいそ)の如く主を奉じ、預言者の如く主を知り、使徒の如く主を伝え、専ら主を愛して御跡(みあと)を慕わしめ給え。

司祭左側で福音を奉読するときの祈

主よ、今司祭の読みあぐるは、預言者および使徒の言葉にあらずして、イエズス・キリストの御言葉と御行いなることを信じ奉る。たとえ主の御言葉なりと信ずるも、これに従わざれば何の益かあらん。また信仰あるも、愛と善業との勲(いさおし)なくば主の御裁きの前にいかでか罪を免(まぬが)るべき。*われら今御言葉を深く信じ奉るが故に、われらが仕業の御言葉に適わざりしを責め給うことなく、かえってわれらが信ずるところを行う力をわれらに与え給え。

使徒信経

奉献の祈

限りなく聖なる御父、全能にまします天主、*われみずからは御前(みまえ)に出(い)ずる能(あた)わざる者なれども、救世主イエズス・キリストがこの聖祭を定め給いし時の御旨と、今われらのためにいけにえとなりて、御みずからを献げ給える御旨とに従い、司祭の手をもってパンとぶどう酒との供物(そなえもの)を献げ、主が万物の主宰者にましますことをたたえ、われらの罪を償い給わんことをこいねがい、主の賜物なる数々の御恵みを感謝し奉る。
またわれらは罪人にて救わるるに足らざれども、贖罪のいけにえとならせ給えるイエズスの御功徳によりて施し給う救霊の恵みを、われらのため、及びわれらの親族、恩人、友人またわれらの敵のためにもこいねがい奉る。*また公教会のため、教皇のため、本教区の司教、司祭、その他、すべてわれらがその権威に服すべき人々のため、および主を進ずる一切の人々のためにこの尊きいけにえを献げて祈り奉る。
願わくは死せる信者の霊魂をあわれみ、御子イエズスの御功徳によりて、かれらに終りなき平安を与え給え。*慈悲深き御父よ、わが国の上に御恵みを注ぎ給え。主を憎む者をも棄て給わざれ。主を知らざる者、主を信ずるもまことの教会に入らざる者およびすべての罪人を救霊の道へ導き給え。またわれらを憎みて害を加えんとする者にも、御恵みをもって報い給え。われらのかれらに赦す如く、われらの罪を赦し給え。アーメン。

司祭祭壇中央で序唱を唱える時の祈

救世主イエズス・キリストの来り給うべき時近づけり。主願わくはわれらの心に聖霊を満たし、専ら主のことをのみ思わしめ給え。*全能の御父、永遠の天主はいずれの時似ても、いずれの処似ても、讃美せらるべきかな。天使は主の御前に礼拝し、聖人は主を讃美す。今やわれらがつたなき声をもこれに合わせて讃美するを許し給わば、われら喜びに堪えずして歌わん。
聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍(ばんぐん)の天主、主の御栄えは天地に充ち満てり。(300日) *いと高き処にいます御者は尊まれさせ給え。主の名によりて来り給う御者は、祝せられさせ給え。

司祭典文を奉読する時の祈

あわれみ深き御父よ、今献げまつる供物を祝し、これをよみし給いて公教会を守り、教皇、司教およびすべての信者を恵み給わんことを御子キリストによりて願い奉る。*わけてもここに集まれる人々、および目上、親族、恩人、友人を恵み、またわれらに祈りを求むる人々を顧み給え。われらの主イエズス・キリストの御母、終生童貞なる聖マリア、またその浄配なる聖ヨゼフ、使徒、殉教者、聖人たちと心を合わせて、われらの供物の、御旨に適うものとならんことを願い奉る。

パンとぶどう酒との献げものにえんしゅする時の祈

主よ、願わくはいにしえの聖人が救世主を待ち望み奉りし熱心をわれらの心に充たし、その信仰と愛とをわれらに燃えしめ給え。*主イエズス・キリスト来り給え。いとも妙なる御業をなし給え。天主の子羊、罪の世をあがなえる尊きいけにえは、今この祭壇に臨み給う、ああありがたき御慈しみなるかな。

聖変化

聖変化とは司祭の言葉によりパンとぶどう酒との形色は残るが、その本体がイエズス・キリストの御体と御血に変化することであって、これにより主がいけにえとして祭壇に来り給うのであるから熱心に礼拝しなければならない。

聖体奉挙の祈(この祈りは発声しない):

救い主イエズス・キリスト、一切の人を救わん為に十字架にくぎ付けにせられ給える御体を、謹みて拝し奉る。
救い主イエズス・キリスト、一切の人を救わん為に十字架の上にて流し給える御血を、謹みて拝し奉る。

(なお聖体を仰ぎながら「ああわが集、わが天主よ」(7年)と心のうちに唱えて贖宥(しょくゆう)を受けることができる。)

聖体奉挙後の祈

全能なる天主、主はこの聖祭をもってイエズス・キリストの御受難の苦しみおよび御復活の栄えをわれらに追懐せしめ、われらのために傷つけられ給えるその御体と流させ給えるその御血をば、今現に祭壇の上に供え給えり。*主の御みずからわれに与え給える、この聖く尊き生け贄を、今謹みて御前に献げ奉る。旧約の祭りは、ことごとくこのいけにえに象(かたど)りたるものにて、このいけにえのみ、善く御心に適う御子イエズス・キリストの、御体と御血なれば、この聖祭にあずかる人々に、その御功徳をこうむらしめ給え。
また司祭と心を合わせて死せる信者の霊魂のために祈り奉る。ことにわれらに係わりある者に、この尊きいけにえによりてその苦しみを逃れ占め、終りなき平安を与え給え。*あわれみ深き御父、罪人なるわれらにも、この恵みを施して、ついに主の使徒、殉教者、諸聖人たちと共に住み、共に終りなく主を愛し、かつ讃美するを得しめ給え。

主祷文

(聖体を拝領するものはすぐに聖体拝領前の祈りを唱えてもよい。)

神こう唱を唱える時の祈

世の罪を除き給う天主の子羊、*われらをあわれみ給え。
世の罪を除き給う天主の子羊、*われらをあわれみ給え。
世の罪を除き給う天主の子羊、*われらに平安を与え給え

霊的聖体拝領の祈

(ミサ聖祭以外でもこの祈りをもって霊的聖体拝領とすることができる)

救世主イエズス・キリスト、主は聖体をもってかたじけなくも霊魂の糧となり給い、「わが肉を食し、わが血を飲む人はわれに止まりわれもこれに止まる」と宣(のたま)えり。*われは今この幸いを得戯れども、願わくは、わが望みをみそなわし、聖寵を垂れてわが心に来り給え。尊き聖体の御功徳によりて信仰を強め望徳を増し、愛熱を燃やし、専ら主の御ために生きながらえて、力を尽すことを得しめ給え。

司祭右側で聖体拝領後の文を唱える時の祈

主はわれらを救わんがためにいけにえとなり給いたれば、われらも、主の御栄えのためにみずからいけにえとならんと欲し、御旨のままにわが身を献げ奉る。*主の御摂理によりて、われも同じくこれに勝たんと欲す。今聖祭によりて、わが心の潔められしをかたじけなく思い、今より後、主と共に生きんがために主の御戒めを守り、たといわがすべての持ち物を失い、またいかなる苦難に遭う共、主に背くまじと決心し奉る

祝福の時の祈(黒色の祭服の時はこれがない)

主よ、司祭の手をもってわれらを祝し、*祝福の御恵みを、常にわれらの上にあらしめ給え。
+聖父と聖子と聖霊との御名によりて。*アーメン。

ミサの後の祈

主よ、われらを多くの人のうちより選びてミサ聖祭にあずからしめ給いし御恵みを深く感謝し奉る。*われらが卑しき身をもって、主の御前に犯したる罪を赦し、この聖祭の功徳をもってわれらの心を潔め、かつ堅固ならしめ給え。われら今主の御旨に従いて業につかんとするに当り、すでにこうむりたる御恵みを忘れず、聖祭の功徳を、永く失わざらんため、思い、望み、言葉、行いを、すべて慎まんと決心す。こいねがわくはこの決心を祝し給え。アーメン。

元后、あわれみ深き御母

元后、あわれみ深き御母、*われらの命、慰め、および望みなるマリア、われらちくたくの身なるエワの子なれば、御身に向いて呼ばわり、この涙の谷に泣き叫び手、ひたすら仰ぎ望み奉る。ああ、われらの代願者よ、あわれみの御眼(おんまなこ)もてわれらを顧み給え。またこのちくたくの終らん後、尊き御子イエズスをわれらに示し給え。寛容、仁慈、甘美にまします童貞マリア。

ユスト高山右近の列福を求める祈り

神よ、御身はすでに数百年の昔、日本の土に萌え出た信仰の若芽農地から、ユスト高山右近を選び育てて、気高いキリスト教的諸徳の花を開かしめ、日本の民のまえに、み教えの証人となしたまいました。
何徒ぞ、御身のみ栄えのために生涯を捧げつくしたかれの、けなげな信仰と愛とを嘉み競られて、わたしたちがかれの取りつぎによって祈り求めるおん恵み(各自の意向を定める)をかなえられ、一日も早くかれを日本の福者とあおぐ誇りと喜びとをあ与えください。
また、ユスト高山右近の遺徳を慕うわたしたちにも、かれのようにすべての試練を乗り越えて、最後まで御身に従う、信仰と勇気とをお恵みくださいますように、主イエズス・キリストによってお願い致します。アーメン。
(日本司教団認可)

ミサにあずかるを得ざる時の祈

(主日と守るべき祝日とに、ミサにあずかることができない場合はロザリオ1環とこの祈りを唱えることをすすめる。)

救世主イエズス・キリスト、主はこの世に天降りて人となり三十三年の間、清貧、けんそん、忍耐などの徳を行い、御みずから模範となりて天への道を教え、また世の罪を償わんために無量の苦難を忍び、十字架の上に御命を棄て給え理。主の御慈しみは厚く、御あわれみは深きかな。
主はこの世を去らんとする前の日に、十二使徒と夕食を共にし、御みずからパンを取り、全能の聖父を仰ぎ、これを祝して裂き、使徒たちに与えて宣(のたま)枠、「なんじら受けてこれを食せよ。これなんじらのためにわたさるるわが体(からだ)なり」と。次にさかずきを取り、これを祝して使徒たちに与えて宣わく、「なんじら皆受けてこれを飲め。これなんじらと人々との罪の赦しのために流さるる新約のわが血なり。なんじらわが記念としてこれを行え」と。かくてパンとぶどう酒との形色(けいしょく)のもとに、主の御体、御血、御霊魂、および天主の尊き本性をわれらに遺(のこ)して御みずからミサ聖祭を定め給えり。主は聖祭のうちに天降りて尊きいけにえとなり、天主なる御父に献ぐべき、礼拝、感謝などをわれらのために尽し、御苦難御死去の御功徳を、あまねく施し、またこの聖祭により、主はわれらと共にましまし、われらの主は霊魂の糧となり給う。
ミサ聖祭にあずかる者は、かくの如き御恵みを受く。われ今この幸いを望みて限りなき御恵みを求め奉る。聖マリア、使徒聖ヨハネ、聖マリア・マグダレナがカルワリオにて主の御死去を仰ぎ見、御功徳をこうむりし如く、ミサ聖祭にあずかるものはまた主の御苦難、御死去を記念し、等しくその御功徳をこうむるを得るなり。われ今聖祭にあずかる能わざれば、深くこれを望み、謹みて主の御苦難と御死去とを追懐し、その御功徳を与えられんことをひとえに こいねがい奉る。
われまた聖体を受くるを得ざれども、聖寵を賜い、われをして再び罪を犯して主を離るることなく、主にならいて、けんそん、潔白、忍耐、仁愛などの徳を修めしめ給え。また悪魔の誘いを避け、情欲に勝ち、主の平安を保ち、地獄の終りなき苦しみを恐れ、天国の限りなき楽しみを求め、心を尽し、力を尽し、専ら主を愛し奉ることを得しめ給え。アーメン。

聖体拝領前後の祈

聖体拝領前の祈

信仰を起さん

天地の創造主、万民の救世主なるイエズス、主今われに臨み給いて、われ主を受け奉る幸いをこうむらんとす。もし主御みずから宣いし御言葉あるにあらずば、たれかかくの如き玄義を信ずるを得んや。われはこの秘蹟のうちに主のまことにましますことを信じ奉る。*すなわちわれらのために生まれ、十字架に付けられて死し、また天国の限りなき栄えのうちにいまし給うわが救い主、今このパンの形と色とのうちにましますとわれは深く信じ奉る。主よ、われは信じ奉る。されどわが信仰の弱きを助け給え。

けんそんの心を起さん

無上の御霊威を備え給う天主、いかなればこの卑しきわれを顧み給うや。われいかなるものなれば主のわれに臨み給う幸いを得るや。*われは数々の罪を犯し、身も心も汚れたる者なればいかにして聖なる天主に近づき、天使のパンを食するを得ん。われはこの御恵みを受くるに足らざるにより、百夫長にならいて謹みて言わん。主よ、われは不肖にして、主をわが家に迎え奉るに堪えず、ただ一言を宣わば、わが心いえん。

痛悔を起さん

あわれみ深き天主、主は罪人なるわれより遠ざかり給うべきに、かえってわれに臨み給わんとす。*われいたく御慈悲に感じ主に背きしを深く悲しみ、再び罪を犯さじと決心し、ひとえに御赦しを願い奉る。愛すべき天主、われを慈しみて主に近づくを得しめ給うにより、願わくは、わが汚れを洗いて、心を新たならしめ給え。

信頼の心を起さん

主の全能と全善に感じ、われは深き信頼の心をもって御前に進まんとす。*主は御約束の如くわが乏しきを助け、わが求めを充たさんとて招き給えば、御言葉に応じ、謹みて近づき奉る。われ弱く、貧しく、盲目(めしい)なるにより、願わくは、われを強め、助け、照らして新たにし給え。救い主来り給う、われ頼もしく主を迎え奉る。

望みを起さん

至善なる天主、われを主に一致せしめんためにかたじけなくもわれに臨み給う。*愛すべきイエズス、来り給え。救い主の、拝むべき御体と。尊むべき御血、来りてわが霊魂の糧となり給え。われ主を受くるに足らざれども、ただ一言をもって、われを潔め給え。われ主を受くる準備をなせしかども、なお足らざるを補いて、わが心を和らげ、愛の熱を燃えしめ給え。主イエズス、願わくは来り給え。

司祭が聖体を示す時、百夫長にならって胸を打ちながら三回次の祈りを唱える。

主よ、われは不肖にして、主をわが家に迎え奉るに堪えず、ただ一言を宣わばわが心いえん。

聖体拝領後の祈

聖体拝領後の心得

聖体拝領後は自分が至聖なる天主の住み給う神殿に等しいと思い、慎んで他念を防ぎ十五分位は聖堂において祈るべきである。

礼拝せん

拝すべき天主、天においても地においても、すぐれて大いなる者すら、御前に出ずるに足らず。*ましてわが如き卑しき者をや。ただ御前に黙し、謹み敬いて、全くおのれを無にひとしきものと思うほか、別になすべきところなきなり。
聖なる天主、われ主の最上の御霊威と御栄えとをうやうやしく礼拝し奉る。御前にありては、すべて力ある者弱り、栄えたる者衰え、光ある者暗み、ただ天主のみ限りなく尊く、栄えませり。*主の御名によりて来り給える救い主、御栄えを得、崇められ、祝せられさせ給え。今日かくわれと一致して、わが心のうちに住み給う。いと高き天主の永遠なる御子、尊まれさせ給え。
主の御名によりて来りませる御者、*祝せられさせ給え。

イエズス・キリスト、主は唯一の主にましまし、*ただひとりぬきんでて高くいませり。

愛を起さん

愛の深き天主、われ主を受け奉る幸いを得たり。ああ御あわれみの深きこといかばかりぞや。われいかにしてかよくこれに応え奉るべき。ただ身を尽して専ら主を愛することを望むのみ・*願わくは、主の愛の火をもって、わが心を焼き尽し給え。わが愛する御者われに来り、イエズス御身をわれに与え給えり。願わくは、聖母マリア、諸天使、諸聖人、われをして、イエズスを愛し奉らんために、心と愛とをわれに添え給え。われ専ら心を尽し、万事に超えて、主を愛し奉らんと決心す。願わくは、わがこの決心を堅固ならしめ給え。
わが最愛のイエズスはわれにあり。*われはイエズスにあるなり。
われ主を愛す。*主これを知り給う。(ヨハネ21-15)

感謝せん

主の今われに与え給える御恵みを、いかにしてか感謝するを得ん。主はわれを愛して命を棄て給いしのみならず、今日も御みずからわが心に降りて、御体をわれに授け給いたり。*甘美なる救い主今われに施し給える、この大いなる御恵みを感謝し奉る。われ今までは、不忠、ひきょうなりしかど、今よりは、心を改め、主の御体をわれに授け給えることを永遠におぼえ、主にわが身を全く献げて、終生御恵みに報い奉らんと決心す。
主のわれに与え給える数々の御恵みは、*いかにしてかこれに報ゆるを得べき。
主の御栄えの大いなるがために、*感謝し奉る。

御恵みを願わん

恵みの尽きざる源なるイエズス、主は今御手にあふるる聖寵を注がんとて、わが心にくだり給えり。聖善にして慈悲深き天主、主は全能にましませば、わが貧しきをみそなわして御恵みを施し給え。*願わくは、わが肉身を潔からしめ、霊魂を聖ならしめ、主の生と死との御功徳をわれにこうむらしめ給え。霊魂を愛し給うイエズス、われと一致して、わがうちに住み給えば、われもまた主と一致して、主のうちに生きんとす。願わくは、主の御ためにきわまりなく生きながらえしめ給え。愛すべき救い主、われに必要の御恵みをたれ給え。またわれのみならず、わが祈るべき人々にも、この御恵みを施し給え。

主、われを祝し給わずば、*われ主を放ち去らしめじ。(創世記32:26)
主よ、御旨のままに、*われになし給え。(トビア3: 6)

身を献げん

あわれみ深き天主、主のわれにあまたの御恵みを施し、御体を与え給えるは、これわれをして主のものたらしめんためなれば、われも専ら主のものとならんと欲す。*されば何を思い、何を謀り、何をなすにも、一に御旨に従い、健康、体力、精神、才能、信用、財産、名誉など、すべてわれに属するものをば、ただ主の御栄えのためにのみ用いんと決心す。主よ、わが精神を御手に委せ奉る。願わくは、わが心をすべて御旨に従わしめ給え。
われは主のしもべにて、*主のつかいめの子なり。(智 9:5)

遷善の決心を為さん

友のうちにて最も堅忍にして、最も大度なるイエズスよ、今より後たれかわれをして主より離れしむるを得ん。われは今まで主に遠ざかりし原因を除き去り、聖寵の助力によりて再び罪を犯さじと決心し奉る。*主よ、われこの後、思い、望み、言葉、行いなどをもって、潔白をそこなわず、愛徳に背かざらんことを誓い、主の御名を汚し、堪忍を欠き、人を欺き、憤り、そしるなどのことなく、勤めを怠らずして、専ら主に仕えんことを約束し奉る。また主の忌み給う交際を絶ち、わが心の楽しみにふけらず、人の軽侮と批評とを恐れず、世の誉を望まず、主に背くよりはむしろ御前にて死せんと決心す。願わくは、われをして主のものたらしめ、一に主の御栄えのために、生きながらえしめ給え。

キリストに向う祈(聖イグナシオ)

願わくはキリストの御魂われを聖ならしめ、キリストの御体我を救い、キリストの御血われを酔わしめ、キリストの御側腹(おんわきばら)われを強めんことを。*慈愛深きキリスト、わが願いを聴き容れ、御傷のうちにわれを隠したまえ。主を離るるを許し給わず、悪魔のわなよりわれを護り給え。臨終の時にわれを招き、主の御許(おんもと)にいたらしめ、諸聖人と共に、世々に主を讃美するを得しめ給え。アーメン。

十字架上のイエズスに向う祈

仁慈にしていとも甘美なるイエズス、われ御前にひざまずきひれふし奉る。預言者ダヴィドが主につきて、『かれらはわが手わが足を貫き、わが骨をことごとく算えたり』といいし御有様を、今目前に見奉りつつ、心の大いなる愛情と苦痛とをもって、主の五つの御傷をひたすら眺め、かつ心にて思いめぐらし奉る。信望愛の烈しき感情と、わが罪のまことの痛悔と、これを改むる最も固き決心とを、わが心にしみ徹らせ給わんことをひとえに願い奉る。

自己を献ぐる祈(聖イグナシオ)

主よ、願わくはわが自由を受け入れ給え、わが記憶、わが知恵またわが意志をことごとく受け入れ給え。わが持てるものはみな主の賜物なり。われすべてを主に返し、主の御旨のままに献げ奉る。

ただ主の聖寵と共に主の御愛をわれに与え給え。さらばわれは充ち足りて、他の何物をもあえて願わじ。

霊的聖体拝領の祈

イエズス・キリスト、われは主が至聖なる聖体の秘蹟のうちにましますことを固く信じ、万事に超えて主を愛し、主を受け奉らんことを望む。されど今聖体を拝領すること能わざれば、霊的にわが心に降り給え。--主よ、われ主を受け奉りし如く主によりすがりて、わが身を全く主に一致せしめ奉る。願わくは主を離るるを許さず、悪魔のわなより救い給え。わが心に主の愛の火を点じ、永遠に主の御ために燃ゆるを得しめ給え。アーメン。

告白前後の祈

告白前の祈

準備の祈

聖なる天主、主はいつにても罪人の祈りを聴き、その罪を赦し給うにより、われ今心の底より罪を痛悔し、かいしゅんの秘蹟をもって潔められんことを求め奉る。願わくは、わが智恵を照して罪をことごとく弁えしめ、わが心にくだりて罪を深く悔ましめ、罪を正しく告白せしめてこれが赦しをこうむらしめ給え。

究明の前に聖霊の助けを願う祈

光の源なる聖霊、わが心を照らし、犯せし罪を弁え知らしめ給え。願わくは、この世を去りて主の御前に御裁きを受くる時と等しく、今明らかにわが罪を知ることを得しめ給え。聖なる天主、主に対し、他人に対し、おのれとおのが職分とに対して犯したる罪をことごとく思い出(いだ)さしめ給え。真理をよみし給う天主、わが心をして私情に暗まざらしめ、あるがままにおのれを弁え知り、主の代理者なる司祭に言い現すを得しめ給え。

究明の箇条
(度々かいしゅんの秘蹟を受ける者は夕の祈りの中の究明箇条によってもよい)

第一戒の部

信徳にもとる罪 信仰箇条を故意に疑う事 *信仰をぜひ顕わすべき時に当りて顕わさざる事 *許しなく公教にもとる書物を読み、またはこれを所有し、他人に貸す事 *公教会の教理、戒律などをそしりて他人の信仰をつまずかす事 *悪しき交際、みだりなる談話をもっておのが信仰を危うきにいたらしむる事 *教理を学ぶを怠る事。
望徳にもとる罪 救霊について失望する事 *罪の赦しを得る能わずと思い落胆する事 *病気、災難の時天主に頼まずして失望する事 *みずから用心せず天主の御慈しみを頼み過ぐる事 *天主の赦しをこうむるを幸いとして罪を重ぬる事 *速(すみやか)に大罪を改めず後日を期してこれを延ばす事。
愛徳にもとる罪 父母、兄弟、親族、友人などに引かされて天主に背く事 *他人の貧苦、病難などに遭うを見てこれを救い得べきに救わざる事 *他人に悪事をいいつけ、勧め、許し、あるいは賞むる事 *他人の悪事を戒め得る時にゆるがせにして戒めざる事 *戒むる義務ある人に告ぐべき時にこれを怠る事。

敬神徳にもとる罪 朝夕の祈りをしばしば怠る事 *祈りの時故意に心を散らす事 *他人の信心をあざけり、あるいは祈りを妨ぐる事 *聖堂にて不敬をなし、聖体の御前にて慎みを欠く事 *適当の準備なくして秘蹟を受け、もしくは受けて後感謝をなさざる事 *大罪を持ちながら聖体、堅振、婚姻などの秘蹟を受け、聖なるものをけがす罪を犯す事。
迷信の罪 偶像を拝む事 *異教の祭りを行いまたは札守(ふだまもり)を持つ事 *異教の勤めに(宗教として)くみし、またこれがために特に寄付をなす事 *いんし邪教により病気の快復などを祈る事 *まじない、占い、日選(ひえらび)、方角の吉凶、姓名判断などを信じる事。

第二戒の部
天主、聖人、公教会、聖教をそしりののしる事 *天主の御摂理をつぶやく事 *わが身あるいは他人の身に禍いを祈る事 *天主の御名によりて不正、不実、あるいは無益なることにつきて誓いをなす事 *正しき誓いを破る事 *悪をなすを誓う事 *またはかかる誓いを守る事 *願をみだりに立つる事 *立てたる願を破る事。

第三戒の部(公教会の第一のおきての部参照)

第四戒の部
子の務めにもとる罪 父母を敬わず、悪口をなし、手向いをなす事 *父母の病気、老衰及び貧窮などを顧みざる事 *父母の正しき命令に従わずしてその心を悲しませる事 *父母兄弟に尊き教えを勧めず、その霊魂を救うに心を用いざる事 *父母と不和なる事 *兄弟姉妹、親族と不和なる事。

親の務めにもとる罪 親たる者子を愛せず、あるいは偏愛をなす事 *子の悪事を戒めず、悪しき友と交わるを禁ぜざる事 *子を戒むるに暴言をもってし、あるいは暴力を用うる事 *子の養育を怠る事 *子に聖教を学ばしめず守らしめざる事 *子を強いて縁付くる事 *子に悪しき例しを示す事。
夫婦の務めにもとる罪 夫婦の不和なる事 *夫婦相互(あいたがい)の務めを果さざること。
その他の務めにもとる罪 召使いたる者、主人を軽んじ、正しき命令に背き、主家に害を加うる事 *主人たる者、召使いをあわれまず、ただしき給料を与えず、その救霊に意を用いざる事 *人民たる者、官吏を敬わず、これをないがしろにする事 *正しき法律を破る事 *納税、教育の義務をよく守らざる事 *官吏たる者、公益を計らざる事 *信者たる者、教皇、司教、司祭などを愛し敬わず、その霊的指導に従わざる事。

第五戒の部
人を殺し、堕胎をなしまたはこれをなさしむる事 *自殺をなさんと思う事 *みだりに他人を打ち、あるいは傷つけ、害を加うる事 *けんか、争いをなし、あるいは他人を辱しむる事 *憎み、恨み、あだがえしの念などを含む事 *故なくしてみずから生命の危険を冒す事 *これらの事を勧め、あるいはこれをなす人に協同する事 *言葉、行いをもって他人をつまずかせ、その霊魂を害する事 *他人の霊魂あるいは肉体になしたる害を償わざる事。

第六戒、第九戒の部
おのれひとりあるいは他人と共に貞潔を損う事(その人、縁付きある者なるかまたは近き親族なる時はこれを言い現わさねばならぬ) *わが身あるいは他人の身に触れて貞潔を損う事 *貞潔を損う話をなし、歌をうたい、あるいはこれらを甘んじて聴く事 *貞潔を損う書画、その他見苦しきものを見る事 *貞潔を損う危険のある場所に近ずく事 *他人にじゃいんを教うる事 *じゃいんのなかだちとなる事 *父母もしくは主人たる者、その子女または召使いにじゃいんの行いあるを見てただちにこれを禁ぜざる事 *慎みを欠きて他人の心を乱す事 *これらの事をなさんと望み、あるいはなすを欲するにあらざるもその思いを楽しむ事 *避妊の行為をなす事。

第七戒、第十戒の部
強盗、窃盗、すり、詐欺などをなす事 *他人の物あるいは共有物を私する事 *盗み物を隠し、あるいはこれを売り買いする事 *請負仕事を粗略にし、売り買いに際して人を欺く事 *格外に口銭を貪る事 *勘定違いを知りつつ他人に損をかくる事 *仕払いをわざと滞らせ、あるいは借財や預り物の返却をなおざりにする事 *拾い物を届け出でざる事 *人の財産に損害を加え、預り物を損う事 *約束に違いて人に損をかくる事 *盗み物を返さず、またすべて他人におよぼしたる損害を償わざる事 *これらの事に協同する事 *他人の持ち物をみだりに望み、あるいは他人に損害をかけんと思う事 *団体、国家などに対してこれらのことをなす事 *わいろを贈り、またはこれを受くる事 *一般に必要なる時に財産、収入などを隠して他人に損害をかくる事。

第八戒の部
裁判官に対して偽証する事 *文書または印章の偽造をなす事 *言葉、行いをもって他人を欺く事 *偽りを他人に勧むる事 *ゆえなく人の落度を語る事 *不和の基いとなるべき無益のうわさをなす事 *他人の秘密、若しくはその罪を探りあるいはこれを漏らす事 *職務上知り得たる秘密を漏らす事 *他人のそしり、ざんげんをなし、または甘んじてこれを聴き、止め得る時にこれを止めざる事 *そしり、ざんげんを以て他人の名誉を傷つけたる時に、能う限りこれを償わざる事 *邪推をもってみだりに他人を疑う事。

公教会の六つのおきてに背く罪

第一のおきての部
主日または守るべき祝日に、職業の便利を計りて許可もなく緊急にもあらざるに働く事 *主日または守るべき祝日の勤めを妨ぐべき遊戯、娯楽、交際などをなす事 *家族あるいは召使いに主日または守るべき祝日を守らしめざる事 *ミサ聖祭の主なる部分を欠く事 *故なくミサ聖祭に遅刻し、あるいは早退けする事 *ミサ聖祭の間に祈りを怠り、または心を留めずして疎略にこれに与かる事。

第二、第三のおきての部
年に一度の告白を怠る事 *究明を疎略にし、痛悔を起さず、また大罪をありのままに告白せざる事 *司祭よりいいつけられたる償いを果さざる事 *御復活祭のころに聖体を受けざる事。
第四、第五のおきての部
大斎小斎のおきてを軽んじてこれに注意せざる事 *許可なくあるいは理由なくして大斎あるいは小斎を守らざる事。
第六のおきての部
教会維持の義務を軽んじ、あるいはこれを怠る事。

罪源の部
1 高慢 おのが知恵、力、財産などを誇りてみだりにたかぶる事 *他人を軽んずる事 *事業によりて他人の賞讃を求むる事 *名誉をみだりに望み喜ぶ事。

2 どんよく おのれの力に応じて施しをなさざる事 *りんしょくのためおのれまたは他人に必要なるものをも欠く事。
3 しっと 他人の幸いを悲しむ事 *他人の善事をねたみまたはこれを妨げ、あるいは妨げんと思う事 *他人の禍いを喜び、またはひそかにこれを望む事。
4 じゃいん(天主の第六戒、第九戒の部を参照)
5 どんしょく 食べ物、飲み物を過し、身体を損う事 *意識を失うまで酒に酔う事 *酒に酔いて粗暴またはみだらなる言葉、行いをもって他人のために悪しき例(ため)しとなる事 *酒におぼれて妻子を顧みざる事 *飲酒をみだりに人に強うる事。
6 憤怒 気ままに腹を立つる事 *争論、悪口、殴打などをなす事 *故意に他人の怒りを起すもととなる事。
7 怠惰 職業に励まず、いたずらに時間を費やし、宗教上、家庭上および社会上の務めをゆるがせにする事 *おのが欠点をただすに無関心なる事。
右の箇条のほか、各自その本分を全うしたか否かを特に究明する必要がある。たとえば夫婦相互の務め、官公吏、教師、生徒、雇い主、使用人の義務などである。

痛悔の祈

主よ、われは幾度(いくたび)も主に背くまじと決心しながらも、なおしばしば同じ罪に陥りたることを深く心に恥じいり奉る。いかなれば、われは御心に逆らうを知りつつも、いささかなる事のために、重ねて罪を犯したりしぞ。ああわが天主、いと仁慈にして寛容なる御父よ、御身の正義に従いてわれを罰し給うなかれ。されどわれは罪のために受くべき罰を恐るるよりも、むしろ御心に背きしを恥じて、これを悔み奉る。真実に痛悔するわが心をみそなわし、おぼえたる罪とおぼえざる罪とをことごとく赦し給え。われ今罪を忌み憎みて、ことごとくこれを棄つ。もし能わばわが血をもって罪の汚れを洗い潔め、わが持ち物をことごとく献げて御心に背きし罪科(つみとが)を償わんと欲す。願わくは、救世主の聖心(みこころ)にたたえられたる御悲しみの一滴(ひとしず)くをわれに注ぎ給いて、心の底より罪を悔ましめ給え。

遷善の決心をなさん

主よ、われは不幸にして罪を犯せり。今より後は聖寵の助けによりて、主に背くまじと堅く決心し奉る。われ罪を避くるのみならず、その原因と機会とを避け、ことに習慣、悪意、およびおのれの弱きによりてしばしば犯したる罪をもことごとく避けんと欲す。また司祭のわれに示さるる言葉をば、主の御戒めとして、謹みてこれを受け、また約束を結ぶにも皆主に向いてなすものと思いて堅くこれを守り奉らん。

依り頼む心を起さん

ああ天主、主の限りなき御あわれみと救世主イエズス・キリストの御功徳とによるにあらざれば御怒りを免がるること能わざるべし。されど主は罪を悔みて告白せんとする罪人のためには御子イエズスの御祈りを聞きすて給わざるなり。仁慈なる御父よ、かく頼もしく思い、真実とけんそんとをもってわが罪をもれなく告白し奉る。願わくは司祭が地において与うる赦しを天においても認め給え。

聖母と守護の天使とに御助けを願わん

あわれみ深き御母聖マリア、わが今受けんとする秘蹟によりて、犯せる罪はことごとく赦され、重ねて罪を犯さざらんために、必要なる聖寵をわがために請い求め給え。
忠実なるわが守護の天使、わがさきに倒れしを知り給えば、今まさに起きんとするに当りて、この秘蹟により、再び倒れざる力を得んためにわれを援(たす)け給え。アーメン。

告白場にいたりての祈

 聖父と聖子と聖霊との御名によりて。アーメン。

われ、霊父(れいふ)の祝福をこいねごう。
(全能の天主、終生童貞なる聖マリア、大天使聖ミカエル、洗者聖ヨハネ、使徒聖ペトロ、聖パウロ、および諸聖人にむかいて、われは思いと言葉と行いとをもって多くの罪を犯せしことを告白し奉る。)
次にこの前何時告白したか、罪を赦され償いを果したかをいい表し、その後犯した罪を告白する。大罪はその事情とその数とを知っている限り言葉少く明瞭に告白する。また司祭の問いがあればこれに答える。告白し終ってから次のように唱える。

かくおぼえたる罪とおぼえざる罪と洗礼以来犯したる罪とをことごとく痛悔し、これが赦しと償いとの御恵みを請い求め奉る。

(これわがあやまちなり、わがあやまちなり、わがいと大いなるあやまちなり。これによりて、終生童貞なる聖マリア、大天使聖ミカエル、洗者聖ヨハネ、使徒聖ペトロ、聖パウロ、および諸聖人および霊父に、わがためにわれらの主なる天主に、祈られんことを願い奉る。)
他に多くの告白者ある場合は括弧中の部分を告白前に唱えて置く。これをいい終って後司祭の命ずる勧めと償いとを謹んで聴き、司祭が赦しの言葉を唱え始めたならば痛悔の祈りを唱え、司祭が十字架の印をする時に十字架の印をする。

痛悔の祈

ああ天主、われ、主の限りなくきらい給う罪をもって、限りなく愛すべき御父に背きしを深く悔み奉る。御子イエズス・キリストの流し給える御血(おんち)の功徳(くどく)によりて、わが罪を赦し給え。聖寵の助けをもって今より心を改め、再び罪を犯して、御心(みこころ)に背くことあるまじと決心し奉る。アーメン。

こうして告白場を退いて、天主から賜った御恵みを感謝する。

告白後の祈

信仰と信頼心を起さん

あわれみ深き天主、われさきに罪を犯したれども、今かいしゅんの秘蹟によりて全く赦されたり。仁慈なる天主、われ今主の代理者より罪の赦しを受けたるが故に、もしわがなせる痛悔にして御心に適いしならば、再び聖寵をこうむりしならんと頼もしく思い奉る。今この御恵みを受けたるは、救世主イエズスのわれらのために流し給える御血の功徳にして、わが罪の傷のいやされたるは、全く御傷の功力(くりき)によることと謹みて信じ奉る。

主に感謝せん

われいかにして天主に感謝し、その御恵みに報い奉らん。主はわが罪のために受くべき苦しみに換え、わずかなる償(つぐの)いをもって、辱(かたじけな)くも罪をことごとく赦しかつ忘れ給えり。ああ主は限りなく聖善にして慈悲深き御者にましますが故に、罪人なるわれをかくも恵み給う。われ、今日(こんにち)より日々に感謝を献物(ささげもの)とし、絶えず主の限りなき御あわれみをたたえ、死するまで主を一心にほめ、至善なる天主、至愛の御父として讃美し奉らん。

罪を避くる決心をなさん

主はすでにわが罪を赦し給いたれば、われなお深く罪を忌み再びこれを犯さじと決心す。願わくはわがこの望みを固くし、罪とその機会とを避け、よき行いをもて御恵みに報いんとするわが決心を保たしめ給え。われもし主の代理者の教えられし手段に従い、聖寵の助けによりておのれに勝ち、身を献げ、霊魂の敵に勝つを得ば、ついに天国において主と共に栄えを得、終りなき福楽をこうむるにいたるならんと頼もしく思い奉る。

司祭の命じた罪の償いを速かに果し、改心の実を証するために、罪の原因を探りこれを除く手段を考え、ことにしばしば犯した罪に再び陥る機会を除こうと決心する。

十字架の道行の祈

(十字架の道行は恵み多い信心であるから、四旬節中は勿論、他の時節にもこれを行うがよい。なお贖宥を得るためには、必ずしも次のように祈る必要はない。痛悔の心をもって各留の前で主の御苦難を黙想すればよい。なお、この贖宥を得るためには、各留毎に移動すべきであるが、多数の人々が共同で行う場合は、司祭または先唱者が移動すればよい。)

十字架の道行の前の祈

救い主イエズス・キリスト、主はわれらを罪よりあがなわんためにエルザレムにおいて残酷なる苦しみに遭い、恥辱を受け、十字架を担いてカルワリオに登り、衣をはがれてくぎ付けにせられ、二人の盗賊の間に挙げられて死し給えり。われ主のかく苦しみ給える地にもうで、御血に染みたる道を歩みなば、鈍きわが心も主の愛の深きをさとりて感謝に堪えざるべし。また主の御苦難の原因なるおのが罪の重きを知りて、たれか痛悔の情を起こさざるものあらん。われかかる幸いを得んと欲すれども能わざれば、かの地のかたみなるこの十字架の道を歩まんとす。されどわれもし聖寵をこうむらずば、愛と痛悔との情を起す能わざるにより、願わくは御恵みをくだして、主の御苦しみをわが心に感ぜしめ、かつて聖母マリアおよび主の御跡を慕いし人々の心に充ちあふれたる悲しみをば、わが心にもしみ透らせ給え。またわれをして今より深く罪を忌みきらいて全くこれを棄て、愛をもって主の御慈愛に報い、主の御ために、苦難を甘んじ受くるを得しめ給え。なおこの十字架の道を、ふさわしき心もて行く人々に施さるる贖宥をわれにも、また煉獄に苦しむ霊魂にも、与え給わんことをひとえにこいねがい奉る。

ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第一留 イエズス死刑の宣告を受け給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。
人々は主を捕えてカイファのもとに引き行き、あざけり、御顔につばきし、打ちたたき、次いでピラトの裁判にわたせり。ピラトは群衆の心を和らげんとて主を石の柱に縛りつけ、むち打ち、ついにいばらの冠を御頭に押しかぶせければ、傷つき血流れたり。されど群衆は少しもあわれと思わずして、なおも十字架に掛けよ、十字架に掛けよと大いに叫びたりしかば、ピラトもせん方なくて主に死罪をいいわたすにいたれり。

*主イエズス・キリスト、主を死刑に処せしは、ピラトとユデア人とにあらず、ひっきょうこれわれらの罪の業なり。われら今罪を犯す毎に、主に大いなる苦痛を加え、不当の宣告を受けさせ奉るなり。よりてわれらの罪の罰を赦し給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。
主祷文
天使祝詞
栄唱
主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。

ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第二留 イエズス十字架を担い給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。
人々は主を外に引き出だし、荒木もて作れる十字架をかしこくも主の肩に打ち掛くるや、主は御身の傷をもいとい給わず、すこしも拒み給う御気色なく、引き寄せてこれを担い、柔和にして堪忍深き御姿にてかれらの後より歩ませ給う。
*主イエズス・キリスト、主は十字架を担い給うべきにあらず。罪人なるわれらこそ、十字架を担うべき者にはあるなれ。さればわれらは主の御旨によりて、罪を償うがために、この世の苦難を受くべき者なれば、主を鑑みとして、柔和堪忍をもってこれに堪えしめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。
主祷文
天使祝詞
栄唱
主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。 ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第三留 イエズス始めて倒れ給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。
主はすでにむち打たれ、いばらの冠に刺貫かれ給えるほどに、傷あとただれ破れ、あけの血に染みて歩み給いければ、衰弱のあまり足下(あしもと)よろめき、ついに十字架の重きに堪えずして、傾きかがみ、やがて大地に倒れ給う。
*主イエズス・キリスト、主を倒しまいらせしは一にわれらなり。われら罪に陥りたるによりて、主はかかる苦難を受け給うなれば、われら深くこれを悲しみ奉る。この御苦難の功力(くりき)によりて、われらを罪より救い給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。
主祷文
天使祝詞
栄唱
主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。

願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第四留 イエズス聖母に会い給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。
聖母マリアは御子が死罪の宣告を受け給いしを聞き、急ぎ行き給うほどに、途にてあい給えり。あわれ天使の御告げありし昔には似るべくもあらず、あけの血に染み目も当てられぬ主の御姿を見て深く悲しみ給えども是非なし。御子の御苦難に御みずからの悲しみを添えて、われらのために御父天主に献げ給う。
*主イエズス・キリスト、聖母マリアの御心を悲しませまいらせしは、一に罪人なるわれらなり。主は限りなく慈悲深くましませば、幸いにわれらの罪を赦し給え。また主と御母との御心を慰め奉るために、われらに力を尽さしめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。
主祷文

天使祝詞

栄唱
主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第五留 イエズス、シレネのシモンの助力を受け給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

主はかく歩み行き給うほどに、御気力次第に衰えてすでに危うく見え給えり。されど来りて助けまいらする者もなく、かえってさまざまにののしりたたきたりければ、今ははや堪え難くして沈み入り給わんとす。人々は折しもそこに来合わせたるシレネのシモンに、強いて十字架を助け担わせ、なおも主を駆りて歩ませ奉れり。
*主イエズス・キリスト、主の十字架を担いて、力弱り給いしは、これ全くわれらの罪の重きが故なり。われらこそシモンに代りて十字架を担うべき者なれば、今より一切の苦難を、主の十字架の分としてわれらに受けしめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。

主祷文
天使祝詞
栄唱
主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第六留 イエズス、御顔を布に写させ給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

主はなお歩み行き給うほどに、御体も御顔もあけの血に染み給えども人々は少しもあわれまず、ますます荒立ち騒ぎたり。この時ヴェロニカという女群衆のうちより走り出で、主に布を献げければ、主は御みずから御顔を拭い、尊き御面影をその布に写して返し授け給えり。
*主イエズス・キリスト、われらの霊魂に聖寵を添え給え。十字架の苦難によりてわれらに御功徳を移し給え。われら弱き者なれども、ヴェロニカにならい、世のあざけりを顧みず、専ら主を崇め奉るを得んことを、ひたすら願い奉る。アーメン。
主祷文
天使祝詞
栄唱

主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第七留 イエズス二度倒れ給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。
主の御力は血と共に減り、今は御足も進みかね、息たえだえにてうつぶせに倒れ給いぬ。ユデア人らはなおもあわれまずして打ちたたき、棄物の如く扱いつつ強いて歩ませ奉れり。
*主イエズス・キリスト、われら御血の跡を慕いて、深く愛し奉る。主の二度倒れ給いしは、われらの悲しむ時に当りて、頼もしき心を失わせじとなり。天に昇る道は十字架の道にて、すなわち苦しみの道なれば、御苦難の功力により、われらをして雄々しき心をもって、歩ましめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。
主祷文

天使祝詞
栄唱
主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。

願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第八留 イエズス、エルザレムの婦人を慰め給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

この時主の後よりあまたの人々慕い来り、なかにもエルザレムの婦人は涙にむせびて道すがら泣きければ、主はかれらを顧み、御苦しみを忘れ、慰めて宣わく、『エルザレムの婦人よ、わがために泣くなかれ、なんじらとなんじらの子孫とのために悲しむべし。生木すらかくの如くなれば、まして枯木いかにぞや』と。
*主イエズス・キリスト、主は罪なくして苦しみを受け給えり。われらは罪をもって聖寵を失い、あたかも枯木の如くなれば、必ず地獄の火に燃やさるべき者なり。されどわれらに、おのが罪と人々の罪とのために泣き、痛悔の涙を注がしめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。
主祷文
天使祝詞

栄唱
主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第九留 イエズス、三度倒れ給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。
主はカルワリオの上にいたりてまた倒れ給う。そは人々がかかる苦難を無益になさんことを思い給い、御心細きあまり、深く悲しみ給えばなり。されど主はいずこまでも人々を助けんとて苦難を耐え忍び給う。
*主イエズス・キリスト、主は何故に幾度も倒れ給いしぞ。これ全くわれら幾度も罪を犯し、たとい痛悔を起すとも、また重ねて罪に陥るが故なり。主は三度の後は倒れ給わず。さればわれらをして、主の御功力によりて、この後再び罪を犯さざらしめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。

主祷文
天使祝詞
栄唱

主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第十留 イエズス衣をはがれ給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ユデア人らはカルワリオにおいて主の御衣をはぎまいらせたり。その時御衣は御傷に付着して痛さに堪え給うべくもあらず、御頭のいばらの冠もさわりなりとて取り除けしを、またもとの如く押しかむらせまいらせたり。そはいと苦しきことなれども、群衆の前にはだをさらさせ給いしは、なおこれにまさりて苦しげに見えさせ給う。
*主イエズス・キリスト、御心に適わざることわれらにあらば、御衣の如く脱がしめ給え。わけても高慢、じゃいん、どんよくなどの悪しき心を除き、聖寵の衣を着せ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。

主祷文
天使祝詞
栄唱
主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第十一留 イエズス十字架にくぎ付けにせられ給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

主はすでにくぎ付けにせられんと十字架の上に倒れ、御みずから御手足を延ばし給いたるを、ユデア人らは荒々しくその御手足にくぎを押しあて、かなづちにて打ち付けたり。この時主の御苦しみはいかばかりなりしぞ。御肉は破れ、御血は流れて御力尽き、なお御渇きは堪え給うべくもあらず。さるをユデア人らは少しも心せず、十字架を押し立て、根下を突き固めて立ち去りけり。聖母は始終これを見て涙にむせび、十字架のもとに留まり給う。
*主イエズス・キリスト、主はわれらのために、十字架にくぎ付けにせられ給えり。さればわれらもまた、主と共に十字架に付けられんことを望む。たといいかなる苦しみに遭うとも、主を離れざるよう御恵みをくだし給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。
主祷文
天使祝詞
栄唱
主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。

願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第十二留 イエズス十字架の上に死し給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。
主は二人の盗賊の間に挙げられ給いしが、人々のために御父天主に向いて『かれらはそのなす所を知らざるによりて赦し給え』と宣えり。一人の盗賊はこれを聞きて『願わくは御国にいたらん時われを思い給え』と申したりければ、主は『今日なんじ、われと共に楽園にあらん』と宣えり。また十字架のもとに聖母及び御弟子の立てるを見給いて、御母に向い『女よ、御身の子ここにあり』と、また聖ヨハネに向いては『なんじの母ここにあり』と宣い、やがて『事終りぬ』と宣いて、息終えさせ給えり。その時、日はなお高かりしが、世界にわかに夜の如く暗くなりぬ。
*主イエズス・キリスト、主の死し給える時に当り、地は震い、日は暗み、墓は開け、死人はよみがえり、岩は裂く。われらこれを思いて心にいたく感ずる所なくんば、きわめてかたくななる者なり。これによりて、今よりわれら再び罪を犯さず、主と共に、この世に死するを得しめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。
主祷文
天使祝詞

栄唱

主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第十三留 イエズス十字架よりおろされ給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。
主はすでに息絶えさせ給いしかば、御体は十字架よりおろされ給えり。聖母マリアは御なきがらを抱き給い、その御色ざし、御顔、御手足、および御脇腹の傷を見て、絶えいるばかり嘆き給う。*主イエズス・キリスト、かくも聖母を嘆かせまつりしは、すなわちわれらなり。ああ罪人なるわれら、、いまさらに悔み悲しみ奉る。聖母はわれらのためにいつも母たり給えば、われらはいつも子となりて、忠実を尽すを得しめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。
主祷文

天使祝詞
栄唱
主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

第十四留 イエズス墓に葬られ給う

ああ、キリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。
時にニコデモとヨゼフとはピラトの許しを得て、主の御体を葬らんと御母よりこれを受け、清らかなる布にて包み、新しき墓に葬り奉れり。

*主イエズス・キリスト、われらの罪を御墓に隠し給え。われらの心のうちに、主を受け奉り、今よりこの世の楽しみに死し、天国において、主を讃美するを得しめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。
主祷文
天使祝詞
栄唱
主われらをあわれみ給え。*われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。
ああ聖母よ、*十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、わが心に深く印し給え。

十字架の道行の後の祈

唯一の希望にして世の救いと栄えなる十字架を崇め奉る。願わくは熱心なる者はこれによりてますます聖寵を加えられ、罪人もこれによりてその罪を赦されんことを。*救霊の源にまします三位一体の天主、願わくはすべての霊をして、主をほめたたえしめ給え。われらに十字架の勝利を与え給いしによりて、その報いをも得しめ給え。アーメン。
ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、*われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。
悲しみを極めませる聖母、われらのために祈り給え。*キリストの御約束にわれらを適わしめ給え。
主よ、われらの主イエズス・キリストは主の一族なるわれらのために悪人の手にわたされ、十字架の苦しみを受くるをいとい給わざりき。*願わくは、主のこの一族を顧み給え。
主イエズス・キリスト、活ける天主の御子、主は世をあがなわんがために十字架にくぎ付けにせられ、かつわれらの罪の赦されんために御血を流し給えり。*願わくは、われらをして死後喜びて、天国に入るを得しめ給え。
主イエズス・キリスト、主の御苦難の時に当りて、苦しみの剣は御母なる童貞聖マリアの尊き御心を貫きたり。*願わくは、聖母われらのために取り次ぎ、今も臨終の時も、いつも主の御あわれみを、われらのために求め給わんことをこいねがい奉る。アーメン。
われらのためにむち打たれ、十字架を担い、これにくぎ付けにせられ給いしわれらの主イエズス・キリスト、われらを祝し給わんことを願い奉る。*アーメン。

ロザリオの祈

(ロザリオの祈りは救世主と聖マリアの主な喜び、苦しみ、栄えの玄義を黙想しながら 天使祝詞百五十回を唱える祈りである。天使祝詞十回が一連で、五連が一環となり三環 で終る。一連毎に一玄義を黙想するからロザリオの十五玄義といわれる。メジュゴリエの聖母のメッセージでは一日に三環、十五玄義を唱えることが勧められている。一般に各連の唱え方は黙想する玄義を始めに唱え、大珠では主祷文、小珠では天使祝詞各一回宛を唱え、終りに栄唱を唱える。栄唱の後にファティマの祈り「ああイエズスよ、我等の罪を赦し給え。我等を地獄の火より守り給え。また全ての霊魂、殊に主の御憐れみを最も必要とする霊魂を天国に導き給え。アーメン。」を加える。)

喜びの玄義

第一玄義:この一連を献げて、聖母が御告げを受け給いたるを黙想し、その御 取次によりてけんそんの徳をこいねがわん。

第二玄義:この一連を献げて、聖母がエリザベトを訪問し給いたるを黙想し、 その御取次によりて人を愛する徳をこいねがわん。

第三玄義:この一連を献げて、主の降誕し給いたるを黙想し、聖母の御 取次によりて清貧の徳をこいねがわん。

第四玄義:この一連を献げて、聖母が潔めの式にあずかり、主を聖殿に献げ 給いたるを黙想し、その御取次によりておきてを守る徳をこいねがわん。

第五玄義:この一連を献げて、聖母が主を聖殿に見出し給いたるを黙想し、その 御取次によりて主を愛する徳をこいねがわん。

苦しみの玄義

第一玄義:この一連を献げて、主がゲッセマニの園にて死するばかり憂い給い たるを黙想し、聖母の御取次によりて罪を痛悔する恵みをこいねがわん。

第二玄義:この一連を献げて、主がむち打たれ給いたるを黙想し、聖母の御取次 によりて罪を償う恵みをこいねがわん。

第三玄義:この一連を献げて、主がいばらの冠をかむらせられ給いたるを黙想し、 聖母の御取次によりて侮辱を恐れざる恵みをこいねがわん。

第四玄義:この一連を献げて、主が十字架を担い給いたるを黙想し、聖母の 御取次によりて苦難を甘んじ受くる恵みをこいねがわん。

第五玄義:この一連を献げて、主が十字架にくぎ付けにせられて死し給いたるを 黙想し、聖母の御取次によりて救霊の恵みをこいねがわん。

栄えの玄義

第一玄義:この一連を献げて、主の復活し給いたるを黙想し、聖母の御取次に よりて信仰の徳をこいねがわん。

第二玄義:この一連を献げて、主の昇天し給いたるを黙想し、聖母の御取次に よりて天国の福楽を深く望む心をこいねがわん。

第三玄義:この一連を献げて、聖霊の降臨し給いたるを黙想し、聖母の御取次に よりて聖霊の賜物をこいねがわん。

第四玄義:この一連を献げて、聖母の被昇天を黙想し、その御取次によりて よき終りを遂ぐる恵みをこいねがわん。

第五玄義:この一連を献げて、聖母が天使と人類との元后に立てられ給いしを 黙想し、その御取次によりて永福の冠をこいねがわん。

連祷

イエズスの聖名の連祷

主あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。

主あわれみ給え。
イエズスわれらの祈りを聴き給え。*イエズスわれらの祈りを聴き容れ給え。
天主なる御父 *われらをあわれみ給え。
天主にして世のあがない主なる御子 *われらをあわれみ給え。
天主なる聖霊 *われらをあわれみ給え。
唯一の天主なる聖三位 *われらをあわれみ給え。

生ける天主の御子なるイエズス *われらをあわれみ給え。
御父の輝きなるイエズス *われらをあわれみ給え。
永遠の光明なるイエズス *われらをあわれみ給え。

栄えの王なるイエズス *われらをあわれみ給え。
正義の太陽なるイエズス *われらをあわれみ給え。
童貞マリアの御子なるイエズス *われらをあわれみ給え。
愛すべきイエズス *われらをあわれみ給え。
感ずべきイエズス *われらをあわれみ給え。

大能の天主なるイエズス *われらをあわれみ給え。
来世の父なるイエズス *われらをあわれみ給え。
御計画の使者なるイエズス *われらをあわれみ給え。
いとも力あるイエズス *われらをあわれみ給え。

いとも堅忍なるイエズス *われらをあわれみ給え。
いとも従順なるイエズス *われらをあわれみ給え。
心の柔和けんそんなるイエズス *われらをあわれみ給え。
操をよみするイエズス *われらをあわれみ給え。

われらを愛するイエズス *われらをあわれみ給え。
平和の天主なるイエズス *われらをあわれみ給え。
命の源なるイエズス *われらをあわれみ給え。
善徳の鑑みなるイエズス *われらをあわれみ給え。
霊魂を深く愛し給うイエズス *われらをあわれみ給え。

われらの天主なるイエズス *われらをあわれみ給え。
われらの依り頼み奉るイエズス *われらをあわれみ給え。
貧しき者の父なるイエズス *われらをあわれみ給え。

信者の宝なるイエズス *われらをあわれみ給え。
善き牧者なるイエズス *われらをあわれみ給え。
まことの光なるイエズス *われらをあわれみ給え。
永遠の知なるイエズス *われらをあわれみ給え。
限りなく仁慈なるイエズス *われらをあわれみ給え。
われらの道と命なるイエズス *われらをあわれみ給え。

天使の喜びなるイエズス *われらをあわれみ給え。
太祖の王なるイエズス *われらをあわれみ給え。

使徒の師なるイエズス *われらをあわれみ給え。
福音史家の師なるイエズス *われらをあわれみ給え。
殉教者の力なるイエズス *われらをあわれみ給え。
証聖者の光明なるイエズス *われらをあわれみ給え。
童貞者の清浄の源なるイエズス *われらをあわれみ給え。
諸聖人の冠なるイエズス *われらをあわれみ給え。
御あわれみを垂れて *イエズスわれらを赦し給え。

御あわれみを垂れて *イエズスわれらの祈りを聴き容れ給え。

すべての悪より *イエズスわれらを救い給え。
すべての罪より *イエズスわれらを救い給え。
御怒りより *イエズスわれらを救い給え。
悪魔のわなより *イエズスわれらを救い給え。
じゃいんの心より *イエズスわれらを救い給え。
終りなき死より *イエズスわれらを救い給え。
御勧めをないがしろにする心より *イエズスわれらを救い給え。
聖なる御託身の玄義によりて *イエズスわれらを救い給え。

御誕生によりて *イエズスわれらを救い給え。
御幼年によりて *イエズスわれらを救い給え。
いとも神聖なる御生活によりて *イエズスわれらを救い給え。
御労働によりて *イエズスわれらを救い給え。
御苦しみと御受難とによりて *イエズスわれらを救い給え。
主の十字架と遺棄とによりて *イエズスわれらを救い給え。
御死苦によりて *イエズスわれらを救い給え。
御死去と御葬りとによりて *イエズスわれらを救い給え。
御復活によりて *イエズスわれらを救い給え。

御昇天によりて *イエズスわれらを救い給え。
聖体の御制定によりて *イエズスわれらを救い給え。
御喜びによりて *イエズスわれらを救い給え。
御栄えによりて *イエズスわれらを救い給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *イエズスわれらを赦し給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *イエズスわれらの祈りを聴き容れ給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *イエズスわれらをあわれみ給え。
イエズスわれらの祈りを聴き給え。 *イエズスわれらの祈りを聴き容れ給え。

祈願 主イエズス・キリスト、主は「なんじら求めよ、さらば与えられん。尋ねよ、 さらば見出さん。たたけよ、さらば開かれん」と宣えり。こいねがわくは、われらを して主のいと神聖なる愛に感ぜしめ、専ら心と言葉と行いとをもって主を愛し、絶えず 讃美するを得しめ給え。

 主よ、御身は御慈愛によりて造り給いしわれらを司り給えば、願わくはわれらをして、 常に聖名を敬い愛せしめ給え。とこしえに活きかつしろしめし給う主に願い奉る。アーメン。

イエズスの聖心(みこころ)の連祷:

主あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。
主あわれみ給え。
キリストわれらの祈りを聴き給え。*キリストわれらの祈りを聴き容れ給え。
天主なる御父 *われらをあわれみ給え。

天主にして世のあがない主なる御子 *われらをあわれみ給え。
天主なる聖霊 *われらをあわれみ給え。
唯一の天主なる聖三位 *われらをあわれみ給え。
永遠の聖父(ちち)の御子なるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
聖霊によりて童貞母の御胎内に造られたるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
限りなき威光あるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
天主の聖堂なるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
いと高き御者の住居(すまい)なるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。

天主の家、天の門なるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。

愛熱の燃ゆるかまどなるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
義と愛との宝蔵(ほうぞう)なるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
慈しみと愛とに充ち満てるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
よろずの徳のふちなるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
いとも賞めたたうべきイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
すべての心の王にしてかつ中心なるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
えいちと知識とのすべての宝を含めるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。

神性の充ち満てるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
御父の御旨に適い給うイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。

われらに聖寵のあふれをこうむらせ給うイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
永遠の丘の希望なるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
忍耐と慈悲とに富めるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
すべて依り頼む者に対して恵みゆたかなるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
命と聖徳との泉なるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
われらの罪のあがないなるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。

辱しめに飽かされたるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
われらの罪のために砕かれたるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
死にいたるまで従順なりしイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。

やりにて貫かれたるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
すべての慰めの泉なるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
われらの命と復活なるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
われらの平安とわぼくなるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
罪人のいけにえなるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。

御身に希望し奉る者の救いなるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
御身によりて死する者の希望なるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
諸聖人の楽しみなるイエズスの聖心 *われらをあわれみ給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらを赦し給え。

世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらの祈りを聴き容れ給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらをあわれみ給え。
心の柔和けんそんなるイエズス *われらの心を聖心にあやからしめ給え。
祈願 全能永遠にまします天主、いと慈しみ給う御子の聖心をみそなわし、罪人の ために主の献げ給う讃美と償い(つぐのい)とを顧み給いて、これになだめられ、 御あわれみを求め奉る者に赦しを賜わらんことを。聖霊と共にとこしえに生きかつ しろしめし給う天主なる御子イエズス・キリストの聖名(みな)によりて願い奉る。 *アーメン。

わが主イエズスキリストのいと貴き御血の連祷:

主あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。

主あわれみ給え。
キリストわれらの祈りを聴き給え。*キリストわれらの祈りを聴き容れ給え。
天主なる御父 *われらをあわれみ給え。
天主にして世のあがない主なる御子 *われらをあわれみ給え。
天主なる聖霊 *われらをあわれみ給え。

唯一の天主なる聖三位 *われらをあわれみ給え。
永遠の父の御独り子なるキリストの御血 *われらを救い給え
人となりたまえる天主のみ言葉なるキリストの御血 *われらを救い給え
新たにして永遠なる契約のキリストの御血 *われらを救い給え

御心痛のうちに地に滴り落ちたるキリストの御血 *われらを救い給え
茨の冠によりて流されたるキリストの御血 *われらを救い給え
十字架の上にて溢れ出でたるキリストの御血 *われらを救い給え
われらの救霊の代価なるキリストの御血 *われらを救い給え

罪の赦しの条件なるキリストの御血 *われらを救い給え
聖体の秘跡において心の糧にしてみそぎなるキリストの御血 *われらを救い給え
あわれみの奔流なるキリストの御血 *われらを救い給え
悪魔に打ち勝ち給えるキリストの御血 *われらを救い給え
殉教者の勇気なるキリストの御血 *われらを救い給え

証聖者の力なるキリストの御血 *われらを救い給え
童貞者を育くむキリストの御血 *われらを救い給え
滅びゆかんとするものの救いなるキリストの御血 *われらを救い給え

重荷を負えるものの支えなるキリストの御血 *われらを救い給え
悲しむものの慰めなるキリストの御血 *われらを救い給え
悔い改むるものの希望なるキリストの御血 *われらを救い給え
死に臨めるものの助けなるキリストの御血 *われらを救い給え
心の平和と柔和との源なるキリストの御血 *われらを救い給え
永遠の生命の保証なるキリストの御血 *われらを救い給え

煉獄より霊魂を解放すキリストの御血 *われらを救い給え
すべての栄えと誉れとにいともふさわしきキリストの御血 *われらを救い給え

世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらを赦し給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらの祈りを聴き容れ給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらをあわれみ給え。
主よ御身は貴き御血によりてわれらを罪より贖い給い *われらをもって天主の王国をつくり給えり。
祈願 全能永遠なる天主、主は御独り子を世の贖い主となし、その御血をわれらの罪の代償と定め給いたれば、われらをして、救霊の代価なる御血をふさわしき心もて礼拝し御血のみ力によりて、この世においてはもろもろの悪よりのがれしめ、天においては、御血の永遠の実りにあずかるを得しめ給わんことを、われらの主キリストによりて願いたてまつる。アーメン。

聖マリアの連祷

主あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。

主あわれみ給え。
キリストわれらの祈りを聴き給え。*キリストわれらの祈りを聴き容れ給え。
天主なる御父 *われらをあわれみ給え。
天主にして世のあがない主なる御子 *われらをあわれみ給え。
天主なる聖霊 *われらをあわれみ給え。

唯一の天主なる聖三位 *われらをあわれみ給え。
聖マリア *われらのために祈り給え。
天主の聖母 *われらのために祈り給え。

童貞のうちにていとも聖なる童貞 *われらのために祈り給え。
キリストの御母 *われらのために祈り給え。
天主の聖寵の御母 *われらのために祈り給え。
いと潔き御母 *われらのために祈り給え。
いと操正しき御母 *われらのために祈り給え。
終生童貞なる御母 *われらのために祈り給え。

きずなき御母 *われらのために祈り給え。
愛すべき御母 *われらのために祈り給え。

感ずべき御母 *われらのために祈り給え。
善き勧めを賜う御母 *われらのために祈り給え。
創造主の御母 *われらのために祈り給え。
救世主の御母 *われらのために祈り給え。
いとも賢明なる童貞 *われらのために祈り給え。
敬うべき童貞 *われらのために祈り給え。
誉むべき童貞 *われらのために祈り給え。

力ある童貞 *われらのために祈り給え。

寛仁なる童貞 *われらのために祈り給え。
信実なる童貞 *われらのために祈り給え。
正義の鑑み *われらのために祈り給え。
上智の座 *われらのために祈り給え。
われらが喜びの源 *われらのために祈り給え。
霊妙なる器 *われらのために祈り給え。
崇むべき器 *われらのために祈り給え。
信心のすぐれたる器 *われらのために祈り給え。

くすしきばらの花 *われらのために祈り給え。
ダヴィドの塔 *われらのために祈り給え。
象げの塔 *われらのために祈り給え。
黄金の堂 *われらのために祈り給え。
契約のひつ *われらのために祈り給え。
天の門 *われらのために祈り給え。
暁(あけ)の星 *われらのために祈り給え。
病人の快復 *われらのために祈り給え。
罪人の拠り所 *われらのために祈り給え。

憂き人の慰め *われらのために祈り給え。
キリスト信者の助け *われらのために祈り給え。
天使の元后 *われらのために祈り給え。
太祖の元后 *われらのために祈り給え。
預言者の元后 *われらのために祈り給え。
使徒の元后 *われらのために祈り給え。
殉教者の元后 *われらのために祈り給え。
証聖者の元后 *われらのために祈り給え。

童貞者の元后 *われらのために祈り給え。

諸聖人の元后 *われらのために祈り給え。
原罪なく宿りし元后 *われらのために祈り給え。
被昇天の元后 *われらのために祈り給え。
いと尊きロザリオの元后 *われらのために祈り給え。
平和の元后 *われらのために祈り給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらを赦し給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらの祈りを聴き容れ給え。

世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらをあわれみ給え。
天主の聖母われらのために祈り給え。 *キリストの御約束にわれらを適わしめ給え。

 祈願 主よ、主のしもべなるわれらに精神と肉身とのたえざる健康を与え給え。かつ 終生童貞なる聖マリアの御取次によりて、この世にてはもろもろの悲しみを逃れしめ、 後の世にては永遠の楽しみを受くることを得しめ給え。われらの主キリストによりて 願い奉る。*アーメン。

聖ヨゼフの連祷

主あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。
主あわれみ給え。

キリストわれらの祈りを聴き給え。*キリストわれらの祈りを聴き容れ給え。
天主なる御父 *われらをあわれみ給え。

天主にして世のあがない主なる御子 *われらをあわれみ給え。
天主なる聖霊 *われらをあわれみ給え。
唯一の天主なる聖三位 *われらをあわれみ給え。
聖マリア *われらのために祈り給え。
聖ヨゼフ *われらのために祈り給え。
ダヴィドの誉高き末 *われらのために祈り給え。

太祖の光明 *われらのために祈り給え。
天主の聖母の浄配 *われらのために祈り給え。
童貞マリアの操正しき守護者 *われらのために祈り給え。

天主の御子の養育者 *われらのために祈り給え。
キリストの注意深き保護者 *われらのために祈り給え。
聖家族の長(おさ) *われらのために祈り給え。
いと正義なるヨゼフ *われらのために祈り給え。
いと貞潔なるヨゼフ *われらのために祈り給え。

いと賢明なるヨゼフ *われらのために祈り給え。
いと勇気あるヨゼフ *われらのために祈り給え。
いと従順なるヨゼフ *われらのために祈り給え。
いと信実なるヨゼフ *われらのために祈り給え。

忍耐の鑑 *われらのために祈り給え。
清貧の愛好者 *われらのために祈り給え。
職人の模範 *われらのために祈り給え。
家庭生活の誉 *われらのために祈り給え。

童貞の守護者 *われらのために祈り給え。
家庭の柱石 *われらのために祈り給え。
不幸なる者の慰め *われらのために祈り給え。
病める者の希望 *われらのために祈り給え。
死に臨める者の擁護者 *われらのために祈り給え。

悪魔の恐れ *われらのために祈り給え。
聖なる公教会の保護者 *われらのために祈り給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらを赦し給え。

世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらの祈りを聴き容れ給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらをあわれみ給え。
天主かれを立てておのが一家の長と定め、*そのすべての持ち物を宰(つかさど) らしめ給えり。
祈願 絶妙なる御摂理により聖ヨゼフを至聖なる御母の浄配として選び給いたる 天主、こいねがわくは地上においてかれを保護者と尊敬し奉るわれらをして、かれを 天上における代祷者としていただくにふさわしき者たらしめ給え。とこしえに活きかつ しろしめし給う主に願い奉る。*アーメン。

諸聖人の連祷

主あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。

主あわれみ給え。
キリストわれらの祈りを聴き給え。*キリストわれらの祈りを聴き容れ給え。
天主なる御父 *われらをあわれみ給え。
天主にして世のあがない主なる御子 *われらをあわれみ給え。
天主なる聖霊 *われらをあわれみ給え。

唯一の天主なる聖三位 *われらをあわれみ給え。
聖マリア *われらのために祈り給え。
天主の聖母 *われらのために祈り給え。

童貞のうちにていとも聖なる童貞 *われらのために祈り給え。
聖ミカエル *われらのために祈り給え。
聖ガブリエル *われらのために祈り給え。
聖なるすべての天使および大天使 *われらのために祈り給え。
洗者聖ヨハネ *われらのために祈り給え。
聖ヨゼフ *われらのために祈り給え。

聖なるすべての太祖および預言者 *われらのために祈り給え。
聖ペトロ *われらのために祈り給え。

聖パウロ *われらのために祈り給え。
聖アンドレア *われらのために祈り給え。
聖ヤコボ *われらのために祈り給え。
聖ヨハネ *われらのために祈り給え。
聖トマ *われらのために祈り給え。
聖ヤコボ *われらのために祈り給え。
聖フィリッポ *われらのために祈り給え。

聖バルトロメオ *われらのために祈り給え。

聖マテオ *われらのために祈り給え。
聖シモン *われらのために祈り給え。
聖タデオ *われらのために祈り給え。
聖マチア *われらのために祈り給え。
聖バルナバ *われらのために祈り給え。
聖ルカ *われらのために祈り給え。
聖マルコ *われらのために祈り給え。
聖なるすべての使徒および福音史家 *われらのために祈り給え。

主の聖なるすべての弟子 *われらのために祈り給え。
聖なる罪なきみどりご *われらのために祈り給え。
聖ステファノ *われらのために祈り給え。
聖ラウレンシオ *われらのために祈り給え。
聖ヴィンセンシオ *われらのために祈り給え。
聖ファビアノおよび聖セバスチアノ *われらのために祈り給え。
聖ヨハネおよび聖パウロ *われらのために祈り給え。
聖コスマおよび聖ダミアノ *われらのために祈り給え。
聖ジェルバジオおよび聖プロタジオ *われらのために祈り給え。

聖なるすべての殉教者 *われらのために祈り給え。
聖シルヴェストロ *われらのために祈り給え。
聖グレゴリオ *われらのために祈り給え。
聖アンブロジオ *われらのために祈り給え。
聖アウグスチノ *われらのために祈り給え。
聖イェロニモ *われらのために祈り給え。
聖マルチノ *われらのために祈り給え。
聖ニコラオ *われらのために祈り給え。

聖なるすべての司教および証聖者 *われらのために祈り給え。

聖なるすべての博士 *われらのために祈り給え。
聖アントニオ *われらのために祈り給え。
聖ベネディクト *われらのために祈り給え。
聖ベルナルド *われらのために祈り給え。
聖ドミニコ *われらのために祈り給え。
聖フランシスコ *われらのために祈り給え。
聖なるすべての司祭および侍祭 *われらのために祈り給え。

聖なるすべての修士および隠修士 *われらのために祈り給え。
聖マリア・マグダレナ *われらのために祈り給え。

聖アガタ *われらのために祈り給え。
聖ルチア *われらのために祈り給え。
聖アグネス *われらのために祈り給え。
聖セシリア *われらのために祈り給え。
聖カタリナ *われらのために祈り給え。
聖アナスタジア *われらのために祈り給え。

聖なるすべての童貞およびやもめ *われらのために祈り給え。
天主のすべての聖人および聖女 *われらのために取次をなし給え。
御あわれみを垂れて *主われらを赦し給え。

御あわれみを垂れて *主われらの祈りを聴き容れ給え。
すべての悪より *主われらを救い給え。
御怒りより *主われらを救い給え。
不測の急死より *主われらを救い給え。
悪魔のわなより *主われらを救い給え。

怒り、憎み、その他すべての悪意より *主われらを救い給え。
じゃいんの心より *主われらを救い給え。
落雷および暴風より *主われらを救い給え。
地震の災難より *主われらを救い給え。

疫病、ききんおよび戦争より *主われらを救い給え。
終りなき死より *主われらを救い給え。
聖なる御託身の玄義によりて *主われらを救い給え。
御降世によりて *主われらを救い給え。

御誕生によりて *主われらを救い給え。
主の御受洗と聖なる御断食とによりて *主われらを救い給え。
主の十字架と御受難とによりて *主われらを救い給え。
御死去と御葬りとによりて *主われらを救い給え。
聖なる御復活によりて *主われらを救い給え。

崇むべき御昇天によりて *主われらを救い給え。
慰め主なる聖霊の御降臨によりて *主われらを救い給え。
審判の日において *主われらを救い給え。

われら罪人なれども *主われらの祈りを聴き給え。
願わくはわれらを赦し給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
願わくはわれに御あわれみを垂れ給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
願わくはわれらをまことの改心に導き給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
願わくは主の聖なる公教会を治めかつ保ち給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
願わくは教皇と公教会の諸階級とを聖なる教えのうちに永く保ち給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。

願わくは聖なる公教会の敵を恥じ服せしめ給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
願わくは主を信ずる元首と諸候とに太平を降し、皆同心一致ならしめ給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。

願わくは主を信ずる民に平和と一致とを与え給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
願わくはすべての迷える者を公教会の一致に呼び戻し、またすべての教外者を福音の光に導き給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
願わくはわれらを主の聖役に強めかつ保ち給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
願わくはわれらの心を高く揚げて天上を望ましめ給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
願わくはわれらのすべての恩人に、無窮の幸いをもって報い給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
願わくはわれらおよびわれらの兄弟、親族、恩人の霊魂を永遠の罰より救い給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
願わくは地の百穀を与え、かつこれを保ち給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。

願わくはすでに世を去りたるすべての信者に、終りなき安息を与え給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。

願わくはわれらの祈りを聴き容れ給わんことを *主われらの祈りを聴き給え。
天主の御子 *願わくはわれらの祈りを聴き容れ給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらを赦し給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらの祈りを聴き容れ給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 *主われらをあわれみ給え。
キリストわれらの祈りを聴き給え *キリストわれらの祈りを聴き容れ給え。
主あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。
主あわれみ給え。

 主祷文 一回
 祈願 全能永遠なる天主、われら主のすべての聖人の勲(いさおし)をばここに 讃美し奉る。願わくは、かくもおびただしき天使聖人たちの御取次によりて、ゆたか なる御恵みをわれらに与え給え。われらの主キリストによりて願い奉る。*アーメン。

テ・デウム

天主にまします御身をわれらたたえ、主にまします御身を讃美し奉る。
永遠の御父よ、全地は御身を拝みまつる。
すべての御使いら、天つ御国の民、よろずの力ある者、

ケルビムも、セラフィムも、絶間なく声高らかに御身がほぎ歌をうたいまつる。

聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の天主、
天も地も、御身の栄えと御霊威とに充ち満てりと。
ほまれにかがやく使徒のむれ、
ほめたとうべき預言者のあつまり、 潔き殉教者の一軍、みなもろともに御身をたたえ、
全地にあまねき聖会は、
御身、限りなき御いつ(みいつ)の聖父(おんちち)を、
いとたかき御身がまことの御独り子と、
また慰め主なる聖霊と、ともに讃美し奉る。

御身、栄えの大君なるキリストよ、
御身こそは、聖父のとこしえの聖子(おんこ)、
世を救うために人とならんとて、おとめの胎をもいとわせ給わず、
死のとげにうち勝ち、信ずる者のために天国を開き給えり。
御身こそは、御父の御栄えのうちに、天主の右に坐し、
裁き主として来りますと信ぜられ給う。
願わくは、尊き御血もてあがない給いししもべらをたすけ給え。
かれらをして諸聖人と共に、永遠の栄えのうちに数えらるるを得しめ給え。
主よ、御身の民を救い、御身の世継ぎを祝し、

かれらを治め、永遠にいたるまで、かれらを高め給え。
われら、日々、御身に謝し、
世世にいたるまで聖名(みな)をたたえ奉る。
主よ、今日(こんにち)われらを護りて、罪を犯さざらしめ給え。
われらをあわれみ給え。主よ、われらをあわれみ給え。
主よ、御身に依り頼みしわれらに、御あわれみをたれ給え。
主よ、われ御身に依り頼みたり、わが望みはとこしえに空しからまじ。

 

マグニフィカト

わが霊魂は主を崇め奉り、
わが精神はわが救い主なる天主によりて喜びに堪えず。
そは御召使いのいやしきを顧み給いたればなり。見よ、今よりよろずよにいたるまで、 人われを幸いなる者ととなえん。
けだし全能にまします御者、われに大事をなし給いたればなり。
聖なるかな、その御名(みな)。
その御あわれみは、世々これをおそるる人々の上にあり。

みずから御腕の権能を現し、おのが心の思いにおごれる人々を打ち散らし、
権力ある者をその座よりおろし、いやしき者をば高め、
飢えたる者を佳き物に飽かせ、富める者をば手を空しうして去らしめ給えり。
御あわれみを忘れず、そのしもべイスラエルを引き受け給い、われらの先祖に 宣いし(のたまいし)如く、そをアブラハムにも、その子孫にも世々に限りなく 及ぼし給わん。

待降節の祈

天よ、露を滴らせ、雲よ、義人を降らせよ。

*地よ、開きて救世主を出せよ。(イザヤ 45-8)
わが天主、わが救世主なるイエズス・キリスト。われらはこの待降節中、けいけんの念もて、旧約の太祖、預言者、および義人らが、主の御恵み豊かなる御来臨を祈り求めし、その熱望を思いめぐらし奉る。
*主は限りなき御あわれみと愛とをもって、太祖に与え給いし御約束を果し給えり。すなわち、永遠の知なる主は天降りて、その完全なる御教えの光をもってわれらの精神の暗きを照らし、罪のきずなを解き、悪魔の力をくじき、われらと天の御父との間に、平安とわぼくをもたらし給えり。されば天と地とは声をあわせて、主が人となりておこない給いし救いの御業をたたえ奉る。
主イエズスよ、われらは太祖、預言者たちと共に、御身が御約束のキリスト、世の救い主にして、道、真理、生命にてましますことを堅く信じ奉る。
*願わくはわれらを恵みて、熱心なる祈りの精神と深き痛悔の心とを与え、主の御降誕を迎えまつるにふさわしき準備をなさしめ給え。
主イエズスよ、今こそ主は御みずからわれらに来り、霊的に生まれ給いて、その聖なる御託身の御恵みをわれらに与え給わんとす。そはわれらが主の如く天主の子として、天主と人との前に知恵と聖寵のいやまさんがためなり。
*さればわれらは聖なる慎みをもって、すべて世間の楽しみを打ち棄て、心を浄めて、主の御ためにふさわしき住家を備え奉らん。
救霊のあけぼのなる聖マリア、イエズス・キリストの先駆者なる聖ヨハネ、主の御来臨を祝い奉るにふさわしき準備をなし得る御恵みを、われらのために祈り求め給え。そは主がこの世を裁かんとて再び来り給う時、恐るることなく主を迎え奉らんがためなり。*アーメン。 主よ、御身に向いてわが魂を挙げ奉れり。

*わが天主よ、われ御身に依り頼めり。われ永遠に恥じることなからん。
祈願 全能の天主、願わくは主の御独り子をふさわしく迎え奉らんがために、われらに熱心なる祈りの精神と痛悔の念とを与え給え。われら救い主の御来臨によりて潔められたる心をもって主に仕え、御心に従いてこの世を送らんことを、われらの主キリストによりて切に願い奉る。アーメン。

御降誕節の祈

かくて御言葉はひととなりて、われらのうちに宿り給えり。
*われらはその光栄を見奉りしが、そは父より来れる独り子の如き光栄なりき、すなわち恵みと真理とに満ち給いしなり。(ヨハネ1-14)
天降り給いし救い主、われらはいまうやうやしく馬ぶねに近ずき、心より主を礼拝し奉る。われらは堅き信仰もて、主がたといかよわき人の子の如く見え給うとも、まことに活ける天主の御子にてましますことを信じ奉る。実に御身はまことの天主にして、始めなく永遠に御父より生まれ給う御者なり。天地にあるすべてのものを造り給いし御父の御言葉は、すなわち御身なり。御身は御父の輝き、その全き映像なり。御身はまたその全能の御言葉をもって、常によろずのものを保ち、かつ宰り給う。

*ああわが主、わが天主よ、われ主を信じ奉る。ひれ伏して主を礼拝し奉る。

天主なる幼児イエズス、主はわれらを愛してわれらの救霊のため、すでに馬ぶねのうちに御みずからを天の御父に献げ給えり。
*われらは今主の御前にひざまずきて主を讃美し、感謝を尽し、犯せし罪を一心に悔み奉る。主よ、われらは今より後万事に超えて主を愛し、終生主にのみ仕えまつらんことを約束し奉る。
われらはこの祈りを、慈しみ深き御母聖マリア、御養父聖ヨゼフ、諸天使、信心深き羊飼いらおよび東の国の博士らの、愛と信心とに合わせて主に献げ奉る。
*主よ、いまだ主を知らざる人々にはまことの信仰を、罪人には改心の御恵みを、死せる信者の霊魂には永遠の安息を与え給え。またすべて主の聖寵に活くる者には、聖なる愛を増し、終りまで耐え忍ぶ力を授け給わんことを切に願い奉る。
祈願 天地を統べ給う全能永遠なる天主、主は御みずからをこの世の小さき者に現わし給いしにより、われらは心よりへりくだり、御旨に適いて御子の御降誕にふさわしく祝いまつらんと望み奉る。願わくはわれらをして御子にならい、主がいと小さき者に約束し給いし御国にいたらしめ給わんことを。天主の御子なるわれらの主イエズス・キリストによりて願い奉る。*アーメン。

幼きイエズスを訪い奉る祈

天主にまします幼きイエズス、わが創造主、我が救世主、われ今御前に出でて恭しく主を拝し奉る。*いとうるわしく、いと愛すべき幼きイエズスよ、主の御降誕に当り、天の御父は喜びて主を見まもり給い、天使らは主を讃美し、御母聖マリア、御養父聖ヨゼフは羊飼いらとともに主を礼拝したり。われは罪人なれば主の御前に出ずるに足らざれども、願わくは世に降り給える主を、あふるるばかりの喜びと感謝とをもって拝み奉ることをわれにも許し給え。

聖にして恵みゆたかなる幼きイエズス、我は貧しくして何物をも持たざれども、わが心を主に献げ奉る。*願わくはこれを潔めて主の御住居となし給え。また主は世を救わんために来り給いたれば、すべて主を知らざる人々をあわれみ、真理の光のうちにかれらを導き給え。かくて人々みな主を知り、主を愛し、主と共に平和のうちに生くるにいたらんことを、聖母マリア、聖ヨゼフ、ならびに諸天使、諸聖人の御取次によりて願い奉る。アーメン。

新年の祈

ああ天主、われ年の始めに当りて、過ぎし一年の間に受け奉りたるあまたの御恵みを謝し、また、この新しき年のために主の御祝福を願い奉る。願わくは御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。主の御名は地上に尊まれ、すべての人は救霊の道に導かれんことを。
*われはこの新しき年の初穂として、わが肉身と霊魂、わが境遇と事業とを主に献げ奉る。願わくはこれを受け入れ給いて、主に仕え奉る熱心をわが心に新たならしめ給え。またわが親族、恩人、友人のためにも主の御保護を願い奉る。われをして主の聖寵のうちに、安らかにこの一年とわが一生とを過し、主の御旨によりて現世の旅路を終らん後、相共に天国の永福を得しめ給え。われらの主キリストによりて願い奉る。アーメン。

御公現の祈

全能永遠の天主、御父、主は人類を救わんとて、限りなき御慈しみによりいとも愛すべき御独り子をこの世に遣わし給い、おのが選民には天使をもってその御降誕の福音を告げ給いしが、さらにくすしき星をもって東方より三人の博士を幼児の御前に導き給いたり。

*真理の源にまします天主、主の博士たちを召し給いしは、かれらによりて御子を万民に与え給わんためなることをわれらは知れり。幼きイエズス、今こそ御身はわれらのものなれば深くへり下りて御前にひれ伏し奉る。
いざ来れ、われらもろともに拝みまつらん。
*主はまことにわれらの天主にましませばなり。
主イエズス、御身が世に来り給いし時、東方の博士たちは幼児が王たるをあらわす黄金、大司祭のしるしなる乳香、万民のために死にわたさるべきを示す没薬の三種の礼物を献げて伏し拝みたり。
*主よ、こいねがわくは礼物によりて信仰と愛とをあらわしたる三人の博士にならわしめ、わが心の愛を黄金となし、わがつたなき祈りを乳香となし、日々の苦難とぎせいとを没薬としてこれを受け入れ給え。

四旬節の祈

主よ、願わくはわれらの心に聖寵を充たし、われらにおのが罪を嘆き、祈りと善業とをもってこれを償うを得しめ給え。そは来世において永遠に罰せらるるよりも、この世においてこれを償うをまされりとすればなり。われらの主キリストによりて願い奉る。アーメン。

イエズスの御受難を崇むる祈

主イエズス・キリスト、主は世をあがなわんためにこの世に生れ、ユデア人に棄てられ、裏切者なるユダのために口づけをもって敵に売られ、なわめを受けて罪なき子羊の如くとしょに引かれ、アンナ、カイファ、ピラト、ヘロデの前に侮りあざけられ、偽証人の陥るるところとなり、むち打たれ、辱しめられ、つばきせられ、ほほを打たれ、いばらの冠をかむらせられ、よしにてたたかれ、衣をはがれ、十字架にくぎ付けにせられ、酢と苦きものとをなめさせられ、やりにて貫かるるをも甘んじ受け給えり。*主、願わくは、われらの身に余りてかたじけなきこの尊き御苦難と、聖なる十字架と、御死去とによりて、われらに地獄の苦しみを免れしめ給え。また主と共にはりつけにせられて、悔い改めたる、盗賊を導き給いし処へ、われらをも導き給え。聖父と聖霊と共にとこしえに生き、かつしろしめし給う主なるかな。アーメン。

悲しめる聖母に対する祈(スタバト・マーテル):

悲しみに沈める御母は涙にむせびて、御子の懸り給える十字架のもとにたたずみ給えり。

*嘆き憂い悲しめるその御魂は、鋭き刃もて貫かれ給えり。
天主の御独り子の尊き御母は、いかばかり憂い悲しみ給いしぞ。
*われ十字架の側に御身と立ちて、相共に嘆かんことを望む。

童貞のうちにていとも勝れたる童貞、願わくは、われを排け給わずして、共に嘆くを得しめ給え。
*われにキリストの死を負わしめ、その御苦難を共にせしめ、その御傷を深くしのばしめ給え。
御子の御傷をもってわれに傷つけ、その十字架と御血とをもって、われを酔わしめ給え。
*聖なる童貞女よ、われに地獄の火に焼かれざらんため、審判の日にわれを守り給え。
ああ、キリストよ、われこの世を去らんとき、御母によりて勝利の報いを得しめ給え。

*肉身は死して朽つるとも、霊魂には、天国の永福をこうむらしめ給え。アーメン。

御復活節の祈

栄えある主イエズスよ、主はわれらを救わんために十字架につけられて死し、御約束の如く三日目によみがえり、そを証さんため弟子たちに御みずからを示し給えり。*主は御死去をもって罪に勝ち、御復活をもって死と地獄とに勝ち、御みずからの天主にましますことを証し給えば、われらは主の御復活を崇め主の大いなる御栄えを喜び奉る。
これこそ主の造り給いし日なれ。アレルヤ。
*この日にあたりわれら喜びかつ躍らん。アレルヤ。
主イエズス、主は御復活の後弟子たちに現われ、力を落し、恐れいたるかれらを慰め、励まし、またかれらに授け給いし御教えを完うし給えり。
*死と地獄とに勝ち給いたるイエズス、われらの信仰弱きをあわれみてこれを強め、信仰のために戦うべき時に当りて、われらに助けをくだし給え。主よ、御身の公教会をしてますます栄えしめ、常に地獄の門に勝たしめ給わんことを、伏して願い奉る。アーメン。

御昇天の祈

主イエズス・キリスト、主は御復活後、なおこの世に止まり給い、しばしば弟子たちにあらわれてその御教えのまことなるを証し、かれらの信仰を固め居給いしが、四十日目に聖母マリアと御弟子らの前にて、オリベト山より栄えのうちに天に昇り、御父の家にわれらの住家を備え給えり。
*われらは主の御栄えを崇め、感謝し、主の残し給いし御教えを守らんと決心し奉る。願わくは今日主の御昇天を祝いまつるわれらにも、ついには幸いなる昇天の御恵みにあずかるを得しめ給え。アーメン。

聖霊降臨節の祈

天主なる聖霊、主は聖父と聖子より出ずる、二位の間の永遠の愛のきずなにてまします御者なり。主は常に万物の上に愛の御眼をそそぎ、すべての御業を行い給う。

*われらは聖霊の天主にましますを信じ、礼拝をささげ、今日までわれらに賜わりし霊肉の賜物をこころより感謝し奉る。

主イエズスはこの世を去り給う時、御弟子らに聖霊を遣わさんと約し給いしにより、かれらは聖母マリアと共に、心を合わせて祈りいたりしが、聖霊は火の如き舌の形にて現われ、かれらの心に降りてそを充たし給いたれば、かれらは生まれ変りし者の如くなり、諸国の言葉を語り、布教に専心せり。
主よ、聖霊を遣わし給え。しかしてよろずのものは造られん。
*地の面は新たにならん。
主なる聖霊、われらの上にも降りてわれらの心を充たし、新たになして、天主に対し、人に対し、すべてにおいて正しき道を歩ましめ給え。アーメン。

聖霊の御降臨を望む祈

聖霊来り給え。天より御光の輝きをはなち給え。

*貧しき者の父、恵みの与え主、心の光にます御者来り給え。
いと優れたる慰め主、霊魂の甘美なる友、心のなごやかなる楽しみ。
*つかれたる時の憩い、暑き時の涼しさ、憂うる時の慰め。
いたって幸いなる光よ、主を信ずる者の心に来り充ち給え。
*主の御助けあるにあらざれば人には罪ならざる所なからん。
こいねがわくは汚れたるを清め、乾けるをうるおし、傷つけられたるをいやし給え。
*固きを柔らげ、、冷えたるを暖め、曲れるを直くし給え。
主を頼む信者に神聖なる七つの賜物を施し給え。

*善徳の勲を積み、救霊の彼岸にいたり、永遠に喜ぶを得しめ給え。アーメン。

三位一体の大祝日の祈

すべての被造物の源にまします天主、主は造られずして永遠の始めよりましまし、御本性にては一体、ペルソナにては三位にましまし給う。主はすべての見ゆるものと見えざるものを無より造り出し、これを宰り給うなり。
*天使らは主の御前に、聖なるかな、聖なるかな、聖なるかなと主をほめたたえ奉れば、われらも共に声を合わせて主を讃美し奉る。主よ、われらを見棄て給わず、わが足らざるを補いて、天使らと共に主を礼拝するを得しめ給え。
われらは天主の子と呼ばるるにふさわしからざれども、最愛の御独り子にましますわれらの主イエズス・キリストの福音の光に照らされ、洗礼の恵みをこうむり天主の子となるの幸いを得たり。ああこの信仰の御恵みは、いかにしてか感謝すべき。
*願わくは、われらが主の子として変らざる信仰を保ち、御戒めを守り、天主に従い奉るを得んことを、ひたすらこいねがい奉る。アーメン。

聖体に対するトマの祈

パンの形色のうちにまことにまします隠れ給う天主、今うやうやしく御前に礼拝し奉る。われは主を認むる力足らざるにより、わが心を全く主に従わせ奉る。
*ここに今、見、触れ、味わうところのみにては、これが主なることを認め難けれども、ただ耳に聞けるところによりて確信するなり。われは天主の御子ののたまいしことを、ことごとく信じ奉る。この真理の言葉にまさるまことは、世にあることなし。
十字架上にては天主の性のみ隠れしかど、ここにては人たるの性も共に隠るるなり。されどわれ二つの性の共にましましすを信じ、かつこれを公言し、カルワリオにて悔改めし盗賊の願いしことをわれもまた願い奉る。
*われはトマの如く御傷を見ざれども、主のわが天主なることを公言してはばからず。願わくは、われをして主をますますあつく信じ、主に依り頼み、主を愛することを得しめ給え。
わが主の御死去の記念として人に命を与うる活けるパンよ、わが心を御身によりて生きながらえしめ、何時もその甘美なる味を覚ゆるを得しめ給え。
*御血の一滴くをもってしても、世のすべての罪を償うを得給う主なるイエズス、願わくは汚れたるわれを、御血をもって清め給え。

聖体の姿のうちに見奉るイエズス、願わくはわが渇するごとく望むところを与え給え。即ち天国においてあらわに主の御顔を見奉り、御栄えを仰ぎて幸いなるを得しめ給え。アーメン。

オ・サルタリス

ああ救霊のいけにえ、
天つ御国の門を開き給う御者よ、
われらの敵は戦いをいどむが故に、
われらに力と助けを与え給え。

三位一体の天主に、

世々に栄えあらんことを。
また願わくは終りなき命を、
天つふるさとにおいて与え給わんことを。アーメン

アヴェ・ヴェールム

めでたし、童貞マリアより生まれ給いしまことの御体よ、

げに人のために苦しみを受け、十字架の上にていけにえとなり給いし御者よ、

御脇腹はさし貫かれ、水と血とを流し給えり。
願わくは臨終の戦いに当りて、あらかじめわれらに天国の幸いを味わしめ給え。
ああ甘美なるイエズス、
慈悲深きイエズス、
マリアの御子なるイエズスよ。アーメン。

パンジェ・リングワ

いざ歌えわが舌よ、

栄えある御体の奥義と、
尊き御母の御子、万民の王の、
世のあがないのために流し給える尊き御血の奥義をば。
主は汚れなき童貞より生まれ出でてわれらに与えられ、
御教えの種をまきつつこの世をわたり、
くすしき御恵みを与えてこれを終り給いぬ。

すなわち最後のばんさんの夜に当りて、主は兄弟らと共に食卓をかこみ、
旧約の則にしたがいて過越を食し、

このとき、御手ずから御身を十二使徒に分ち給えり。

ひととなり給える御言葉はまことのパンを御肉となし、ブドウ酒はじつに 御血と変れり。五感はこれを測り得ざれども、まことなる心は信仰のみによりて 固く信ずるなり。

かくも尊き秘蹟をば、われら伏して拝み奉らん。
いにしえの式は過ぎ去りて新しき祭りはなれり。
願わくは信仰の、わが五感の足らざるところを補えよかし。

御父と御子に、誉れと喜び、
礼拝と御栄え、力と祝福あれ、

二位より出で給う聖霊もまた共にたたえられよかし。アーメン。

聖体を訪い奉る時の祈(聖アルフォンソ)

わが主イエズスよ、主は人々を愛し給うにより、昼夜聖体の秘蹟にましまし、あわれみと慈しみとに満ちあふれて人々を招き、すべて主を訪い奉る者を恵み給う。*われこの聖体の秘蹟に主のまことにましますことを信じ、ひれ伏して主を礼拝し、またすべてわれに施し給いし御恩、特にこの秘蹟をもって御身をわれに与え、聖母マリアをわが代祷者となし、かつ今、われを主の御前に招き給えるを感謝し奉る。
われいま御恵みに感じ、慈しみ深き御心をうやうやしく礼拝し、一には主がこの聖体の秘蹟を定め給いし御恵みを謝し、二には聖体の秘蹟においてすべての敵より受け給いし辱めを償い、三には聖体の秘蹟のうちに主を敬い認めざる人々に代りて主を拝み奉らんとす。*わが主イエズスよ、わが一心に主を愛し、今までしばしば限りなき主の慈しみに背きしを悔み、聖寵の助けによりて、この後主に背くまじと決心し奉る。

われはわが身を全く主に献げ、心をも愛情をも希望をも持ち物をもことごとく主に委せ奉る。*願わくは、今よりわれとわがすべてのものとにつき御旨のままに計らい給え。ただ主を愛し、死するまで耐え忍びて、御旨を成就せんことを願い奉る。また煉獄の霊魂を救い、とくに聖体と聖母マリアとを厚く尊みたる者を救い給え。あわれなる罪人にも御慈悲の御眼を注ぎ給え。ついにわが愛情を、主の聖心の愛情に合わせて、これを永遠の御父に献げ、聖父のこれを受け容れ給わんことを、主の御名によりて願い奉る。アーメン。

人類の忘恩に対する償の祈

いと甘美なるイエズスよ、主が人々に示し給いし御慈しみはかえってかれらの忘却と冷淡とけいべつとによりて報いらるるなり。さればわれらは、主の祭壇の御前にひれ伏し、いとも愛すべき主の聖心が、あらゆる方面より受け給う、かくも憎むべき忘恩ぼうとくを償わんがために特に礼拝し奉る。*されどわれらもまた、かつて主に背き奉りたるものなるを思い出し、深く悲しみて御あわれみを願い奉る。われらはおのが罪を償うのみならず、さらに進んで、救霊の道を遠ざかり、主の御招きに応ぜずして不信仰を改めざる者、洗礼の約束を破りて、主の御戒めの快きくびきを振り棄てたる人々の罪をも償わんと望み奉る。すなわちわれらは、世の腐敗せる風俗、むくなる青少年の霊魂を堕落のふちに導く誘惑、聖日の無視、主ならびに主の諸聖人に向けらるる不敬の言葉、主の代理者たる教皇を始め、すべての司祭職に対してなさるる侮辱、至聖なる愛の秘蹟に対する無関心と恐るべきとくせい、主の定め給いし、公教会の権利と権威とにさからう、社会の公然の不義の如き、悲しむべき種々の罪を、あまねく償い奉らんと欲す。ああかくの如き罪をば、われらの血潮もてことごとく洗い浄めんすべもがな。われら今ここに、主のいと高き御霊威に対する冒辱の償いとして、主がかつて十字架の上にて御父に献げ給い、なお日ごと祭壇の上にて繰り返し給う償いに、童貞なる聖母、諸聖人、およびすべての信心深き信者の償いを合わせて献げ奉り、堅固なる信仰、汚れなき生活、福音の戒め、ことに愛徳の完全なる実行をもって、主の聖寵の助けのもとに、われらおよび全人類の罪と、主の大いなる御慈しみに対する冷淡とを、わが力の及ばん限り償い、全力を尽して、主に対する罪人の冒辱を防ぎ、かつ能う限り多くの人々を、主の御許に呼び集めんと心より約束し奉る。いと慈悲深きイエズスよ、願わくは、至聖童貞なる協償者マリアの御取次によりて、われらが進みて献げ奉る償いの約束を受け給いて、われらをして死にいたるまで忠実に主に仕え、天のふるさとにいたる日まで、この決心を固く保たしめ給え。聖父と聖霊と共に世々に生きかつしろしめし給う主なるかな。アーメン。

イエズスの聖心に家庭を献ぐる祈

至聖なるイエズスの聖心よ、主はかつて聖女マルガリタ・マリアにキリスト信者の家庭に王たらんとの御望みを明かし給えり。*われらは主の御旨を尊みて、今日ここに集まり、主がわれらの家庭の王にましますことを宣言し奉る。われらは今より、主の御生活にならい奉りて、この世の平和に必要なる諸徳の花を、われらの家庭に咲き香わせ、また主の忌みきらい給う世間的精神をば、はるかにわれらの間より遠ざけんと欲す。願わくは、われらの知恵を治めて、信仰を素直ならしめ、われらの心をすべて、主ひとりを愛せしめ給え。われらはしばしば聖体を拝領して、主の愛に燃え、その炎をいつまでも失わざらんと欲す。
*至聖なるイエズスの聖心よ、われらのまどいに長となり、われらの精神的および物質的事業を祝し給え。禍いを遠ざけ、喜びを神聖にし、苦しみを和らげ給え。われらのうちに、主の 御旨を痛め奉る不幸に陥る者あらば、主が悔改むる罪人に対して慈しみとあわれみとに充ちあふれ給うことを、思い出さしめ給え。
*ついにわれらの家庭が、死別の不幸にあい、悲しみの雲に閉ざされん時は、去る者も留まる者も、すべて主の永遠の御定めに服従し奉らん。やがては全家挙りて天国に相集まり、主の御栄えと御恵みとを、永遠に讃美する日の来るべきことを思わば、みずから慰むるに余りあるべし。願わくは聖母マリアの汚れなき御心と、栄えある太祖聖ヨゼフとは、われらの家庭奉献を主の御前に取次ぎ、われらをして、今日のこの奉献の記憶を、終生忘れざらしめ給え。願わくは、われらの王にして、父なるイエズスの聖心の、世々に活き、かつしろしめし給わんことを。アーメン。

聖心の侮辱を償う決心の祈

至聖なるイエズスの聖心よ、主が多くの人々より辱しめられ給うを償わんために、われらは愛と忠実と、さらに深きけんそんをもって御前にひれ伏し、卑しきわが身を新たに聖心に献げ、今、次の約束をなし奉る。
われらの心を聖ならしめ給う聖心よ、世の人々が、主の聖寵の妙理を辱しむるとき、*われらは一層聖心の摂理を深く信じ奉る。

人類の唯一の希望なる聖心よ、不信の暴風雨が、われらの希望を奪わんとするとき、*われらは一層主に希望し奉る。
限りなく愛すべき聖心よ、世の人々が、主の御慈しみを拒むとき、*われらは一層主を愛し奉る。
天主の聖心よ、世の人々が、主の御神性を否むとき、*われらは一層主を礼拝し奉る。
至聖なる聖心よ、主の聖なるおきてが忘れられ、背かるるとき、*われらは一層これを守らんと決心し奉る。

豊かなる恵みを与え給う聖心よ、主の聖なる秘蹟が軽んぜられ忘れらるるとき、*われらは一層愛と敬いとをもって、これを受けんと励み奉る。
すべての善徳の模範なる聖心よ、主の崇むべき御徳が見棄てらるるとき、*われらは一層主の善徳にならわんと決心し奉る。
霊魂の救いをあつく望み給う聖心よ、悪魔が人々の霊魂を亡ぼさんとするとき、*われらは一層その救霊のために、励まんと決心し奉る。
辱しめに飽かされたる聖心よ、世の人々が高慢と快楽とのために、おのれの務めを忠実に尽すをいとうとき、*われらは一層おのれに打ち勝ち、ぎせいの心を養わんと決心し奉る。
甘美なる聖心よ、世の人々が、主の聖会を軽んずるとき、*われらは一層聖会の忠実なる子たらんと励み奉る。

やりにて貫かれたる聖心よ、世の人々が、主の代理者たる教皇を迫害するとき、*われらは一層かれを信頼し、かれのために祈らんと決心し奉る。
祈願。 至聖なるイエズスの聖心よ、われらをして、この世においては聖心の使徒として励ましめ、天においては主の御栄えとならしめんため、われらに聖寵を降し、われらの弱さを強め給え。*アーメン。

すべての人の心の王たるキリストに向う祈

主イエズス・キリストよ、われは主を宇宙の王と認め奉る。*一切の造られしものはみな主のためなれば、願わくはわが上に主のすべての権能を行使し給え。われここに洗礼の約束を新たにし、悪魔とその業とその栄華とを棄て、よき信者として活くることを誓い、特に天主と、主の公教会との権利が勝利を得んために、わが力の及ぶ限り尽さんことを約束し奉る。イエズスの聖心よ、われはすべての人の心が主の聖なる主権を認め奉り、主の平和の支配が全世界に及ぶを得んがために、わが貧しき業をことごとく献げ奉る。アーメン。

イエズスの聖心に人類を献げ奉る祈

人類のあがない主にましますいとも甘美なるイエズスよ、うやうやしく主の祭壇のもとにひれ伏し奉るわれらを顧み給え。*われらは主のものなり。また主のものたらんと欲す。されどもなお固く主と一致するを得んため、いまおのおの進んで、至聖なる聖心に身を献げ奉る。人々のうちにはいまだ主を知らざるもの多く、また主の御戒めを軽んじて主を棄て奉りしもの多し。いとも慈悲深きイエズスよ、これらの者を皆あわれみ給いて、ことごとく主の聖心に引き寄せ給え。主よ、こいねがわくは、かつて主を遠ざかりしことなき信者に王たるのみならず、主を離れ奉りたる者にも王たり給え。かれらをして困苦と飢餓とに滅ぶるを免れしめんために、早く父の家に帰らしめ給え。異説に迷わされしもの、あるいは不和のために主を離れしものにも王たり給え。かれらをして、真理の港と信仰の一致とに帰らしめ、やがて一人の牧者、一つの群となるを得しめ給え。
主よ、主の公教会には無事と安全なる自由とを賜い、万民には秩序ある平安を賜いて、地の両極の間に、一つの声のなり渡るを得しめ給え。すなわちわれらに救かりを与え給う天主なる聖心の讃美せられ、世々に栄えと尊崇とあらせ給えかし。アーメン。

オ・サルタリス

ああ救霊のいけにえ、
天つ御国の門を開き給う御者よ、

われらの敵は戦いをいどむが故に、
われらに力と助けを与え給え。
三位一体の天主に、
世々に栄えあらんことを。
また願わくは終りなき命を、
天つふるさとにおいて与え給わんことを。アーメン

アヴェ・ヴェールム

めでたし、童貞マリアより生まれ給いしまことの御体よ、
げに人のために苦しみを受け、十字架の上にていけにえとなり給いし御者よ、
御脇腹はさし貫かれ、水と血とを流し給えり。
願わくは臨終の戦いに当りて、あらかじめわれらに天国の幸いを味わしめ給え。
ああ甘美なるイエズス、
慈悲深きイエズス、

マリアの御子なるイエズスよ。アーメン。

パンジェ・リングワ

いざ歌えわが舌よ、
栄えある御体の奥義と、
尊き御母の御子、万民の王の、
世のあがないのために流し給える尊き御血の奥義をば。

主は汚れなき童貞より生まれ出でてわれらに与えられ、

御教えの種をまきつつこの世をわたり、
くすしき御恵みを与えてこれを終り給いぬ。

すなわち最後のばんさんの夜に当りて、主は兄弟らと共に食卓をかこみ、
旧約の則にしたがいて過越を食し、
このとき、御手ずから御身を十二使徒に分ち給えり。

ひととなり給える御言葉はまことのパンを御肉となし、ブドウ酒はじつに 御血と変れり。五感はこれを測り得ざれども、まことなる心は信仰のみによりて 固く信ずるなり。

かくも尊き秘蹟をば、われら伏して拝み奉らん。

いにしえの式は過ぎ去りて新しき祭りはなれり。
願わくは信仰の、わが五感の足らざるところを補えよかし。
御父と御子に、誉れと喜び、
礼拝と御栄え、力と祝福あれ、
二位より出で給う聖霊もまた共にたたえられよかし。アーメン。

聖母の御保護を求むる祈(聖ベルナルド):

慈悲深き童貞マリア、*御保護によりすがりて御助けを求め、あえて御取次を願える者、一人として棄てられこと、いにしえより今にいたるまで、世に聞こえざるを思い給え。ああ童貞中の童貞なる御母、われこれによりて頼もしく思いて走せ来り、罪人の身をもって、御前になげき奉る。ああ御言葉の御母、わが祈りを軽んじ給わず、御あわれみをたれて、これを聴き給え、これを聴き容れ給え。アーメン。

聖母に一切を託する祈(聖アロイジオ):

我が元后、童貞聖マリア、われは、御身の尊き御保護と、特別なる御守護とのもとに我が身を置き、今日、毎日、また臨終の時、わが霊魂と肉身とを、あわれみ深き御手のうちに託せ奉る。われはわが一切の希望と喜び、困難と悲しみ、一生と最後とを御身に献げ奉る。御身の御取次と御勲とによりて、われらのすべての仕業が、御身と御子との御旨に添うよう導き給わんことを願い奉る。アーメン。

聖母の汚れなき御心に日本を捧ぐる祈:(1945年8月15日、日本敗戦の日は聖母被昇天の祭日。このとき日本司教団が一致して、聖母の汚れなき御心に日本を捧げることを決議した)

 いと潔きあわれみの御母、平和の元后なる聖マリアよ、われらは聖なる教会の導きに従い、今日、日本および日本国民を御身の汚れなき御心に奉献し、そのすべてを御身の保護に委ね奉らんと欲す。
*願わくは聖母、慈しみの御まなざしもてわれらの心をみそなわし給え。
ああ、人々真理にうとく、その心くらみ、罪の汚れに染み、諸国はまた互いに分かれて相争い、天主の霊威を傷つけ、御身の御心を悲しませ参らするなり。
*されどわれら日本国民は、ひたすらに光をしたい、平和をこいねがうものなれば、願わくは聖母、御あわれみの御心をひらきて、われらの願いを聞き給え。われら今、この世のすべての苦しみ、悩みを雄々しく堪え忍び、そを世の罪の償いとして、天主に捧げ、その御怒りをなだめ奉り、わけても御身の汚れなき御心にならいて、主の御旨を重んじ、身を清く持して、聖なる一生を送らんと決心す。
願わくは聖母、力ある御手をのべて、われらの弱きを助け給え。
 かくて、われらは同胞、相互にたすけはげまし、諸国は正義と愛のきずなもて結ばれ、もって世界は、とこしなえに平和を楽しむにいたらんことを望む。

 *願わくは、御身、慈母の愛もてわれらを護り給え。

 天主の聖母、われらのために祈り給え。
 *キリストの御約束にわれらをかなわしめ給え。
 祈願 全能永遠なる天主、主は童貞聖マリアの御心のうちに聖霊のいみじき御宿をしつらえ給いたるにより、願わくは、御あわれみをたれて、かの汚れなき聖母の御心に日本を捧げ奉りたるわれらをして、主の聖心にそいて生くるを得しめ給え。われらの主キリストによりて願い奉る。*アーメン。

聖マリアに身を捧ぐる祈

 天主の御母にしてわれらの母なる童貞聖マリアよ、御身は造られしもののうちにてたぐいなく、かつ善徳の鑑みにましませばわれ御膝下にひれ伏して、御身が天主より恵まれ給いしを讃美し、謹みてわが身を献げ奉る。*なお諸天使・諸聖人の、常に尽せる敬いと愛とを献げんと欲すれども能わざれば、せめて力のあらん限り讃美し、かつ仕えまつらんと欲し、守護の天使、諸聖人の前にて、一心に尊み敬い、わが慈しみ深き母、わが元后、わが保護者と仰ぎ頼み、わが肉身と五感、わが霊魂と知恵、ならびにわが愛情、わが生命をも託せ奉る。われ終生、聖母の子たるを楽しみ、聖母のしもべたるを高き位よりも重んじ、御名をほめ、御恵みを人に顕わし、ひとえに仕え奉らん。願わくはこの志しをあわれみて、これを 果たすを得しめ給え。聖母は絶えずわれらを思いて、恵みを与えんと計り給えば、われ、いかで一日もこれを忘るるを得んや。ああ聖母、われを守り給わばわれに足らざるところなからん。故にこの涙の谷より、御助けをひとえに仰ぎ奉る。

 ああ聖母よ、悪しきへびあり、絶えず謀計をめぐらしてわれを傷つけ害わんとす。*御身はかのへびの強くして、わが弱きことをよく知り給えば、いつにても、いずこにても、われを棄て給わず、御足もて、かれが頭を踏み砕き給え。ああ聖母よ、浮き世の波風は常に吹き荒みて、われを漂わし沈めんとす。御身は海路(うみじ)の難(かと)うして、我が危うきをはるかに見給えば、こいねがわくは希望の星となり、終りなき安楽の港に、われを導き給え。ついに諸聖人と共に、限りなく御名をほめ、御恵みを謝し、共に天主を愛し、かつ讃美するを得しめ 給わんことを、聖母の御慈しみによりて願い奉る。アーメン。

めでたし、海の星

めでたし 海の星なる君、
幸いなる天の門、
至高なる主の
とこしえに処女なる御母。

ああ はるかなる過ぎし日に、

天使ガブリエルののたまいし、
エヴァの名転ぜしアヴェにより、

下界に平和を建て給いぬ。

砕き給え 捕われ人の足かせを、
注ぎ給え 光を盲いたる眼に、
われらのすべての病を追い払い、
あらゆる至福を懇願し給え。

示し給え 御身が母なるを、

捧げ給え 彼にわれらの嘆息を、
御身を軽んずることなく
われらのために人となり給いし彼に。

すべての処女の中の処女よ、
導き給え われらを
御身のかくれ家に、
やさしき者達の中の最もやさしき者、
われらを純潔にしてやさしき者となし給え。

助け給え われらのか弱き努力を、
われらなお旅路にある故に。
至高なる天において
御身とイエズスとともに

われらが永遠に喜ぶその日まで。

全能の聖三位、
聖父、聖子、聖霊に、
唯一にして同一の光栄あらんことを。

アーメン。

暁(あけ)の星なる聖母に対する祈

 ああ輝ける暁の星なる聖マリアよ、御身はかつてさきがけとして地上に現われ、正義と真理との太陽なるイエズスの御出現近きを示し給いしものなれば、願わくは、御身の温和なる光をもって日本国民を照らし、速かにかれらの心の暗(やみ)をひらきて、永遠の光明なる御子、われらの主イエズス・キリストを正しく認むるにいたらしめ給え。アーメン。

めでたし元后(サルヴェ・レジナ)

めでたし元后、あわれみ深き御母、
われらの命、慰め、望みよ、めでたし、
われら、さすらいのエワの子ら御身に向かいて呼ばわり、
御身に向かいて泣き叫ぶ。

この涙の谷にて、いざ
われらの代願者よ、憐れみの御目にて
われらを顧み給え。
また御胎内の祝せられた御子イエズスを

このさすらいの後われらに示し給え。
おお、寛容、おお、仁慈、
おお、甘美なるおとめマリアよ。

聖会の保護者なる聖ヨゼフに向う祈

 幸いなるヨゼフよ、われら困難のうちに御身によりすがり、かつ御身のいと尊き浄配の助けを求めたれば、また御身の御保護をも頼もしく願い奉る。*御身は天主の聖母なる汚れなき童貞と結ばれたるいつくしみあり、幼きイエズスに尽したる父の愛あれば、またイエズス・キリストが、その御血をもってあがない得たまえる家督を、一層あわれみて顧み、かつすべてわれらの急に迫れる時、助力と救援とを下し給わんことを、伏して願い奉る。
聖家族のいと忠実なる守護者よ、イエズス・キリストの選ばれたる末を守り給え。*慈しみ深き父よ、われらのために、すべての誤りと腐敗との伝染を防ぎ給え。いと強き保護者よ、われらが暗(やみ)の権威と戦うをあわれみて、天より助けをたれ給え、また昔幼きイエズスを、生命の危険より救いし如く、今も公教会を守りて、敵のわなと、すべての困難とを免れしめ給え。かつ常にわれらをことごとく保護し、われらをして御身にならわしめ、御助けによりて、聖なる一生を送り、信心をもって死し、天国の永遠なる福楽にいたることを得しめ給え。アーメン。

聖ヨゼフに向いて貞徳を求むる祈

童貞者の父かつ保護者なる聖ヨゼフ、*御身は純潔そのものにましますイエズスと、童貞中の童貞にまします聖マリアとの、忠実なる守護者と選ばれ給えり。願わくは、御身に託せられたる最愛のイエズスとマリアとによりて、われをしてすべての汚れを免れしめ、精神も、心も、身体も、清浄潔白にして、完全なる貞潔を保ちながら、絶えずイエズスとマリアに仕えしめ給わんことを、ひたすらこいねがい奉る。

大天使聖ミカエルに向う祈

 天軍の栄えある総帥、大天使聖ミカエルよ、かつて悪魔の大軍が、全能なる天主に反(そむ)きし時、御身は『たれか天主にしくものあらん』と叫び、あまたの天使を率いてかれらを地獄のふちに追い落とし給えり。故に公教会は御身をその保護者となし、特に日本公教会は、御身をその守護者と崇め奉る。*願わくは霊戦に当りてわれらを助け、悪魔を退け給え。われらをして御身にならいて、常に天主に忠実ならしめ、その御旨を尊み、その御戒めを守るを得しめ給え。かくしてわれら相共に天国において、天主の御栄えを仰ぐにいたらんことを。御身の御取次によりて天主に願い奉る。アーメン。

守護の天使に向う祈

わが守護の天使、御身は天主の御摂理によりて、わが終生の友となり給えり。御身の尊き御保護と、絶えざる御導きとを感謝し奉る。*願わくは、御身の強き御翼もて弱きわが霊魂を覆い危険を免れしめ給え。苦しみに会うとも落胆することなく、幸福においても思いあがることなく、世俗とその精神に流さるることなく、貧しき人をないがしろにすることなく、主の御慈しみにより、御身にゆだねられたる我が一生が、すべて御身の喜びとなるよう、われを導き、われを励まし、われを強め給え。われを離れず、わが足のつまずかざらんよう、清き御手もてわれを支え、われを守り給え。アーメン。

天使の保護を求むる祈

ああ天主、主はくすしき階級を立てて天使と人との聖役を分ち給えり。願わくは天において主の御前に仕うる天使をして、地上におけるわれらを守らしめ給わんことを。われらの主キリストによりて願い奉る。アーメン。 

聖ペトロと聖パウロとに対する祈(6月29日):

主イエズス・キリスト、主はよろずの人の救霊のため公教会を建て、聖ペトロを頭と選びこれに天国のかぎを与え給えり。また聖パウロを改心せしめて、異邦人の使徒と選び給いき。*願わくはわれらも両聖使徒の御教えを守り、天主を愛し、主の浄配なる公教会に従い、その頭なる教皇と一致し、正しき信仰を守るを得んことをひたすらこいねがい奉る。アーメン。

日本二十六聖殉教者の信仰を求むる祈(2月5日):

主イエズス・キリスト、主は十字架の刑によりて、聖ペトロ・バプチスタ、聖パウロ三木、およびその他の殉教者をして、主の御鑑みにならわしめ、日本国民の信仰の初穂として、かれらの鮮血を納め給えり。*願わくは、二十六聖殉教者の御取次によりて、堅固なる信仰と迫害に堪うる勇気とをわれらに得しめ給え。アーメン。

聖アンナに対する祈(7月26日):

全能永遠の天主、主は人類を救わんために聖マリアの御胎内に御独り子を託身せらるるに当り、聖マリアの御母として聖女アンナを選び給えり。*キリスト信者なるわれらは、聖アンナの慈しみあふれたる清き御生活を家庭の模範となし、聖女がその御子なる聖母を養い育て給いし如く、母たるものはまことの母性愛をもって子女を育て得るよう、聖女のあつき御保護を祈り奉る。アーメン。

聖フランシスコ・ザベリオにならいて善徳を求むる祈(12月3日):

ああ天主、主は聖フランシスコ・ザベリオの奇蹟と聖役とによりて、わが同胞に主の御教えを伝え給えり。*願わくは、その栄えある功徳を讃うるわれらをして、その善徳を学ばしめ給え。われらの主キリストによりて願い奉る。アーメン。

幼きイエズスの聖テレジアの精神を求むる祈(10月3日):

主イエズス・キリスト、主はかつて、なんじらもし幼児の如くならざれば、天国に入ること能わざるべしとのたまえり。*さればわれらをして、けんそんのと単純なる心とをもって、聖テレジアの跡を慕わしめ、天国の永福を受くるを得しめ給わんことを、主の御慈しみによりて願い奉る。アーメン。

種々の祈

教皇のためにする祈

 われらの教皇ヨハネ・パウロ二世のために祈らん。*主願わくは、教皇を守り、かつながらえ しめ、この世において幸いならしめ、敵の手にわたし給わざらんことを。
汝は岩(ペトロ)なり。*われこの岩(いわお)の上にわが教会を建てん。
 祈願 すべての信者の牧者、かつ主宰者にますます天主、主は御摂理によりて主のしもべなるヨハネ・パウロ二世を教会の牧者として、これを司どらしめ給えり。願わくは教皇の上に御慈悲をたれ、その教訓と模範とによりて、すべての信者をますます善徳に進ましめ、委ねられたる群と共に、永遠の生命にいたるを得しめ給え。われらの主キリストによりて願い奉る。*アーメン。

父母のためにする祈

天にましますわれらの父よ、*主はわれらに父母を敬うべしと命じ給い、これを愛せしめ、これに仕えしめ、そのために祈らしめ、子たるの道を尽さしめ給う。父母はわれを生み、かつ育てんがために、苦労、困難をしのぎたれば、われをしてこれに報ゆるを得しめ給え。願わくは、その霊魂と肉身とを助けて、永く生きながらえしめ、主がいにしえの太祖に約束し給いしあまたの御恵みを、かれらにも与え給え。しかしてこの世においては、みずから善業の功徳を積み、かつ子孫の徳行を見て喜びたる後、ついには子々孫々と共に、永遠に主の御前に楽しむことを得しめ給え。アーメン。

子女のためにする祈

天にますますわれらの父よ、*われは主の御恵みによりて賜わりたるこの子女を、慎みて主の御保護のもとに託(まか)せ奉る。願わくは御みずからかれらの父となり給え。われらの愛子が世の腐敗に勝ち、内外の悪しきいざないを防がんために、御慈悲をもって、かれらを強め、悪魔の謀計より救い給え。なおその心に聖寵を注ぎ、聖霊の賜物を与え給いて、イエズス・キリストを認め愛せしめ、日々御旨に適わしめ、この世においては、熱心に主に仕え、後の世においては、主の御前に喜ぶを得しめ給わんことを、われらの主イエズス・キリストによりて願い奉る。アーメン。

聖家族に対しておのが家族のためにする祈

慈悲深きイエズス、主は、この世において選び給いし聖家族をもって、妙なる善徳と家庭生活の鑑みとを示し給えり。いま主の御前にひれ伏して御あわれみを願い奉るわれらの家族を顧み給え。 *われらは特におのれを主に献げ、かつ委せ奉りたれば、いつも主のものなるをおぼえ給え。願わくは、御慈悲をもってわれらを守り、必要の時にわれらを助け、絶えず主の聖家族の御徳にならわしめ給え。かくて常に主を敬い愛し奉り、ついには天国において、永遠に主を讃美するを得しめ給え。
いとも甘美なる聖母マリア、*われらは御独り子が、必ず御身の祈りを聞き容れ給うべきを固く信じ、ひとえに御助けをこいねがい奉る。
いと幸いなる聖祖ヨゼフ、*御身の御保護をもってわれらを助け、かつ聖母と共にわれらの願いを、イエズス・キリストに取次ぎ給え。アーメン。

御召を求むる祈

主イエズスよ、主はかつて使徒たちに向いて「穫り入れは多けれども働く者は少なし。故に働く者をその穫り入れに遣わさんことを、獲り入れ主なる御父に祈れ」と宣えり。

*願わくはわれらのうちより、司祭または修道者となりて働く多くの人々を選びて、主の公教会に遣わし給わんことを、われらの母なる童貞聖マリアの御取次によりてこいねがい奉る。アーメン。

使徒の元后、*われらのために祈り給え。

司祭のための祈

 永遠の司祭にましますイエズスよ、願わくは主の聖心(みこころ)を御身のしもべなる 司祭らの避難所となし給え。かしこにては何人(なにびと)もかれらを害うこと能わず。
 *願わくは日々御身の尊き御体に触るる司祭らの手を潔く保ち給え。御身の尊き御血に染まる くちびるを汚れなく護り給え。
 願わくは御身の輝かしき司祭職のいみじき印もて、しるされし司祭の心を清く汚れなく 護り給え。御身の尊き愛もてかれらを護り、世の悪習を免れしめ給え。

 願わくは豊かなる御恵みの果実もてかれらの働きを祝し、かれらに委ねられし霊魂は、 地上にてはかれらの喜び、慰めとなり、天上にては永遠に輝やけるかれらの冠とならんことを。 アーメン。

 

洗礼志願者のための祈

全能永遠にまします天主、*主は公教会に絶え間なく新しき子らを与え給うにより、願わくはわれらの志願者が、洗礼の水によりて新たに生まれ、主の愛子のうちに加えられんため、かれらの信仰の知識を増し給わんことを、われらの主イエズス・キリストによりてこいねがい奉る。アーメン

不信者の改心を求むる祈(聖フランシスコ・ザベリオ):

万物の創造主にまします永遠の天主、不信者の霊魂も主に造られ、主に象られしものなることを顧み給え。御子イエズスもかれらを救わんために、いといたましき死をとげ給いしを思い、御子が不信者に軽んぜらるるを許し給わざれ。かえって諸聖人及び御子の浄配なる公教会の祈りを容れ、御あわれみによりてかれらの偶像崇拝と不信仰とを忘れ給い、いつかはかれらをして、御身の遣わし給いし主イエズス・キリストを知るにいたらしめ給え。キリストはわれらの救いと生命と復活とにましまし、われらはキリストによりて救い助けられたり。*願わくは、よろずよにいたるまでキリストに栄えあらんことを。アーメン。

洗礼の約束を新たにする祈

人は洗礼によって原罪と自罪との赦しを受け、新たに生まれて天主の子となる。故に受洗日は、霊的誕生の祝日であるから、悔しゅん、聖体の両秘蹟を受けて、天主からいただいた御恵みを感謝すべきである。洗礼の時天主と結んだ約束を思い出して、時おり次の祈りを唱えるがよい。

ああ天主、われ、いま御前にひれ伏してうやうやしく主を礼拝し奉る。*主は限りなき御慈しみによりてわれを造り、かつながらえしめ給えり。されどたとい世にながらうとも、救かりを得ざれば、何の益かあらん。されば御子イエズス・キリストをこの世に遣わし給いて、救霊の道を備え、洗礼の秘蹟を定め、天国の門を開き、われを召し給いしを深く感謝し奉る。
われはあまたの人のうちより選ばれて、天主の子、イエズス・キリストの兄弟となり、天国の幸いを受くべき身となれり。*あああわれみ深き天主、われいかにして、かくの如き御恵みに報ゆるを得んや。われ足らざるを顧みて、イエズス・キリストの限りなき御功徳を、うやうやしく御前に献げ奉る。願わくはこれを受け入れ給え。
天にまします御父よ、われは洗礼を受けし時、悪魔とその業とその栄華とをことごとく棄て、天地の創造主なる御父を信じ、われらのために苦難を受け給いし御子イエズスを信じ、聖霊と聖なる公教会を信じて、主にまことを尽さんと約束し奉り、主はわれに終りなき命を与えんと約束し給えり。*幸いに、主はわれに天国の家督を継ぐを許し給えば、われいま御前にひれ伏し、諸天使、諸聖人の前にて洗礼の約束を新たにし、悪魔とその業なる罪と、栄華とを全く棄て、命のあらん限り、三位一体の天主を堅く信じて、忠実に主に仕え、万事に超えて主を愛し、主の御ために、人をも愛せんことを約束し奉る。願わくはこの新たなる決心を保たしめ、主の約束し給いたる天国の永福を得しめ給え。アーメン。

救霊に係わるすべての恵みを求むる祈(教皇クレメンス十一世)

主よ、われは信ず、されどさらに固く信ぜしめ給え。主よ、われは望む、されどさらに安心もて望ましめ給え。主よ、われは愛す、されどさらに熱く愛せしめ給え。主よ、われは痛悔す、されどさらに深く悔ましめ給え。
*われはわが本源として主を拝み、わが最終の目的として主を求め、わが絶えざる恩者として主を讃美し、わがあわれみ深き保護者として主によりすがり奉る。主よ、願わくはわれをえいちもて導き、正義もて抑え、あわれみもて慰め、全能もて守り給え。

ああ天主、われはわが思いを、主を思わんがために、わが言葉を、主を語らんがために、わが行いを、御旨を行わんがために、わが苦しみを、主と共に苦しまんがために、主に献げ奉る。
主が欲し給うことは、欲し給うが故に、欲し給う如く、欲し給うかぎり、われも欲し奉る。
主よ、願わくは、わが知恵を照らし、心を燃やし、肉身を潔くし、霊魂を聖ならしめ給え。
願わくは、すでに犯したる罪を嘆き、来るべき誘惑を遠ざけ、悪しき傾きをため、ふさわしき徳を行わしめ給え。

至善なる天主、願わくは、主に対しては愛を、おのが悪徳に対しては憎しみを、他人に対しては熱意を、悪しきこの世に対してはさげすみを与え給え。
願わくは、われをして上長に従い、目下を助け、友に尽し、敵を赦さしめ給え。
願わくは、苦業もて邪慾に、施しもて貪慾に、柔和もて憤怒に、熱心もて冷淡に打ち勝たしめ給え。
主よ、願わくは、事を計るに際しては賢明、危険に際しては剛勇、困難に際しては堅忍、成功に際してはけんそんならしめ給え。
主よ、祈る時には慎み、食事の時には節制を守り、職務を果す時には勉励し、善き決心を守る時には確固不動ならしめ給え。

願わくは、われをして心を潔くし、身を慎み、談話もて鑑みとなり、行いを正しからしめ給え。
願わくは、私慾を制し、聖寵に従い、御戒めを守り、救霊のために心を用いしめ給え。
わが主よ、地上のものはいかに小さく、天上のものはいかに大いなるかを、現世のものはいかに短く、来世のものはいかに長きかを、われに悟らしめ給え。

主よ、願わくは死の準備をなし、主の御裁きを恐れ、地獄を免れ、天国を得るの御恵みを与え給え。
われらの主キリストによりて。アーメン。

完全なる痛悔の祈

全能永遠の天主、われは御戒めを破れる身にて功も徳もなき者なれども、限りなき御あわれみに依り頼み、諸悪のほだしに引かれながらあえて御前に進み奉る。*主は永遠にして至大なる天主、窮りなき善徳の源にて、われらに与え給う御恵みは、まことに限りなきにより、万事に超えて深く主を愛し、頼もしく思い奉るべきに、かえってさまざまの罪を犯して主に背きたれば、いまさら、御赦しを願い出ずべき身にあらざるなり。されど主の御あわれみはわが罪の深きよりもなお深く、御子イエズスの流し給いし御血の功徳は、わが罪の大いなるよりも、さらに大いなることを知れり。主は、罪人なりとも、罪を悔い改めなば、いつにても赦し給うと宣いしにより、こいねがわくは、わが罪を赦し給え。わが犯したる罪を、かく心の底より悔みて告白し奉るは、あえて来世の苦しみを恐るるゆえにあらず、ひとえに御慈しみに感じ、栄えと善徳との限りなき主に背きしを悲しみ痛めばなり。故にわれ今より心を改め、重ねて罪を犯して、再び御心に背くまじと決心し奉る。我は罪人なれど、幸いに御あわれみをもって顧み給え。わが罪の償いとして、御苦難の限りなき御功徳を献げ奉る。願わくは、御恵みを下し、われを主の愛子のうちに加え給え。聖母マリアの御取次により、わがこの願いを聞き容れ給え。アーメン。

信仰の一致を求むる祈

(1月18日より25日迄、信仰の一致の祈願週間中に唱える)

わが祈るは、かれらがことごとく一にならんためなり。父よ、これ御身のわれにましまし、わが御身に居るが如く、かれらもわれらに居りて一ならんためにして、御身のわれを遣わし給いしことを世に信ぜしめんとてなり。(ヨハネ17,20,21)
われ、なんじに告ぐ、なんじは岩(ペトロ)なり。
*われこの岩(いわお)の上にわが教会を建てん。
祈願 主イエズス・キリスト、主は使徒たちに向い、「われは平安をなんじらに残し、わが平安をなんじらに与う」と宣えり。願わくはわれらの罪を思い給わずして、主の公教会の信仰をみそなわし給え。主の思召(おぼしめし)に従いて、公教会に平和と一致とを与え給わんことを、世々に生きかつしろしめし給う天主に祈り奉る。*アーメン。

幼児を献ぐる祈

(母親が産後に始めて幼児と共に聖堂に参拝する時唱える)

生命の源にまします天主、われは主の賜いたるこの幼児(おさなご)と共に始めて主の御前に出で、われは聖母マリアが幼きイエズスを聖殿に献げ給いしにならいて、無事に生まれしこの幼児を、感謝しつつ主に献げ奉る。主よ、今より後、主より委ねられしものとしてこの幼児を養い育て得るよう、われを助け給え。願わくはあつき信仰の御恵みにより、いつの日にかわれら親子も相共に天国において永遠に主を讃美するを得んことを、聖母の御取次によりてこいねがい奉る。アーメン。

よき収穫を願う祈

願わくは地の百穀を与え、かつこれを保たしめ給わんことを。*主われらに聞き給え。
祈願 人類を造り、かつ日々の糧もてこれを保ち給う全能の天主、われらの田畑と生え出る(いずる)その五穀とを祝し給え。願わくはこうずいとかんばつ、害虫と枯死病など、すべての災害より防ぎ、よき収穫を恵み給え。またわが家を護りわが働きを祝し、日々安らかに主に仕え、常に主の御国とその義とを第一に求むるよう、われらを導き給え。*アーメン。

死を甘んじ受くる祈

(告白し聖体を拝領した日、この祈りを唱えれば、臨終の時全贖宥をこうむる。)

主、わが天主、われは今日より主の定め給ういかなる死をも、そのもだえ、痛み、苦しみと共に、あらかじめことごとく主の御手より安らかに甘んじ受け奉る。

病者のための祈

病人の快復を求むる祈

ああイエズスよ、主はかつてこの世にましませし時、主を信頼し奉る者に対して、常に御あわれみと御力とを現し、その悩みを除き、憂いを慰め、病いをいやし給えり。*主はいつも御あわれみに充ち給うが故に、『主よ、御身の愛し給う者病めり』と叫び奉るわれらの祈りを聴き給い、思召しならば、全能の御手をこの病人の上に延べ、その健康を快復せしめ給え。
われら罪人なれども、病人の快復なる聖母マリアの御取次によりて、この切なる祈りを主に献げ奉る。アーメン。

死に臨める人々のためにする祈

ああ天主、われは今日全世界に行わるるすべてのミサ聖祭を、今日死すべき人々のため、特に献げ奉る。*願わくは救世主イエズスの尊き御血の功徳によりて、かれらに御慈悲をこうむらしめ給わんことを。アーメン。

病中忍耐の徳を求むる祈

完徳の鑑みにましますイエズス、われ病床にありて、ゲッセマニにおける主にならい、『思召のままになれかし』と御父に祈らんと欲す。願わくはわれをして主の御忍耐に学ばしめ給え。主はわれらを愛していかなる苦難をも、十字架をもいとい給わざりしが故に、われもまた主の愛の故に、すべての苦悩を甘んじ受くるを得しめ給え。主は御受難と御死去とによりて、われらの罪を償い給いしが故に、われもまた、わが犯したる罪の償いとして、この病苦を忍ばしめ給え。不満と失望に陥ることなく、かえって苦痛を忍びて永遠の生命を受くる勲を樹てしめ給え。またかつて主が御霊魂を御父の御手に委ね給いし如く、われをして臨終の時、わが霊魂を主の御手に委せ奉ることを得しめ給え。アーメン。

終油の秘蹟を受くる前の祈

ああ天主、主はきわめてまことなる御者にましませば、われ深く主を信じ奉る。いたって善なる御者にましませば、われ厚く主を頼み奉る。限りなく愛すべき御者にましませば、われ心を尽して主を愛し奉る。主のいともきらい給う罪を犯して主に背き、あわれみ深きイエズスを十字架にはりつけまいらせたるを、心の底より悔み奉る。天にましますわが父よ、われ心より人に赦す如く、わが罪を赦し給え。
われはこの病いの苦しみを尊き救世主の御苦難に合わせて、わが数々の罪の償いとしてこれを堪え忍ばんと決心し奉る。願わくは御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。
主よ、わがまさに受けんとする終油の秘蹟によりて、わが罪のあとを除き、悪魔の誘惑よりわれを護り、われを強めて邪慾に勝たしめ給え。かくて、もし主の思召しならば、われを快復せしめ給い、然らざればわれによき終りをとぐる御恵みを与え給え。アーメン。

終油の秘蹟を受けたる後の祈

いと慈しみ深きイエズスよ、主は終油の秘蹟によりて、病苦を軽くし、罪のあとを除き、誘惑に勝つ御恵みを与えんと約束し給いたれば、われ、いま、この大いなる御恵みを賜わりたることを、主に深く感謝し奉る。
願わくは、われをして息絶ゆるまで聖寵を保たしめ給え。われはわが身と霊魂とを主に委せ奉る。御旨のままに計らい給え。アーメン。

重病人のためにする祈

臨終の時の心得 救霊を得るか否かは、臨終における霊魂の状態いかんに由る。それであるから臨終に際しては信望愛の心を起し、まごころから罪を痛悔せねばならない。さらに信者は悔しゅん、聖体、終油の秘蹟を授かるよう努めなければならない。また他人の臨終に当っても右同様の覚悟をさせる必要がある。司祭が不在で秘蹟を受けられない時は、病人は必ず完全な痛悔を起さねばならない。臨終に際して心から罪を痛悔し、イエズスの御名を唱えれば(口で唱え得ぬ時は心の中に唱えても)全贖宥が得られる。

臨終の祈

病人に十字架があればこれを抱かせ、あるいはこれを持たせて次のように祈る。

+聖父と聖子と聖霊との御名によりて。アーメン。

ああ天主、われうやうやしく三位一体にまします御身を礼拝し、イエズス・キリストの定め給える公教会の教えをことごとく信じ奉る。
御子イエズス・キリストはわれらのために生まれ、十字架にくぎ付けにせられて死し給えり。願わくはその御苦難と御血の功徳とをもってわが罪を赦し、天国の終りなき命を与え給え。汚れなき聖マリアおよび諸聖人の御取次によりて願い奉る。
ああ天主、わが一生を通じてわれに与え給えるあまたの御恵みを感謝し奉る。主はわれを造り給いしのみならず、われを救わんがために御子イエズス・キリストをこの世に遣わし給えり。かくて天主なる救世主はわが罪を償わんがために、三十三年の間この世に止まり給い、あらゆる苦しみをしのぎ、わが霊魂の糧として聖体の秘蹟を定め、天国の終りなき喜びを与えんと約束し、ついに十字架にくぎ付けにせられて死し給えり。われはかくの如き主の御慈しみに報い奉らんがため、諸天使諸聖人の主を敬い愛するが如く、万事に超えて心の底より主を愛し奉る。
われは罪を犯せしをもって天主に棄てられ、終わりなき苦しみを受くべき身なれども、一心に悔みて御あわれみを請い奉る。わが罪はいかに重くとも、主の御わわれみはさらに深く、イエズス・キリストの御血の功徳はさらにすぐれたれば、ひとえに御赦しを願い奉る。我がしばしば御父に背き、イエズス・キリストを十字架にくぎ付けにし奉りたるを赦し給え。

ああ天主、わが痛みも苦しみも、悲しみも、ことごとくイエズス・キリストの御苦難と合わせて罪の償いとしてこれを献げ、謹みてわが身とわが命とを御手に託せ奉る。されどもし御あわれみによりて快復することを得ば、ますます力を尽して主に仕えんと決心し奉る。アーメン。

あわれみ深き御母にまします聖マリア、われを敵より護り、最後の時にわれを受け取り給え。
聖ヨゼフ、御身の浄配聖マリアと共にわがために祈り、われをして天主の御あわれみのうちに入ることを得しめ給え。
右の祈りのほか左の射祷をも任意に随時繰りかえし唱えるがよい。
・ああ天主、広大なる御あわれみをもってわれをあわれみ給え。
・救世主イエズス・キリスト、われは主に依り頼みたれば、永遠に恐るることあらじ。
・ああ天主、わが霊魂を御手に託せ奉る。
・いとも柔和なるイエズス、御苦難の功徳によりて、われを善人のうちに加え給え。

・主イエズス・キリスト、わが霊魂を天国に導き給え。
・わが守護の天使、われを護り給え。

・天国の諸聖人、わがために祈りてわれを助け給え。

最終の祈

[いよいよ最後に当っては親族、友人らは病床近くにひざまずいて、熱心に病人のために祈る。たとえ病人が唱えることができなくとも次の射祷を繰り返し聴かせる。]
主よ、御手のうちにわが霊魂を委せ奉る。

主イエズス・キリスト、わが霊魂を受け取り給え。
聖マリア、わがために祈り給え。
あわれみ深き御母聖マリア、われをあだより守り、最後の時にわれを受け取り給え。

聖ヨゼフ、わがために祈り給え。
聖ヨゼフ、御身の浄配聖マリアと共に、わがために祈り、われをして天主の御あわれみのうちに入ることを得しめ給え。
イエズス、マリア、ヨゼフ、心と霊魂とを御手に託せ奉る。
イエズス、マリア、ヨゼフ、臨終のもだえの時に、われを助け給え。
イエズス、マリア、ヨゼフ、御保護のもとに安らかに息絶ゆるを得しめ給え。

死者のための祈

霊魂肉身を離れたる後の祈

天主の聖人は来りてかれを助け、主の天使は出でてかれを迎え、かれの霊魂を受け取りていと高きにまします天主の御前に献げ給わんことを。かれの招き給えるキリストはかれを受け取り、天使は天国にかれを導き給わんことを。

主の天使はかれの霊魂を受け取りていと高きにまします天主の御前に献げ給え。*主よ、永遠の安息をかれに与え、絶えざる光を彼の上に照らし給え。
主あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。
主あわれみ給え。

主祷文

主よ、永遠の安息をかれに与え、*絶えざる光をかれの上に照らし給え。
かれの安らかに憩わんことを。*アーメン。
主よ、わが祈りを聴き容れ給え。*わが叫びを御前にいたらしめ給え。
祈願 主よ、世を去りたるこの霊魂を主の御手に委せ奉る。かれが世にありし間、弱きによりて犯したる罪を、大いなる御あわれみもて赦し給え。われらの主キリストによりて願い奉る。アーメン。

右の祈りが終ってから、遺がいを仰向に寝かせて胸の上に手を組ませ、十字架あるいはロザリオがあればこれを手に持たせる。側の台の上に十字架を置き、ろうそくをともし、聖水を備える。弔い来る者は聖水を遺がいに注いで祈る。

司祭不在の時の葬式

葬式は普通司祭が司式するのであるが、やむを得ず司祭なしで行う場合は次のようにする。

1 一般の場合

始めに主祷文、天使祝詞、使徒信経を一回ずつ唱え、次に「霊魂肉身を離れたる後の祈」を唱える。葬列を作って墓に行く場合は途中ロザリオ、聖歌などをもって死者のために祈るがよい。墓地において棺を墓の側に置き、デ・プロフンディスを唱える。埋葬して後、次の祈りを唱える。

墓前の祈

主よ、御顔を向けてわれらを顧み、われらの祈りに慈しみの御耳を傾け給え。願わくは、主のしもべの願いを聴き容れ給え。
< 聖なる主、全能の御父、永遠の天主、主がこの世のやみより永遠の光に招き給いしこのしもべ(しもめ)のために願い奉る。願わくは、かれをして主の楽園に住まわしめ給え。

主よ、洗礼の水に潔められ、救霊の聖香油にて祝せられたるこのしもべ(しもめ)の霊魂が、主の天国に入るを得しめ給え。かれは世にありし間、主の御慈悲にすがりたれば、主のいと大いなる御あわれみによりて、この願いを聴き容れ給え。われらの主イエズス・キリストによりて願い奉る。*アーメン。
主よ、永遠の安息をかれに与え、*絶えざる光をかれの上に照らし給え。
かれの安らかに憩わんことを。*アーメン。
願わくは、死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。*アーメン。

終りに聖歌を歌う。

2 幼児の場合

七歳未満の小児の葬式を行う時は、小児の救霊のためではなく、その霊魂に天国の幸福を与え給う天主を讃美する。故に主祷文、天使祝詞、使徒信経一回ずつ唱えた後、次の祈りを唱える。

全能全善の天主、主は洗礼によりて新たに生まれたる幼児(おさなご)には、この世を去りたる後、ただちに終りなき命を与え給う。われらは主が今日この幼児にかく恵み給えるを信じ奉る。*願わくはわれらもまた終生童貞なる聖マリア、および諸聖人の御取次によりて、この世においては清き心をもって主に仕え、天国においては幸いなる幼児らと共に、終りなく喜ぶことを得しめ給え。われらの主キリストによりて。アーメン。

墓地への途中ロザリオ(栄えの玄義)を祈り、聖歌を歌い、埋葬した後、次の祈りを唱える。

清浄潔白をよみし給う全能永遠の天主、主はこの幼児をあわれみて、かれの霊魂を天国に招き給いたれば、願わくはわれらの上にも御あわれみを垂れ給え。*主のいと尊き御受難の功徳と終生童貞なる聖マリア、および諸聖人の御取次によりて、われら一同、諸聖人およびすべて主に選ばれたる者と共に、天国の永福を得るにいたらんことを、聖父と聖霊と共に、永遠にしろしめし給う主イエズス・キリストによりてこいねがい奉る。アーメン。

すべての死者のための祈

主よ、われらみまかりし者の霊魂のために祈り奉る。*願わくは、そのすべての罪を赦し、終りなき命の港にいたらしめ給え。アーメン。

主よ、永遠の安息をかれに与え、絶えざる光を彼の上に照らし給え。
祈願 すべての人の救霊を望み、罪人に赦しを与え給う天主、主の御あわれみを切に願い奉る。願わくは、終生童貞なる聖マリア、および諸聖人の御取次によりて、すでにこの世を去りしわが親、兄弟、姉妹、親族、恩人、友人に永遠の福楽を与え給わんことを、われらの主イエズス・キリストによりて願い奉る。*アーメン。

デ・プロフンディス(詩編129 ):

 主よ、われ深きふちより主に叫び奉れり。主よ、わが声を聴き容れ給え。*願わくは、わが 願いの声に御耳を傾け給え。

 主よ、もし不義に御目を留め給わば、主よ、たれかよく立つことを得ん。*されど主に御あわれみあるにより、また主の御戒めのために、主よ、われは主に依り頼めり。
 わが魂は主の御言葉に依り頼み、わが魂は主に希望せり。*朝より夜にいたるまで、イスラエルは主に希望すべし。

 そは主の御許(おんもと)にあわれみあり、また豊かなるあがないあればなり。*主は御みずからイスラエルを、そのすべての不義よりあがない給わん。
 主よ、永遠の安息をかれらに与え、*絶えざる光をかれらの上に照らし給え。
 祈願 すべての信者の創造主、かつあがない主にまします天主、主のしもべ(しもめ)らの霊魂に、すべての罪の赦しを与え給え。願わくは、かれらが絶えず望み奉りし赦しをばわれらの切なる祈りによりてこうむらしめ給え。世々に活きかつしろしめし給う主によりて願い奉る。アーメン。
 主よ、永遠の安息をかれらに与え、*絶えざる光をかれらの上に照らし給え。
 かれらの安らかに憩わんことを。*アーメン。

通夜の時の祈

1 全能全善なる天主、主は限りなき御慈しみもて、永遠の福楽にいたらしめんため、我等人間を造り給いたれば、願わくは主に召されて天のふるさとに帰り行くこのしもべ(しもめ)の霊魂を御国(みくに)に受け取りて、主の御前に永遠に喜ぶを得しめ給え。
主、あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。
主あわれみ給え。
天にましますわれらの父よ、願わくは御名(みな)の尊まれんことを、御国(みくに)の来らんことを、御旨(みむね)の天に行わるる如く地にも行われんことを。*われらの日用の糧を、今日(こんにち)われらに与え給え。われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より 救い給え。アーメン。
主よ、永遠の安息をかれに与え、*絶えざる光をかれの上に照らし給え。
かれの安らかに憩わんことを。*アーメン。
2 真理の源なる天主、主は御愛のまなざしをわれらに注ぎ、尊き御教えを示してこれを信ずる恵みを賜いたれば、願わくは、主の御言葉に頼りて信仰の道を歩みしこのしもべ(しもめ)の霊魂に、御約束の報いを与え、御国において限りなき福楽を得しめ給え。
主、あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。

主あわれみ給え。
3 救世主イエズス・キリスト、主はわれらを永遠の死より救わんがため、天より降りて人となり給いしにより、願わくは主を信じ、洗礼を受けて天主の愛子(あいし)、御身の兄弟となりしこのしもべ(しもめ)の霊魂を、諸聖人の列に加え、相共に主の御前にて永遠に楽しむを得しめ給え。
主、あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。
主あわれみ給え。
4 慈しみ深きイエズス、主はわれらの罪を償わんがため、堪え難き苦しみを受け、十字架に付けられて死し給いしにより、願わくは心より悔みて主の御あわれみを求むるこのしもべ(しもめ)を顧み、御苦難の功徳によりて、その犯せし罪を赦し、主と全く和らぎて御胸のうちに憩うを得しめ給え。
主、あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。
主あわれみ給え。
5 主は『人もしわれに従わんと欲せば、おのれを棄て、おのが十字架を取りて、われに従うべし』と宣えり。願わくはこのしもべ(しもめ)が困難、苦痛を耐え忍び、御跡(おんあと)を慕いしを顧みて、御父の許(もと)へ導き給え。
主、あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。

主あわれみ給え。
6 主よ、御身は『なんじ心を尽し、霊を尽し、意を尽してなんじの天主を愛し、また近き者をおのれの如く愛すべし』と命じ給えり。願わくはこのしもべ(しもめ)が知恵をもって主を求め、心をもって主を愛し、また主の御ために隣人を愛せしを顧み、無上の栄福を与え給え。
主、あわれみ給え。*キリストあわれみ給え。
主あわれみ給え。
祈願。主よ、誠心(まごころ)もて願い奉るわれらの祈りに、御耳を傾けて御慈しみを垂れ給え。主の御召(おめし)によりてゆきししもべ(しもめ)の霊魂を、平安と光明との御国に迎え、諸聖人の栄えに加え給わんことを、われらの主キリストによりて願い奉る。*アーメン。

死者のためのミサの祈

+聖父と聖子と聖霊との御名によりて。アーメン。

いとも尊き三位一体の天主、今この祭壇の上に行われんとする聖祭は、主イエズス・キリストの御苦難と御死去とを、われらにしのばしめ、その御功徳をこうむらしめんとて、御みずから定め給いし祭りなれば、この上なく御心に適い、生ける信者と死せる信者の霊魂に、御恵み豊かなるものなることを信じ奉る。*願わくは、カルワリオにて親しく主の御苦難を仰ぎ見奉りし人々の心もて、このミサ聖祭にあずかることを得しめ、かれらに賜いし御恵みを、われらにも与え給え。特にわれらが祈らんとする死せる信者の霊魂に御慈悲を垂れて、この御功徳をわかち、主の御栄えのうちに入らしめ給わんことをこい願い奉る。アーメン。

司祭告白の祈りを唱える時から入祭文を読む時まで

詩篇 129 デ・プロフンディス
主よ、われ深きふちより主に叫び奉れり。主よ、わが声を聴き容れ給え。*願わくは、わが願いの声に御耳を傾け給え。

 主よ、もし不義に御目を留め給わば、主よ、たれかよく立つことを得ん。*されど主に御あわれみあるにより、また主の御戒めのために、主よ、われは主に依り頼めり。
 わが魂は主の御言葉に依り頼み、わが魂は主に希望せり。*朝より夜にいたるまで、イスラエルは主に希望すべし。

 そは主の御許(おんもと)にあわれみあり、また豊かなるあがないあればなり。*主は御みずからイスラエルを、そのすべての不義よりあがない給わん。
 主よ、永遠の安息をかれらに与え、*絶えざる光をかれらの上に照らし給え。
 祈願 すべての信者の創造主、かつあがない主にまします天主、主のしもべ(しもめ)らの霊魂に、すべての罪の赦しを与え給え。願わくは、かれらが絶えず望み奉りし赦しをばわれらの切なる祈りによりてこうむらしめ給え。世々に活きかつしろしめし給う主によりて願い奉る。アーメン。
 主よ、永遠の安息をかれらに与え、*絶えざる光をかれらの上に照らし給え。
 かれらの安らかに憩わんことを。*アーメン。

キリエ・エレイソンを唱える時

主よ、死せるしもべの霊魂をあわれみ給え。*キリストかれらをあわれみ給え。 主、かれらをあわれみ給え。

集祷文を唱える時

慈悲深き天主、われらがいま祈らんとするしもべの霊魂を、慈しみの御眼(おんまなこ)もてみそなわし給え。願わくは、朽つべき肉体のきずなを解き給いて、永遠の命の幸いにあずからしめ給わんことを、われらの主キリストによりて。*アーメン。
人類の創造主かつあがない主(ぬし)にてまします天主、願わくは、聖マリア、諸天使、諸聖人の御取次によりて、主のしもべら霊魂の罪科(つみとが)をことごとく赦し、かれらが常に望みし御慈悲をこうむらしめ給わんことを。*アーメン。

書簡(黙示録14-13)

かくて天より声ありてわれにかくいえるを聞けり、書き記せ、幸いなるかな今より主において死する人、聖霊のたまわく、しかり、かれらがその働きをやすまんためなり。そはその業これに従えばなり、と。

福音(ヨハネ11:21-27)

その時マルタ、イエズスにいいけるは、主よ、もしここにいまししならば、わが兄弟は死なざりしものを、されど天主に何事を求め給うとも天主これをなんじに賜うべしとは、今もわが知れる所なり、と。イエズス、なんじの兄弟は復活すべし、とのたまいしかば、マルタいいけるは、われはかれが終りの日、復活の時に復活すべきことを知れり、と。イエズス、われは復活なり、生命なり、われを信ずる人は死すとも活(い)くべし、また活きてわれを信ずる人は、すべて永遠に死することなし。なんじこれを信ずるか、とのたまいしにマルタいいけるは、主よ、しかり、われはなんじが活ける神の御子キリストのこの世に来(きた)り給いたる者なるを信ず、と。

奉献の時

いとも聖なる天主、主は正義なる御者にまします故に悪を罰し給えども、また慈しみ深き御者にましませば、われらの祈りとぎせいとをもってこれを償うことをも定め給いしにより、いまわれらは司祭の手をもってパンとぶどう酒とを献げ、わがためおよび煉獄の霊魂のために、主の御あわれみを請い求め奉る。*願わくは、このいけにえによりて、主のしもべの霊魂に御慈悲を垂れ、この聖祭の功徳をもって罪科(つみとが)を赦し給え。かれらの霊魂が潔められて主の御前にいたり、主を永遠に讃美するを得しめ給え。アーメン。

いとも慈悲深き御父よ、われらは妙なるこのいけにえを献ぐるに足らざるものなれども、実は主イエズス・キリストがわれらの罪をあがなわんために、御みずから十字架上に献げ給えるいけにえをみそなわし給え。*願わくは、聖マリア、諸天使、諸聖人の御取次によりて、われらが今このいけにえを献げて祈らんとする死せる信者の霊魂、およびわれらの父母、兄弟、親族、またすべての死せる信者の霊魂に終りなき安楽を与え給え。アーメン。

序唱

いとも聖なる主、全能の御父、永遠の天主、いずれの時にても、いずれの処にても、主に感謝し、主を讃美したてまつるべきかな。*そはわれらの主イエズス・キリストによりて、幸いなる復活の希望は輝きたればなり。われらは死に果つべき憂いに悩む者なれども、主の約束し給いし永遠の生命の喜びを思えば大いなる慰めを得るなり。実に主を信ずる者は、命を奪わるるにあらずしてあらためらるるなり。しかしてこの世の住家(すみか)は天に備えられたり。されば、われらは諸天使、諸聖人と共に声を合わせ、喜びに堪えずしてたたえ歌わん。
聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍(ばんぐん)の天主、主の御栄えは天地に満てり。*いと高き処にいます御者は、尊まれさせ給え。主の御名によりて来り給う御者は祝せられさせ給え。

聖体奉挙の前

永遠の天主、主は御慈しみによりて、われらのためにこの祭壇の上に絶えざる聖寵の泉を開き給えり。そは、われらの大司祭にてまします御子イエズス・キリストは、いままさに天降(あまくだ)りて十字架上のいけにえを新たに献げ給うべければなり。*ああ尊きかなこの聖祭、そは救い主の御苦難と御死去とを象(かたど)り、われらのために大いなる喜びの泉となりて、永遠の生命を与え給えばなり。われらいま煉獄において、その罪を償いつつある兄弟の霊魂を思いてこのいけにえを捧げ奉る。
主よ、願わくは、主を信じ、主を望み、主を愛し奉りしこのしもべを記憶し給え。*いまわれらは死別を悲しむも、主の約束し給いし復活を希望し奉るが故に、御慈悲を垂れて、やがてはこのしもべと御国において再会し、共に主を讃美し、永遠に楽しむことを得しめ給え。いま祭壇の上に天降り、われらのぎせいとなり給う主イエズス・キリストによりて願い奉る。アーメン。

聖体奉挙の祈(この祈りは発声しない)

救い主イエズス・キリスト、一切の人を救わんために、十字架にくぎ付けにせられ給える御体を謹みて拝し奉る。
救い主イエズス・キリスト、一切の人を救わんために、十字架の上にて流し給える御血を謹みて拝し奉る。

(なお聖体を仰ぎながら「ああわが主よ、わが天主よ」と心のうちに唱えて贖宥を受けることができる)

聖体奉挙の後

至聖なる御父、いまこの祭壇に天降りて、われらのためにいけにえとなり給いし御子イエズス・キリストの御体と御血とを献げ奉る。願わくは、信仰の印を受けてわれらに先だち、主の平安のうちにゆきし者を記憶し給え。特にわれらがこのいけにえを献げんとする霊魂、またわれらの父母、兄弟、親族、友人、すべての死者の霊魂をあわれみて、きょめの炎より救い給え。しかしてかれらの御苦難の御功徳によりて補い給え。
主よ、願わくは御苦難の功徳をみそなわして、*煉獄の霊魂を救い給え。
御子のゲッセマニの園における死するばかりの御憂いと、御父に対する熱願とをみそなわして、*煉獄の霊魂を救い給え。
主よ、御心痛のあまり流させ給いし血の御汗と、敵の手に捕えられアンナ、カイファの前にて受け給いしあざけり、辱しめをみそなわして、*煉獄の霊魂を救い給え。
御子が御衣をはがれ、柱に縛り付けられ、むち打たれ、傷つけられ給いしをみそなわして、*煉獄の霊魂を救い給え。
御子がポンシオ・ピラト及びヘロデのもとにて忍び給いしののしり、あざけりをみそなわして、*煉獄の霊魂を救い給え。

御子がいばらの冠をかむらせられ、苦しみ、辱しめられ給いしをみそなわして、*煉獄の霊魂を救い給え。
御子が群衆の前に引き出され、死刑の宣告を受け給いしをみそなわして、*煉獄の霊魂を救い給え。
御子が十字架を担い、道すがらあらゆる残酷なる扱いを受け給いしをみそなわして、*煉獄の霊魂を救い給え。
御子が十字架の上にて、御手足をくぎ付けにせられ給いし時の、御苦しみをみそなわして、*煉獄の霊魂を救い給え。
御子が十字架の上に挙げられ、三時間も凡(あら)ゆる苦しみを耐え忍び給いしをみそなわして、*煉獄の霊魂を救い給え。
御子が御臨終に当りて、御身にさえも棄てられし如き御思いを味わい給いしをみそなわして、*煉獄の霊魂を救い給え。
祈願 一切の人を救わんために降誕し、かたじけなくも苦しみを受け、十字架の上にて御血を流し給いし救い主イエズス・キリスト、願わくは、今この祭壇の上より尊き御体と御血とを、御父に献げ、その御怒りを和らげ、御父の懐にかれらを導き給わんことを。*アーメン。

神こう唱

世の罪を除き給う天主の小羊 *煉獄の霊魂に安息を与え給え。
世の罪を除き給う天主の小羊 *煉獄の霊魂に安息を与え給え。
世の罪を除き給う天主の小羊 *煉獄の霊魂に永遠の安息を与え給え。

聖体拝領の前

主イエズス・キリスト、活ける天主の御子、主は御父の御旨に従い、聖霊の御働きにより、御死去をもって世に生命を与え給えり。願わくは、この至聖なる御体と御血とによりて、すべての罪とよろずの悪よりわれらを救い、常に主の御戒めに従わしめ給え。またわれらをして主より離るるを許し給わざれ。聖父と聖霊と共にとこしえに活きかつしろしめし給う天主に祈り奉る。アーメン。

主イエズス・キリスト、われらの主の御体を拝領するに足らざる者なれども、*願わくは、この聖体拝領によりて、われらを死の審判と地獄より免れしむるのみならず、さらに御慈悲をもってわれらが霊肉を守り、かつ今拝領せんとする聖体をわれらの霊薬とならしめ給わんことを、聖父と聖霊と共に、世々活きかつしろしめ給う天主に祈り奉る。アーメン。

聖体拝領の後

主イエズス・キリスト、主は聖体の秘蹟を定め、妙なる恵みと幸いとの基いとなし、これを受くる人は永遠に亡ぶを見ざるべしと宣い、これによりてわれらを主と一致せしめ給えり。*願わくは、この世にありて主を信じ、主の御体と御血とをしばしば受けたる信者の霊魂が、今日この功徳をこうむり、天国において主と一致し、永遠の福楽を得しめられんことを。アーメン。

終りの福音

主イエズス・キリスト、主は福音をのべ伝うるために御弟子たちを遣わし給い、かれらが主の御許に帰り来りし時、『なんじらの名の天にしるされたるを喜べ』と宣えり。こはかれらのみならず、われらのためにも宣いし御言葉なることを信じ、この喜びがわれらの上にも、また死せる主のしもべの上にもあらんことをこいねがい奉る。*願わくは、この世においては、福音を信じて肉心の復活を望むわれらを導き、後の世においては、永遠の福楽のうちに主と共に生くる御恵みを与え給わんことを。アーメン。

聖会のための祈

(54頁)

ミサ終了の後

聖なる天主、主がわれらをこのミサ聖祭にあずからしめ、霊的御恵みを豊かにこうむらしめ給いしを深く感謝し奉る。主はまたわれらが祈らんとする死者の霊魂および主のすべてのしもべの霊魂にこの御功徳を与え、かれらに大いなる慰めを与え給いたれば、われは主に感謝し奉る。*願わくは、これによりて死せる信者の霊魂を速かに天国へ導き、また公審判の日においてわれらもかれらと共に主の御右に立たしめ、諸聖人の群に加え給わんことを、われらの主イエズス・キリストによりて願い奉る。

公教会祈祷文以外の祈

平和の祈り(アシジの聖フランシスコ):

 わたしを あなたの平和のために用いてください。憎しみのあるところに愛を 争いのあるところに和解を 分裂のあるところに一致を 疑いのあるところに真実を 誤りのあるところに真理を 絶望のあるところに希望を 悲しみのあるところに喜びを 暗闇のあるところに光をもたらすことができますように導いてください。慰められることよりも慰めることを 理解されることよりも理解することを 愛されることよりも愛することを望ませてください。わたしたちは与えることによって与えられ、すすんで許すことによって許され、人のために死ぬことによって 永遠に生きることができるからです。

聖母の汚れなき御心に日本を捧ぐる祈(1844年5月1日(マリア月の初日)キリシタン弾圧後に最初に再布教に来日したフォカード師が聖母の汚れなき御心に日本を捧げた時の祈り)

 ああマリアの至聖なる聖心、諸の心の中にも至って麗しく、清く、気高き聖心、善良柔和、哀憐、情愛のつきぬ泉なる聖心、諸徳の感ずべき奥殿、いと優しき美鑑なる聖心、ただイエズスの神聖なる聖心に遜色あるばかりなる聖心よ、我はきはめて不束なる者なれども初めてこの琉球の島々に福音宣伝の重任を托されたるにより、我力の及ぶ範囲内に於て、この島々をば特に御保護の下に呈し奉り、献納し奉る。その上、いよいよ布教を開始して、その基礎を固め、この島人を幾人にても空しき偶像礼拝よりキリスト教信仰に引き入れ、一宇の小聖堂にても建設するを得るに至らば、直ちにローマ聖座に運動してこの国を残らず、公にまた公式に御保護の下に托すべきことを宣誓し奉る。
ああ慈悲深きマリアの聖心、神聖なるイエズスの聖心の前に於ていとも力ある聖心、何人たりともその祈祷の空しかりしを覚えしことなき聖心よ、卑しき我祈願をも軽んじ給はず我心を一層善に立帰らしめ、数々の暗黒に閉され居るこの心の雲霧を払ひ給へ。我は大なる困難、危険の中に在るものなれば、願くは謙遜、注意、鋭智、剛勇の精神を我が為に請求めさせ給へ。全能、哀憐の神なる聖父と聖子と聖霊とはこの賤しき我を用ひて「強き所を恥かしめ、現に在る所を亡し(コリント前1,28)」幾世紀前より暗黒と死の蔭とに坐せるこの民をば福音の光と永遠の生命とに引き戻し、之に立向はしめ、辿り着かしめ給へ。アメン。

聖母への奉献の祈り(聖マキシミリアノ・マリア・コルベ):

 毎日の奉献の祈り

 けがれなきおとめ、私のマリア、私は、今日、そして永遠に私自身のすべての奉献を新たにします。人々の霊魂の救いのために、私をご自由にお使いくださいますように。
 私の女王、教会の母、イエズスのみ心の国が世界に来ますように、あなたの使命に忠実に協力する恵みのみ、願い求めます。
 マリアのけがれなきみ心よ、そのために今日の祈りと行い、そして犠牲を今月の意向に従ってあなたに捧げます。

 復活した主が、創造と救いの歴史の中に、神の偉大なわざを観想し目ざめさせてくださいますように。

 けがれなくやどられた聖マリア、あなたによりすがるわたしたちのためにお祈りください。
 またあなたによりすがらない人々、特に教会に敵対する人々、そしてわたしたちがあなたに依頼するすべての人びとのためにお祈りください。

けがれなき聖母への奉献の祈り

 けがれなき天地の女王、罪びとの拠り所、
いつくしみ深い母、聖マリア
神は、あわれみの営みのすべてを
あなたに委ねることを望まれました。
 罪深いわたしは、あなたのみ足もとにひれ伏し、
わたしのすべてを全くあなたのものとして
受け入れてくださるよう切に祈り求めます。
 わたしの霊と体のすべての能力、

全生涯、死、永遠をもあなたに委ねます。

 あなたについて
「女のすえは、おまえの頭を踏みくだく」
「あなたは、ひとりよく全世界の異端をことごとく滅ぼされた」
と言われたことを実現する道具として、
わたしのすべてを余すことなく、あなたに奉献します。
 わたしが、迷いの中にある多くの霊魂と
救いに無関心な人々のうちにあなたの栄光を高め、

イエズスの尊いみ国を広めるために、
けがれなく、あわれみ深いあなたのめ手の中で、

働くことができるように導いてください。
すべての恵みは、愛にみちたイエズスのみ心から、
あなたのみ手を通してわたしたちに注がれ、
罪人の回心と成聖の恩恵が絶えず与えられます。
先..聖なるおとめ、わたしはあなたをたたえます。
答..あなたの敵に立ち向かう力をわたしにお与えください。

公会議のよき実りを聖霊に願う祈り(1960年初期?):

イエズスの御名によりて御父より遣わされたまい、教会とともにましまして誤りなく導きたもう聖霊、願わくは、御身のみちあふるる賜ものを公会議の上に慈愛もて注ぎたまえ。
善き師にして甘美なる慰め主(よ)、ローマ教皇聖下の召集にいち早く応えて聖なる会議のつどいを開かんとするわれらが司教たちの心を照らしたまえ。
願わくは、この公会議に豊かなる実りを結ばしめたまいて、福音の光と力とが人類社会にいや増して広まり行き、カトリックの教えと宣教師たちの活動とがより力強く発展せんことを。
そは、幸いにも教会の教えが全き理解を得て、キリスト教的道徳が健全なる進歩をとぐるにいたらんためなり。
われらが心を親しく訪ないたもう聖霊よ。公会議において決定さるることがらをば、すべて誠意もて受け容れ、善意もて実行するをえんために、われらの精神を真理のうちに固め、われらの心を素直ならしめたまえ。

また、イエズス・キリストの唯一のおりに属せざる羊たちのためにも御身に祈りたてまつる。かれらがみずから誇りとするキリスト教徒の名にふさわしく、唯一の牧者の司牧のもとに、真の一致に立ち戻るをえしめたまえ。あたかも、新しきペンテコステのごとく、われらの時代にも、御身の奇しきみわざをなしとげたまえ。かくて、イエズスの御母マリアとともに心を一つにして絶え間なく祈り続けつつ、聖ペトロによりて導かるる聖なる教会をして、救い主の王国、真理と正義との王国、また愛と平和との王国を広めるをえしめたまわんことを御身に祈りたてまつる。アーメン。

最終更新日:2003/12/20

ラテン語の祈り
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