ファチマの聖母マリア

ロザリオ

The Fatima Crusader Issue 38, Fall 1991より

マネッリ神父、S.T.D.

ルルドにおいて、そしてファチマにおいて聖母は特にロザリオを唱えることを私たちに勧めるために御出現になりました。ルルドでは、ベルナデットがめでたしを唱えている間に、聖母御自身が美しいロザリオを持っておられました。ファチマでは、すべての御出現において、聖母はロザリオを唱えることを勧められました。特に、彼女が御自分を「ロザリオの聖母」として表された最後の御出現の間はそうでした。

聖母が私たちにロザリオを下さったということは本当に大きな重要性を持つものです。ファチマで彼女が罪人たちの救いについて、地獄における霊魂たちの破滅について、私たちの時代の未来の戦争について話されたとき、聖母はロザリオを救いをもたらす祈りとして示し、勧められたのです。

ファチマのシスター・ルシアは簡単に次のように私たちに告げています。「私たちの時代に聖母は、ロザリオと私たちの犠牲をもって解決され得ないどんな問題も、--それが物質的あるいは霊的であれ、国家的あるいは国際的であれ-- ないようにするために、聖なるロザリオに一つの付加された効力をお与えになりました。」

救い、聖化する

恵みのあるエピソードをお話しましょう。ある朝、聖ヨゼフ・カファッソはトリノ(? )[原文Turing]の通りを歩いているときに、一人の貧しい、猫背の老婆に会いました。彼女は歩きながら静かにロザリオを唱えていました。

「おばあさん、なぜそんなに急いでいるのですか?」と聖人は尋ねました。「ああ、神父様、私は通りを浄めるために歩いているのですよ!」「通りを浄める....?  どういう意味ですか?」「ご覧なさい、昨夜カーニバルがあったでしょ、そして人々は多くの罪を犯しました。それで、私はこの罪の場所を浄めるためにめでたしを唱えているのですよ。」

ロザリオは罪の霊魂を清め、それを恵みで飾ります。ロザリオは霊魂たちを救います。聖マキシミリアノ・コルベは彼のメモ帳にこう書きました。「多くのロザリオ、救われた多くの霊魂」。私たちはこのことについて考えているでしょうか? 私たちはロザリオを唱えることによって多くの霊魂を救うことになるのです。このことはなんと測り知ることのできないほどの価値をもった愛徳であることでしょう!

私たちはロザリオによる罪人たちの回心について語ることができるのでしょうか? 私たちは聖ドミニコ、聖ルイ・ド・モンフォール、アルスの聖なる司祭、聖ヨゼフ・カファッソ、パードレ・ピオ等々について話すべきです。

ロザリオはすべての人々 -- 罪人たち、正しい人たちそして聖人たち -- によいものです。

聖フィリッポ・ネリがどの祈りを選ぶかと問われたとき、彼は直ちに躊躇せず答えました。「ロザリオを唱えなさい。そしてそれをしばしば唱えなさい。」

パードレ・ピオがどの祈りを一番好むかと尋ねられたときでさえ、彼はほとんど突然に「ロザリオ」と答えました。

聖人たちはとりわけロザリオの効果的な恵みを示しました。どのように多くの聖人たちがロザリオの真の使徒であったことでしょうか -- 聖ペトロ・カニジウス、聖カロロ・ボロメオ、聖カミリス・ド・レリス、聖アントニオ・M.ジアネッリ、聖ヨハネ・ボスコ等々。恐らく最も偉大なそして最も有名な例のうちにパードレ・ピオはいたでしょう。彼は全人類のうちでも最も威信のある人でした。長い年月の間彼は毎日100以上のロザリオを唱えていました。彼の聖化と霊魂たちの救いのためのロザリオの実り豊かさを保証した一つの巨人的な模範でした。

聖母の足下に立っている間に腫れた、血を流す両手で何時間もの間、昼も夜もロザリオを唱えたその司祭にどれだけ多数の霊魂たちが神秘的に惹かれたことでしょう。彼は、ロザリオが私たちの救世主とその祝せられた御母の手から下がっている救いの鎖、そして私たちのところに降って来るあらゆる恵みの源を示す救いの鎖、そして私たちのあらゆる希望がそこへと登って行かなければならない救いの鎖であるということを本当に示しました。(教皇パウロ六世)

謙遜

「悪党め!」と悪魔が部屋の壁に彼を強く押しつけながら、アルスの聖なる司祭に叫びました。「お前は今年すでに8千の霊魂を私から奪い去った。そしてもしお前のような司祭が4人もいるならば、私は地上での私の支配を終えなければならない....」アルスの司祭はおそらくフランス中で最も才能に恵まれず、知られていなかった司祭でした。彼は自分が司祭であるのは聖母からの特別の賜物であると認めていました。というのは、彼はどのようにロザリオをよく唱えるかを知っており、常に謙遜のうちにとどまり、あらゆる点において相応しくないということを意識していたからです。とりわけ、彼は全力をもって祈り、償いをすることを考えていました。その他のことは神が彼のためになさいました。これらのことは悪魔を完全に恥じ入らせ、そしてこの謙遜な司祭に直面することを悪魔に不可能にさせた事柄でした。

それは次のような神の言葉の真理です。「だれでもみずから高ぶる者は下げられ、みずからへりくだる者は上げられるのである。」(ルカ 14:11)なおまた、「神は高ぶる者に逆らい、へりくだる者に恵みをお与えになる」(1ペト 5.5)のです。

今私たちが聖母の傑出した偉大さについて考えるならば、私たちは彼女において「天使たちのすべての歌声を超えて高められた」に違いない謙遜のあの巨大さを理解するでしょう。

聖母の謙遜は福音書の最初のページにおいて言及されています。「わたしは主のはしためです」(ルカ 1:38)。それは聖エリサベツ訪問において明らかにされています。彼女は正当にこう叫び声を上げました。「わが主のおん母がわたしのところにおいでくださるとは、いったい、どうしたことでしょう」(ルカ 1:43)。それはイエズスの誕生において輝き出ます。その誕生は貧しい馬小屋でおこりました。というのは、「宿屋には、彼らのための場所がなかったから」(ルカ 2:7)です。それは厚い沈黙に包まれ、ナザレにおいて30年間隠されています。それは聖母が死刑を宣告された者の母として現前しておられたカルワリオにおいて恥辱と汚名で輝いています。

聖母の謙遜は彼女の至高の王権に多かれ少なかれ釣り合っています。彼女は最高に謙遜でしたから最高に高められました。

私たちはこの学校から謙遜を学ばなければなりません。

毎日のロザリオ

聖ベルナデットのすべての祈り、知識そして愛はロザリオのうちにあると思われました。彼女の姉妹アントワネットはこう言いました。「ベルナデットはロザリオの他には祈りを何もしませんでしたし、ロザリオを唱える以外のことは何も知りませんでした。」

ロザリオは聖母と共にする福音的、キリスト論的そして観想的な祈りです([回勅]マリアの信心Marialis Cultus, 44-47)。「めでたし」を構成する讃美と嘆願は精神をロザリオの現在の玄義の観想へと促します。

ロザリオは祭壇の下でと同様に通りでも同じようによく唱えることができます。精神がマリアの方へと集中的に向けられるとき、ロザリオが教会の中で、あるいは電車の中で、あるいは歩きながら、あるいは飛行機の中で唱えられるかどうかということはそれほど重要なことではありません。

ロザリオがそれを唱えることを望む人に与えるこの機会は私たちの責任に付け加わります。私たちが聖母にロザリオを捧げるために毎日15分間すらも見つけることができないということはあり得ることでしょうか? ロザリオはどこででも、いつでも、誰とでも、書物あるいは儀式なしに、声を出してあるいは沈黙のうちに唱えることができます。

聖カミリス・ド・レリスや聖ベルティッラ・ボスカルディンによって病室で、聖ヴィンセント・パロッティによってローマへの途上で、聖フランセス・カブリーニによって列車や舟の上で、兄弟シャルル・ド・フーコーによってサハラ砂漠で、サヴォアの尊者マリア・クリスティーナによって王宮で、聖マキシミリアノ・コルベによって強制収容所と死の部屋で、とりわけ、祝せられたアンナ・マリア・タイギによって、聖テレジアの両親によって、そして聖マリア・ゴレッティの母親によって家庭で唱えられたロザリオについて考えてみましょう。私たちがロザリオのような貴重な宝を持っているときに、取るに足りないそして有害な事柄に時間を浪費しないようにしましょう。ロザリオを唱え、それでマリア月を終えるように聖母に約束しましょう。「ああ、マリアよ、毎日ロザリオを唱えます!」

汚れなき御心において

ファチマでロザリオはマリアの汚れなき御心の贈り物でした。私たちはそれを毎日唱える約束をもってマリアの汚れなき御心のうちに私たちのロザリオを捧げながらマリア月を終えたいと思います。

ロザリオとマリアの汚れなき御心はこの時代のための神の王国の最終的勝利をしるしづけます。

ロザリオとマリアの汚れなき御心への真の信心は救いを保証します。聖母はロザリオと彼女の汚れなき御心に奉献された霊魂は「私が神の王座のみ前に置く花のように、神から選ばれた者であるでしょう」とさえ言っておられます。

聖母御自身がロザリオと彼女の汚れなき御心に対する愛を私たちのうちに輝かせ、燃やし続けることを望んでおられます。

応用

神への感謝においてロザリオを唱えてください。神への感謝においてミサと聖体拝領を捧げてください。マリアの汚れなき御心にあなた自身を奉献してください。

1998/07/11 三上 茂 試訳

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作成日:1998/07/11

最終更新日:2009/02/25

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