ファチマの聖母マリア

世界の奴隷化か、それとも平和か...
それは教皇にかかっている

ニコラス・グルーナー神父と他のファチマ専門家たち

われわれの司教たちに宛てた公開書簡:

弁明、説明および請願

ファチマ・クルーセイダーのさまざまの号においてなされたいくつかの声明はファチマ・クルーセイダーが「反司祭」そして「反司教」であるという非難へと導いた。われわれは決してこの種の心証を望んでいなかった。われわれの唯一の目標は最高度の緊急性をもって、ロシアの奉献に関する神の命令を知らせ、促進することであった。ただ教皇と司教たちだけがこの命令を果たすことができる。だからこそ、われわれはこの尊敬に満ちた、しかし緊急の訴えを司教たちに宛てて提出するのである。

司教閣下各位

1917年7月13日に、われらの祝せられた御母マリアはロシアの奉献を求めるために戻って来るでしょうと約束なさいました。聖母はこの要求の実現を通して、世界に平和をもたらし、戦争、飢餓、教会の迫害そして教皇の迫害の罰を止めますと仰いました。これらの罰はその罪のゆえに人類に相応しいものです。

1929年6月13日に、聖母は戻って来られました。そのとき、聖母はいと聖なる三位一体の現前と御名において、あなたたち、われらの司教たちに、教皇と一緒に、特定の一日に、マリアの汚れなき御心にロシアを奉献するようにお命じになりました。

ファチマのメッセージ全体は1930年に聖にして母なる教会によって承認され、そして神御自身が7万人以上の人々によって目撃された1917年10月13日の太陽の奇跡によってそれを本物であると証明なさいました。神は再び、数百万人という多くの人々によって見られた1938年1月25日の大いなるしるしによってファチマ・メッセージへの従順の緊急の重要性を証明されました。メッセージは数年前になされ、そして今や世界の目の前で実現された多くのファチマの預言の実現によってさらに本物であると証明されました。

あなた方ローマ聖庁の高官たちならびに司教区の司教たちや枢機卿たちはファチマ御出現とメッセージの真の歴史を知っておられます。あなた方は神御自身のこの最も重要な命令へのすべての司教たちと教皇の速やかな従順を世界が最も必要としていることをご存じです。われわれは財政的および道徳的なあなたの支持、あなたの祈り、特にロザリオの祈り、そしてあなたがこの意向のために捧げてくださったすべてのミサに感謝を捧げたいと思います。

われわれは、第二バチカン公会議の間におよそ500人の世界中から来た司教、大司教、そして枢機卿方がファチマの聖母のこの命令に従うように教皇パウロ六世に請願されたということを知っています。1962年に締結されたバチカン・モスクワ協定 注1)のゆえに、教皇はそのときあなた方の要求を心に留めないことを選ばれました。今や教皇ヨハネ・パウロ二世がバチカンの政策を変えられ、この悪い仕方で助言された協定を破棄されたことは神に感謝です。われわれは、教皇が、多くの誤解があるがゆえに、従おうと望んでおられるが、しかししりごみされているこの命令に従うことに近づかれたということを喜んでいます。過去のバチカン・モスクワ協定が20年間にわたって、あなた方兄弟司教たちの多くの方の考えにしみ通っていたがゆえに、聖母とわれらの主のこの命令は彼らには非常に異質のものと見えています。われわれはあなた方に、この非常に重要な命令を、全教会、特にすべての司教たちに注目させるためのわれわれの努力においてわれわれを支持し続けてくださるようお願いします。

どうかこれまで以上にわれわれを支持してください。というのは、別のファチマ使徒職が教会内部からの彼らに対するある強い反対のゆえにこの仕事を放棄する決定の間際に立たされているからです。ファチマの聖母のメッセージがある方面においては理解されていないので、彼らは将来のためにファチマには(非常に大きな声では)言及せずに、むしろイエズスの聖心とマリアの汚れなき御心への信心の重要性を強調することを選んだように見えるからです。

この目標を、もちろんわれわれもまた追求しています。しかし、聖霊がわれわれの時代にお与えになったファチマの預言的メッセージによって導かれて、われわれはマリアの汚れなき御心への信心はある特別の日にすべてのカトリック司教たちによるマリアの汚れなき御心へのロシアの荘厳、公的な奉献を通じて以外には(神が意図なさった完全な程度に)世界の中に確立され得ないということを理解しています。ロシアの回心が実現され、平和が世界に与えられるのは「この手段によって」なのです。

神が世界の中にマリアの汚れなき御心への信心を確立され、そしてこのようにして、マリアを通じてのイエズスの支配と同じであるマリアの汚れなき御心の勝利を達成されるのは、「この手段による」ロシアの回心を通じてです。

他のいくつかのファチマ使徒職の指導者たちが、実際に、まさにファチマの聖母の使徒職を放棄しようとしていますので、あなたはわれわれが今日これまで以上にあなたの支持を必要としていることを見ることがおできになります。

上に概略しましたいくつかのファチマ使徒職が直面している危機は実際本当です。この危機は実際影響力のある司教たちによって彼らの組織のメッセージをファチマの完全なメッセージから何かより少ないものに変えるようにと告げられていることに存します。もしそのような命令が従われないならば、彼らは無視される、あるいは多くの教皇庁役職の中間管理者官僚組織内部の強力な勢力によって妨害されさえすることで脅迫されるのです。

われわれは多年にわたってあなたたち、われわれの司教たちの周りの影響力のある地位にいるそのような人物たちによってこの使徒職に対して為された来た多くの不法な処置を知っています。この危機に対するわれわれの応答は諸状況のゆえにイエズスに近づくことができなかったあの病気の人々の応答のようなものです。「主よ、ダヴィドの子よ、われらをあわれみ給え、と叫びければ、群衆彼らを拒みて黙せしめんとすれども、彼らますます叫びて、主よ、ダヴィドの子よ、われらをあわれみ給え、と言いおれり。イエズス立ち留まり、彼らを呼びてのたまいけるは、わが汝らに何をなさんと欲するか、と。」(マテオ20:30-32)

われわれは、彼らと同じように、われわれの司教であるあなたたちに叫びます。「われらをあわれみ給え。」そうする何の権威も持っていない傍観者たちや役人たちが黙するようにわれわれに告げるとき -- われわれはますます声高く叫んで答えます。「われらをあわれみ給え。」ただあなたの神への従順を通じてのみわれわれは救われるでしょう。われわれの諸状況はわれわれに他のいかなる解決をも提供しません。

われわれはこれまで以上に声高く叫び続けるでしょう。3年前に、われわれがこの叫びを最初に挙げたとき、われわれは5万の発行部数を持っていました。現在われわれは50万の発行部数を持っています。そしてわれわれは言葉を広め、われわれと共に叫び続ける多くの小さき人々の支持のゆえに毎年成長し続けています。しかしわれわれはまた、神のこの命令を知っておられ、それに従い、ますます大きな声で叫ぶためにあなたの道徳的支持によってわれわれを助けようと望んでおられるあなた方司教を必要とし続けています。

イエズスが最初は彼女の嘆願を拒否するように思われたけれども、イエズスに嘆願し続けたカナアンの女(マテオ15:22-28)のように、われわれもまた辛抱強く続けます。イエズスがこのことを彼女の信仰を試すために為されたように、われわれはイエズスが最後には彼女の大きな信仰と彼女の辛抱強さのために彼女に酬いられたということを知っています。われわれはわれわれの信仰とわれわれ辛抱強さがまた最後にはイエズスとあなた方司教たち(あるいはあなた方の後継者たち)によって、この奉献の行為によって、報われるであろうことを知っています。イエズスとマリアはファチマのメッセージを通じてわれわれに、最後にはわれわれの信仰と辛抱強さがロシアの奉献とその結果としてのロシアのカトリック信仰への回心、そして人類に与えられる平和の一時期によって報われるであろうということを明らかになさいました。

われわれは、ファチマの聖母のこの計画に対して働いている多くの強力な勢力があることを知っています。われわれはK.G.B.(共産党秘密警察)が、ファチマの聖母が支持しておられるすべてのことに反対して戦うためにいつでも使える毎年60億ドルから120億ドルを持っているということを理解しています。教皇パウロ六世とあの真に預言的な回勅と戦うために1968年の回勅「フマネ・ヴィテ」に引き続く24時間内に集められた2千400万ドルと同じように、このファチマのメッセージもまた、サタンの裕福な追随者たちによって引き続き戦われています。彼らはそれ[メッセージ]が地上における彼[サタン]の支配を終わらせることを理解しているのです。われわれは、神のこの命令は1929年に与えられたけれども、今なおあなた方司教の多くがそれについて知ってさえいないということを理解しています。バチカンにおける多くの高い地位にいる役職者たちでさえこの最も緊急のそして重要な命令を十分正確に知らないのです。

この無知はその命令を現実的である、あるいは緊急である度合いがより少ないものとするのではありません。教会におけそのような事態は内外からの教会の迫害によるものです。ファチマの聖母がわれわれに告げておられますが、この迫害は人類の大きなそして多くの罪のゆえの罰です。この無知はさらに多年にわたって教会内の多くの人々を欺いてきた故意の誤報キャンペーンによって引き起こされています。われわれはこのことについてファチマ・クルーセイダーの第20号、『聖母を沈黙させる陰謀』という論考の中で書きました。*

* この書物の p. 368 以下、および p. 381 以下を見よ。

悪魔と彼の追随者たちはあなた方に、ファチマ・クルーセイダーのわれわれがあなた方の敵であると信じさせたいと思われるでしょう。その反対にわれわれはあなた方の友人です。あなたたちのためにロシアの奉献に関するこの重要な真理を見出すことによって、そしてわれわれの道に置かれた多くの妨害にもかかわらずあなた方にそれを引き渡すことによって、われわれはあなた方の真の支持者です。われわれは、あなた方が知っておられるように、もし不誠実な人間が提示された議論と証拠とに答えることができないならば、彼らがその敵対者たちの信用を傷つけることに訴えるであろうということを知っています。これは、実際、ファチマの聖母の敵ども -- そしてあなた方の敵ども -- がわれわれに反対してやろうとしていることです。われわれはこれが、あなた方のある人々がわれわれの証言を無視することができると考えられる理由であるということを感じます。われわれはあなた方に、われわれが適切に答えなかった、このメッセージに対する公表されたあるいは公表されなかったどんな反対論もないということを熟考してくださるようお願いします。もしわれわれが欺かれ、あるいは間違っているならば、どうかわれわれにどこでそうであるかを示してください。もしわれわれがあなた方に真実を告げているならば、そのときはどうか聖母の緊急のメッセージと命令に耳を傾けてください。

われわれが過去においてファチマ・メッセージにおけるあなたの特別の役割を理解するために十分あなたを助けなかったことを残念に思っています。明らかにこの最も異例の神の介入に関する無知と省察の欠如を通じて、あなたたちを誤り導いた他の人々がいました。われわれは、ファチマのメッセージを通じてすべての司教たちに宛てられた神のこの特別の命令について今なお誤った情報を与えられている何人かの枢機卿さえいるということをローマにおける信ずべき筋から告げられています。

われわれ皆が知っているように、この問題においてわれわれが求めなければならないのは真理です。ヨハネ・パウロ二世はこう言っておられます。「キリストに従いながら、教会は大多数の意見とは必ずしもいつも同じではない真理を求めている。」注2)第二バチカン公会議以来、ある司祭や司教たちは、もし聖職者の多くのメンバーが何かあることを為しあるいは言うならば、それが何であれ、そのとき、他の人々は彼らに従っていれば安全であると感じているように見えます。われわれはそのような推論が正しくないということを知っています。もしそうであるならば、そのとき聖アタナシウスはアーリア派の司教たちに間違って積極的に反対したことになるでしょう。聖アタナシウスは、他の二人の忠実な司教たちと共に、4世紀にアーリア派の異端者となった司教たちの90%に独力で抵抗しました。彼はその45年間のアレキサンドリア統治の後にその非難の不当性を立証しました。アレキサンドリアでは彼の時代の司教会議は彼を、異なった5回の時期に彼の正当な司教区の外へ彼を追放することによって少なくとも17年間も追放にしたのでした。

不幸なことに、われわれは、聖書と教会史がわれわれに思い起こさせるように、必ずしもすべての司教たちが常に教会のために正しいことをしたのではないということを思い起こさなければなりません。注3)それゆえに、あなたたちにとってこの問題においてあなたたち自身で識別することが必要なのです。われわれ一人ひとりは真理を見出し、それによって生きることに責任を負っています。このように、司祭や司教たちでさえ、聖パウロが次にように言っているように、預言の声に耳を傾けることを義務づけられているのです:「霊を消すことなかれ、預言を軽んずることなかれ、何ごとをもためして良きものを守れ。」(テサロニケ前 5:19-21)

ファチマの預言的メッセージを無視することは、実際それを軽んずることです。すべてのカトリック司教たちに対するこの預言的メッセージと命令は安全に無視されることはできません。無視の明白な選択あるいは単にファチマに十分な注意を払うことを無視する選択さえ、あなたと無数の霊魂を地獄へ導き得る一つの決定です。ファチマの聖母はこう言っておられます:「もし人々が私があなたに告げることをするならば、多くの霊魂が救われ、平和が来るでしょう。」さらに、ファチマのメッセージは教会によって吟味され、良きものと見られてきました。それゆえに、われわれは、聖パウロが上述の第21節において言ったように、それをしっかりと守る義務があるのです。

真の預言者たちの役割は教会において非常に重要であるということを思い起こしましょう。聖パウロはエフェゾ書 2:20 において、「使徒と預言者との土台の上に建てられ、その隅の親石はすなわちキリスト・イエズスにまします」ものとしての教会に言及しています。このように、諸々の大きな奇跡とファチマの諸々の預言によってその真正性を証明された、シスター・ルチアの預言的役割は強調されて十分過ぎることはあり得ません。このことは、非常に多くの司祭たち、司教たち、修道者たちそして平信徒の霊魂の永遠の救いが、可能的な「諸民族の絶滅」と共に、どうなるか分からない今日、特に真なのです。

われわれは、ファチマの聖母に従う必要はないと示唆する、どのような地位の人であれ、その人によってあなたが誤り導かれないよう願っています。われわれはある人々が、聖母が従われることを止めるように努力しているということを知っています。この目的を達成するために彼らのある者はあなたに対してわれわれに反対する嘘を広めています。これは真実ではありません。われわれはあなたを必要としています。われわれはファチマの聖母に従うあなたの困難な仕事を支持するために働いています。われわれはファチマの聖母とあなたがどのように多くの敵どもを持っておられるかを理解しています。われわれもまた彼らの攻撃の毒牙を感じています。われわれはあなたの真の助け手をわれわれのうちに認めてくださるようあなたにお願いします。

われわれはあなたが真実を知りたいと望んでおられることを知っています。あなたは霊魂たちを救い、世界に平和をもたらすためにあなたのできるすべてのことをすることを望んでおられます。にもかかわらず、あなたの助言者たちのある者はあなたを誤り導きました。われわれはこのことをあなたの手紙そしてわれわれとの会話によって知っています。あなたを助けるために、聖書の数節を思い起こしましょう。神は預言者エゼキエルに話しかけられながら、彼に彼の義務を告げられます(エゼキエル書 3:18-19; エゼキエル 33:7-9 を見てください)。

神はエゼキエルに、彼が指摘された罪人に、間違った道にいることを告げなければならないと、告げられます。もしその罪人が耳を傾けず、悔い改めずに死ぬならば、彼は地獄に落とされるでしょう。しかし少なくとも預言者はその罪人にはっきりと話すという彼の義務を果たしたことによって彼自身を救うのです。

しかしもし預言者が(例えば、罪人によっておそらく拒絶されることに嫌悪を感じるがゆえに)罪人に告げず、そして罪人が彼の罪のうちに死ぬならば、そのときその罪人は地獄に落とされるでしょう。しかしその預言者は、彼の義務を無視したために、またその霊魂を失ったことに対して -- 彼の沈黙のゆえに -- 神に対して説明するために呼ばれるでしょう。エゼキエルは神によって、たとえ彼がそれを迷惑なことだと思うときでさえ、声を挙げるように告げられました。なぜなら神は霊魂たちを救うことを望まれたからです。神と預言者は必ずしもすべての者が耳を傾けるのではないということを知っています。しかしそれでもなお預言者は可能的な迫害に直面してさえ、従い、それゆえに声を挙げる義務に縛られているのです。

同じように、われわれはファチマの完全なメッセージを知ることについてわれわれが持った恵みのゆえに、われわれにとってそれが迷惑なことであるときでさえ、声を挙げる義務に縛られているのです。なぜなら、われわれの時代にはこのメッセージは多くの霊魂の救いのために必要だからです。われわれは、神がそのことをファチマのメッセージを通じてはっきりと言われたがゆえに、あなた方、神に仕える人々、のある者は最初は神の命令に耳を傾けないであろうということを知っています。われわれはまた、声を挙げたために迫害を受けることがあり得るということをも知っています。しかしわれわれの義務はそのまま残ります。われわれは話さなければならないのです。

危機に瀕しているもののゆえに、われわれはあなたと世界にファチマについての真理全体(特にロシアの奉献に関すること)を告げる義務を負っています。さらに、ヨハネ・パウロ二世はファチマの聖母のメッセージはあらゆる人類に向けられていると言っておられます。

もしわれわれ平信徒、修道者そして司祭が、われわれに宛てられたファチマ・メッセージに従うならば、そのときわれわれは確かにそうすることに対して祝福されるでしょう。しかしながら、ロシアを奉献することは教皇と共に、あなたたち司教だけにかかっているのです。ただあなたたち司教たちがあなたたちへの聖母の命令に耳を傾け、そして直ぐに従うときにのみ、われわれは皆共産主義の牢獄、拷問そして残酷な死を避けるでしょう。ただあなたの従順を通じてのみ、われわれは皆世界中の平和を手にし、そしてもっと多くの霊魂が救われるでしょう。

もし聖母の命令がなお無視されるならば、少なくとも、沈黙のままにとどまったがゆえにわれわれは釈明可能であるとは主張できないでしょう。そしてわれわれはわれわれの義務を果たしたことによってわれわれの霊魂を救ったことになるでしょう。もし敵が接近するのに気づいている見張り番が叫び声を挙げないならば、そのとき彼は、敵の犠牲になるその国の一人の市民の死に対して責任があると主張されるでしょう。(エゼキエル書 31:1-6 を見て下さい。)そのようにまた、われわれの研究、神学的な研究そして神の恵みのゆえに、われわれは「神の都」である教会を襲っている多くの問題に対する唯一の解決について知っています。そしてもしわれわれがわれわれの諸発見の結果を公表しないならば、神は、霊魂たちを救い、世界に平和をもたらすために「われわれのタレント」(マテオ 25:26)を用いるよりはむしろそれを土に埋めたことに対してわれわれに釈明をお求めになるでしょう。「耳を当てて聞くことを屋根の上にて述べよ」(マテオ 10:27)。

われわれは、もしあなたがファチマのメッセージについての完全な真実をはっきりと知っていたならば、あなたはあなた以前にそれを発見した人々がそれをあなたに注意させることができるすべてのことをすることを期待したであろうということを知っています。最後の審判の日が来るとき、われわれは、われわれが自分の勝手のよいように声を挙げないことを選んだがゆえに、われわれの兄弟姉妹たちの数百万人のこの世的な死と地獄における永遠の死について罪があると見られることを望まないでしょう。このファチマの命令をあなたに、われわれの司教たちに、われわれの司牧者たちにそして信仰におけるわれわれの兄弟たちに知らせることは絶対的にまた重大な仕方で大切であり、緊急のことなのです。

われわれはわれわれの義務を果たしました。われわれは、聖母の御助けでもって、そのメッセージを知らせ続けるでしょう。ファチマの聖母のメッセージと御出現、そして聖母とシスター・ルチアの仲介を通じてあなたに与えられた神の命令を研究することから、神がこのメッセージにおいて言っておられることを神は文字通り意味しておられるということは明らかです。神は、「この手段によって」ロシアが回心することを約束なさいました。それは、神が具体的に定められたやり方でマリアの汚れなき御心にロシアを奉献するようにという神の命令に対する教皇、諸司教閣下の従順によるのです。

われわれはあなた方、閣下の援助を必要としています。そしてわれわれはまた皆、もし間に合うようにロシアの奉献が行われないならば、重大な危険に陥ります。もしあなた方がずっと長く遅らせられるならば、そのとき無神論的共産主義ロシアはわれわれの国々すべてを侵略するでしょう。そのとき、あなた方とわれわれは両方とも確実な迫害と死とのために選び出された同じボートの中にいます。豊かな人々、貧しい人々、力ある人々、単純な人々、司祭、司教、枢機卿そして教皇はすべて危険の中にいるでしょう。われわれの数十万人の人々が拷問を受け、奴隷化され、殺されるでしょう。われわれのうちのある人々はキリストを否定し、この罪のために永遠に地獄に行くでしょう。他の人々は栄光ある殉教者となるでしょう。われわれのうちの誰一人そのような状況の下ではわれわれがどのようにやっていくかを知りません。われわれ、ファチマ・クルーセイダーのスタッフと読者たちはあなたたちとわれわれの両方がそのような試練に会わないことを確実にするために一生懸命働いています。

明らかに、われわれは、もしロシアの奉献が間に合うように行われないならば、多くのカトリック教徒たち -- 聖職者も平信徒も同じように -- は彼らの家庭、教会、そして生命並びに彼らの子どもたちのそれらを救うための実りのない努力において彼らの信仰を否定するために永遠に滅びるであろうと恐れるに十分な理由を持っています。これらの人々と聖職者、あなたの兄弟姉妹たちは審判の日にあなたたちが神に説明をしなければならない同じ人々です。あなたたちがロシアを奉献するこの義務を無視することによって一つの霊魂をさえ失わないように、われわれは神のこの命令を知らせ、理解させることに努力しています。もしあなたが、あなたの怠慢によって一つの霊魂を失うとしたら、何があなたの上に振りかかのでしょうか? もしわれわれが、努力の欠如によってロシアを適切に奉献するためにあなたを助けなかったならば、われわれの宣告は何であるでしょうか?

神は、教皇と諸閣下--神の大祭司として神によって委託を受けた -- によって遂行される償いの荘厳、公的な行為を望んでおられます。神の威厳は悪魔と彼の大祭司、指導的、戦闘的無神論者たちによって神に加えられた公的な侮辱のために償いが為されることを要求しています。これらの人々は神の創造の大きな部分、すなわちロシアを神に対する公然たる戦闘の彼らの司令部として用いています。彼らは、公的に、露骨にそして悪意をもって神に反抗するためにあの国家の公的な権威と多くの資源とを用いています。これらの公的な侮辱は必然的に荘厳、公的な償いの行為が為されることを要求します。かつての聖なる場所および人々(ロシア)の公的な神聖冒涜はまた、それが神に公的に、そして荘厳に再び捧げられ、再び奉献されることを要求します。それゆえ、われわれは償いと奉献のこの荘厳、公的な行為を要求なさる神の妥当性を容易に理解することができるのです。

聖ベルナルド、聖アルフォンソ、そしてカトリックの伝統と共に、われわれはわれわれの献げ物が神に受け入れられ得るものであるためには、それはわれらの汚れなき御母マリアの手を通して神に捧げられるべきであるということを理解します。それゆえに、われわれは、ロシアがマリアの汚れなき御心を通じて神に公的、荘厳に奉献されるべきであると神がなぜ望まれるのか、その理由を理解することができるのです。

このように、われわれは、信仰、カトリック博士たちの教えそして神学によって照らされて、われわれ自身の理性によって、あなた方と教皇にとって、ロシアに押しつけられてきた国家無神論という公的な罪に対する荘厳な償いの行為の文脈内部でのマリアの汚れなき御心にロシアを荘厳、公的に奉献することがどのように理に適っているかを理解することができるのです。

しかしながら、われわれはファチマのメッセージを通じてどんな疑いをも超えて、そのような行為が単に理に適った適切なものであるばかりでなく、それ以上のものであるということを知っています。それは絶対的に必要です。実際、あなたたち(あるいはあなたたちの後継者たち)によって遂行されるこの絶対的に必要な行為なしには、ロシアの回心は決して起こらないでしょう -- 平和は決して来ないでしょう。ファチマのメッセージを通じて、ロシアが回心するのは、ただ「この手段によって」のみであるということは絶対に明らかであるからです。平和が世界に与えられるのはただ「この手段によって」のみなのです。

このようにしてわれわれは、もし神がこの奉献の行為を望まれるならば、神は御自身でそれを為されるであろうと示唆すること -- 一人の司教が明らかにそう示唆したように -- は愚かであり、悪いことであるということを理解することができるのです。イエズスはシスター・ルチアに次のように言われることによって、神の命令に従うことの拒否を表すそのような考えにお答えになりました:「私に仕える人たちに、私の命令を遅らせることにおいてフランス王の例に彼らが従っているということ、そして彼らはフランス王に従って不幸になるだろうということが彼らに与えられたのだということを知らせなさい。彼らは私の命令に耳を傾けることを望まなかった!フランス王と同じように、彼らはこのことを後悔するであろう。そして彼らはそれを行うであろう。しかしそれは遅いであろう。注4)ロシアは、戦争と教会に対する迫害を引き起こしながら、すでにその諸々の誤謬を世界中に広めてしまっているであろう。教皇は多く苦しむであろう。」神が求めておられることは実際非常に僅かです。われわれはそのようにわれわれに対して憐れみ深くあられることのために神に感謝します。

われわれは、いとも聖なる三位一体のこの荘厳な命令が与えられて以来今や57年であり、そして今なお従われていないということを残念に思います。われわれはわれわれの罪と努力の欠如によってこのことを遅らせてきたことを後悔しています。われわれは、聖母が1917年に、世界はもし改めないならば、教会と教皇の迫害によって罰せられるでしょうとわれわれに警告なさったということを知っています。罪は1917年以来増加しました。教皇ヨハネ・パウロ二世が1982年5月13日にファチマで言われたように、「どのように多くのキリスト教徒がファチマのメッセージにおいて指示された方向とは反対の方向へ行っただろうか? 罪はこのようにして世界のうちに堅固に居座るようになった。そして神の否定は人類のイデオロギー、考え方そして計画において拡がった」のです。それゆえに、世界は罰せられ、その結果教皇とあなた方、われわれの司教たちは迫害されています。そして今やこの問題において神に従うことをより困難なものとさえ見ています。われわれは、われわれの罪があなた方にとってそれをより困難なものとしたことを遺憾に思います。そしてわれわれは、罪の機会を避けることによって、並びに祈り、特にロザリオの祈りを通じて、またしばしば秘蹟を受けることによってわれわれの生活を改めることを約束します。われわれは、われわれの犠牲と償いの行為によって、そしてマリアの汚れなき御心にわれわれ自身を奉献することによって、あなた方を助けることを約束します。われわれはまた、神によってあなた方に与えられたこの荘厳な義務を果たされるようあなた方を助けるために、教皇とあなた方、われわれの司教たちのために祈ることを約束します。なぜ奉献はまだ為されてこなかったのでしょうか? 神が、ロシアが回心するのは「この手段によって」であると強調なさっているときに、神は御自分が言っておられることを意味しておられないのだと示唆することによって、たとえそれが意図的でないとしても、神を侮辱する人々がいるということを神はご存じです。われわれは、神がそう意図されなかった何かあることを言うためにファチマの奇跡を働かれなかったということを知っています。われわれは、われわれの側で、神のメッセージのこの本質的な部分について教会に知らせるためにわれわれのできるすべてのことをして来ませんでした。

われわれは、教皇とあなた方、われわれの司教たちが世界平和とロシアの回心のための神の計画を遂行するための神の選ばれた道具であるということを知っています。全世界はあなた方の手に委ねられました。このことが文字通りそうであるということは、神の司祭たちや司教たちによってさえ、理解されていません。ある司教たちは、われわれファチマ・クルーセイダーのメンバーたちが、世界平和のための神の計画について世界に明白に告げるとき、無慈悲であると感じておられます。この計画を告げるために、世界に20世紀において司教とされることを受け入れることによってあなた方が引き受けられた非常に現実的で重要な義務について告げることが必要です。

あるカトリック司教たちは、ファチマ・メッセージを理解していないゆえに、正しくない手段を取りました。彼らはファチマのメッセージがその福音的純粋さにおいて広く知られることを重大な仕方で妨害してきました。神が彼らを赦し給わんことを。そして神のメッセージを提示することにおいてより明白でより有徳的でなかったことについてわれわれをどうか赦し給わんことを。実際、もしそれが教皇とあなた方、われわれの司教たちに与えられた一つの困難な仕事であるならば、メッセージを説明し、神がこの最も貴重な使命を委ねられたまさにそれらの人々を啓発する仕事はより重大でさえあるでしょう。

教皇ヨハネ・パウロ二世は1986年5月の彼の回勅において、マルキシズムは神に対する恐るべき叛逆であると指摘されました。それは霊の望みに従うよりはむしろ肉の望みに従う人類の罪の結果です。教皇ヨハネ・パウロ二世はまたこの問題を克服するために霊的問題への更新された強調をも求められました。ファチマにおいては、マルキシズムの諸問題に対する霊的な解決は実際ある特別の日に教皇と一緒にあなた方閣下によるロシアの奉献です。共産主義のまさに現実的な脅威と鞭が克服されるのは「この手段によって」です。われわれもまた、われわれの時代の罪 -- 戦闘的無神論的共産主義 --を克服することにおいて -- 霊的なものを強調することにおいて教皇に加わります。

世界は、それが病んでいるがゆえに、それを治療するためにある特別の手術を必要としています。外科医が心臓手術を行うとき、その医師は患者の生命を彼の手のうちに持っていると真に言われ得るということは誰もが理解できます。医師と彼の手術はそれによって患者の生命が救われる手段です。

神は上述の例において、患者の生命を医師の技術に委ねられました。もし医師が手術を行っている間に注意深くないならば、彼は自分の手がすべることによって患者を不注意にも殺すことがあり得るでしょう。こう言うことは無慈悲ではないのです。というのはそれは単純に真理であるからです。

今日、世界は病気です。神の異例の介入であるファチマの出来事はこの「死に至る病」からの唯一の脱出口を明白に示しました。神は、神によって指名された霊的医師たちであるあなた方、カトリック司教たちに、どんな手術が必要であり、そして正確にどのようにそれを遂行するかをお示しになりました。この共同的手術のあなた方の迅速、慎重、注意深いそして正確な執行が最も必要です。もしあなた方が失敗するならば、患者は死ぬでしょう。全民族は「絶滅させられるでしょう。」

今日、神は世界平和をあなた方、われわれの司教たちに委ねられました。われわれはこのことを確かに知っています。なぜなら、神御自身がこのことをファチマの諸々の大きな奇跡と預言とによって本物であると証明なさったからです。もしあなた方が、神の御母と神がお選びになったメッセンジャー、シスター・ルチアとを通じて神によってあなた方に与えられた命令に従順でない、あるいは適切に従わないならば、そのとき、全民族は「絶滅させられるでしょう。」神がわれわれの病んだ世界を治療なさるのはあなた方の厳密な従順の手段によってです。それは一つの重い責任です。親愛なる司教たち、あなた方はこの努力においてわれわれ皆の支持とわれわれの祈りを必要としておられます。われわれはあなた方のために祈ることを約束します。神は、ファチマのメッセージを通じて、特にこうお求めになりました:「教皇のために祈りなさい、たくさん祈りなさい。」シスター・ルチアを通じてわれわれは、「彼(教皇)はそうするであろう。しかしそれは遅いであろう」ということを知っています。われわれは自分たちの役割を果たしたいと思います。

ちょうど医師が、彼の心臓が強められ、彼の手が導かれ、そして彼の知性が、何が問題であり、それについて何がなされるべきかを知るように照らされるように、信徒の祈りによって助けられ得るように、そのようにまた、われわれは、教皇とあなた方、われわれの司教たちを、われわれの祈りと犠牲によって助けることができますし、また助けなければなりません。

ちょうど医師が、患者と彼の友人たちの嘆願と請願によって彼の患者を救うよう努力する彼の義務を果たすように、激励されそして説得され得るように、そのようにまた、われわれは上に概略されたようにロシアを適切に奉献するあなた方の義務を果たすように、教皇とあなた方、われわれの司教たちに嘆願し請願することによってこの努力を助けることができます。

われわれは、医師たちがときどき困難な手術を行うために道徳的な支持を必要とするということを知っています。例えば、われわれは、1981年に教皇ヨハネ・パウロ二世に付き添った9人の専門家のうちの8人は教皇が二度目に病院に収容された後その健康状態を考慮して、困難な手術を進めないことに賛成であったということを聞きました。教皇ヨハネ・パウロ二世自身が手術に賛成である旨を表明されました。そしてそれゆえ、手術は1981年夏に行われ成功したのです。

世界的に有名な脳外科医、ワイルダー・ペンフィールド博士は、彼自身の不安にもかかわらず、彼の同僚たちや家族によって彼の姉妹に対する必要な手術を行うよう勇気づけられました。そのようにまた、われわれも、教皇と司教たちもまたマリアの汚れなき御心にロシアを奉献し、それによって人間社会から最も危険なガンを取り除くというこの最も必要な手術を行うためにわれわれの激励と道徳的な支持を必要としておられるということを理解することができるのです。(それはより厳密に言えば、ロシアと世界から戦闘的無神論的共産主義の悪魔を祓うことです。悪魔祓いもまた勇気づけられる必要があります。)

それは特に重い仕事です。われわれは、教皇が1981年5月13日に一人のトルコ人K.G.B.秘密諜報員によって撃たれたのは、見たところ教皇を脅迫しているモスクワにおける一人の高官からの手紙の僅か数ヶ月後であったということを知っています。われわれは、教皇がファチマの聖母に従うことを今なお望んでおられるということを知っています。しかし同時にわれわれは、教皇がこの命令を遂行することができる前に人々からのより多くの支持を待っておられるということを知っています。彼はクラクフの司教であったときに、人々からの支持の大きな増加があるまではヤスナ・ゴラの聖母国立聖堂への巡礼を最初は公的に支持しませんでした。それから、彼は無神論的共産主義の強力な力にもかかわらず、彼自身巡礼を指導することができ、また指導しました。このように、人々の道徳的支持はクラクフの司教としてのヨハネ・パウロ二世を助けました。そしてそのようにわれわれの請願はこの重大な問題において教皇を助けるでしょう。

親愛なる司教たち、われわれは、もしわれわれがあなたたちがすでに知っておられるロシアの奉献に関するいくつかの問題をこの書簡においてわれわれが論評したとするならば、あなたたちのある人々にどうかわれわれを容赦してくださるようにお願いします。われわれは、われわれのこれらの事実についての論評が必要であるということをあなた方が知っておられると確信しています。というのは、あなた方の兄弟である司教たちの非常に多くの方がこの非常に緊急の問題について十分に知っておられないからです。

われわれは、教皇とあなた方、われわれの司教たちが、われわれの支持、われわれの祈り、イエズスとマリアによって本物と証明された、そして聖にして母なる教会が承認したファチマのメッセージへのわれわれの従順を必要としておられることを知っています。

われわれは、われわれの支持を誓約します。われわれは遅すぎるようになる前に出来る限り早く教皇とすべての司教たちによるロシアの奉献をもたらすことができるようわれわれのできるすべてのことをします。

われわれはあなた方、われわれの司教たち、神の群の羊飼いたちを、神の命令が遂行されることを確実にし、教皇と一緒に同じ日にマリアの汚れなき御心にロシアを奉献することを可能にするために、われわれのできる何らかの仕方で、助けることに関わります。

イエズス、マリア、ヨゼフにおいてあなた方に尊敬をこめて

ファチマ・クルーセイダーのスタッフおよび読者たち 注5)

  1. ファチマ・クルーセイダーの第16号、p. 5, 9 および 12 と第17号、p. 4, 7 および 11.(この書物のそれぞれ p. 249 以下、263 以下、301 以下、269 以下、279 以下、294 以下を見よ。)re: The Vatican-Mowcow Agreement.

  2. Familiaris Consortio, paragraph 5.

  3. Acts 20:29-30.

  4. フランス王と彼の後継者たちはフランスを主の聖心に奉献するようにというわれらの主の命令に従わないことを選んだ。この命令は聖マルガリタ・マリアを通じて彼に与えられた。投獄された後、王は神の命令に従おうと試みた。しかし要求された公的、荘厳な行為をすることはできなかった。王は彼の敵どもの犠牲に倒れ、彼の首は1793年にはねられた。

  5. 編集者注:多くの読者がこの公開書簡のうちに含まれている心境と考えを表明した。

目次へ

2005/02/10 三上 茂 試訳

作成日:2005/02/10

最終更新日:2005/02/10

World Enslavement or Peace...It's Up to the Pope: Section XI; Chapter 2 へ

マリア様のページへ

トップページへ

inserted by FC2 system