ファチマの聖母マリア

世界の奴隷化か、それとも平和か...
それは教皇にかかっている

第 XII 部

ニコラス・グルーナー神父と他のファチマ専門家たち

あなたは聖母を沈黙させる陰謀を打ち砕くことを助けなければならない

Father Nicholas Gruner, S.T.L., S.T.D.(Cand.)

親愛なる聖母の友

イエズスとマリアはあなたと私を非常に愛しておられる。彼らは、人類の罪がわれわれをソビエト共産主義によって奴隷化される危険の中に置いているがゆえに深く気遣っておられる。

共産主義諸勢力はアフリカ、アジアそして中央アメリカにおいて戦争を行い、そして教会はこれらの場所で迫害されている。聖母はファチマでこのことについてわれわれに警告なさった。そして聖母はわれわれに脅威を与えるこれらの悪と戦い敗北させるために何が為されなければならないかをわれわれに教えられた。しかし不幸なことに、人類は聖母のメッセージに心を留めることを選ばなかった。

一方、民族が次々に、国が次々に罠にかけられ、征服され、そして人々は共産主義支配のくびきの下に強制的に奴隷化され、その結果現在では1,500,000,000人(15億人)の人々が倒れ、現在この残酷なマルクス主義的専制政治の下で支配されている。

すでに160,000,000人(1億6千万人)の人々が共産主義者たちによって殺された。そして現在数百万人の人々が強制収容所、精神病院、刑務所そして国内追放において残酷に迫害されている。

共産党支配が確立したあらゆる国で教会はその自由を奪われ、迫害されてきた。力によって、そしてひそかなやり方によって、この両方で共産党政権は「国民」教会あるいは「愛国」教会を確立することによって信徒を教会から分離することに努めてきた。これは、われわれがファチマ・クルーセイダーの第19号において、「教会を撲滅する秘密の赤色計画」において概略したように共産主義者たちが中国において従ったパターンであった。

同じ計画はロシアによってウクライナにおいて遂行されてきた。そこでは、共産主義者たちはウクライナのカトリック教徒たちにロシア正教会(それはロシア秘密警察の道具である)を押しつけた。このソビエトが強制した分裂は実際重大である。というのは、聖にして母なる教会から自らを分離した罪のために信徒と聖職者はもし彼らがこの罪を悔い改めずに死ぬならば、地獄へ行くだろうからである。彼らの霊魂に対するこのソビエト専制主義の脅迫に抵抗するために、10人の司教、1400人の司祭、800人の修道女、そして数万人の信徒が、神とカトリック教会に不忠実であるよりはむしろ残酷な殉教者の死を遂げた。

ニカラグアにおけるソビエトの傀儡政権はその国において同じ戦略を採用している。われわれは、オバンド・イ・ブラヴォ枢機卿によってニカラグアから、すべてのニカラグア司教たちから、ならびに教皇ヨハネ・パウロ二世からの報告のうちに、教会があの国の共産党政府による直接的で公然たる迫害の下にあるということを見ている。(1986年7月4日、そこの共産主義者たちは一人のカトリック司教を彼自身の家から強制的に連れ去り、彼自身の国から野蛮にも蹴り出した。)

1984年に、教皇ヨハネ・パウロ二世はリトゥアニア、アルバニアそしてロシアにおけるカトリック教徒の迫害を公然と非難された。そして1980年にはウクライナのカトリック司教たちは、ロシア人がウクライナにおけるカトリック教会の廃止を宣言した1946年のにせの「リュヴィヴの司教会議」を公然と非難した。その後モスクワのロシア正教会総主教ピメン(彼もまたK.G.B.秘密情報員である)は、ウクライナ・カトリック教会の迫害について世界に真の物語を告げることを許したということに対する直接的でない脅迫を含んでいる、1980年12月22日付けの書簡を教皇に送った。

教皇がモスクワ総主教からのこの警告を受け取って5ヶ月後にメメット・アリ・アグカ -- K.G.B.秘密情報員であり、高額で雇われた殺し屋 -- が教皇を殺すためにローマに送られた。彼は1981年5月13日に聖ペトロ広場において教皇ヨハネ・パウロ二世を撃った。実際、共産主義は、教皇ピオ十一世が宣言されたように、「本質的に正道を踏み外した」ものであり、-- それは黙示録の獣、「赤い龍」である。

このすべてのことにもかかわらず、ファチマの聖母のメッセージは心に留められないままに来ている。われらの母であるマリアは、われわれをそのように優しく、そのように強く愛しておられるがゆえに、共産主義の危険、諸々の悪と誤謬についてわれわれに警告するために急いで来られたのである。神はキリストの時代に人々に示されたよりも大きな憐れみをわれわれの世代に対して示すことさえなさった。神は、われらの主が地上を歩まれた時代にはそのようなしるしを働くことを拒否されたのに、われわれには1917年10月13日の大奇跡を、そして1938年10月13日に天における大いなるしるしをお与えになった。にもかかわらず、人々は聖母が天から持って来られたメッセージに従わないのである。

人々が従わないのは、そして時には無神論的共産主義を悪であるのに悪と認めないのはなぜなのか? 共産主義は前進し続けている。それはますます多くの人々を奴隷化し続けている。世界の専門家たち、ビジネスマン、政治家、外交官、政治家そして教会人たちさえが、あちらこちらでそれを和らげ、それを抑え、あるいは少なくともそれを宥和しようと努めている。他の人々は、共産主義は事実であると証明された圧倒的な量の証拠が疑いもなくそうであると証明しているようには実際には悪くないと自らを信じさせようと努めている。われわれもまたそれが真ではないことを望んでいる。しかし不幸なことにわれわれ皆にとって、それは皆余りにも真実なのである。

共産主義者たちのプロパガンダ戦争は最も効果的であった。人々は脅威を受けているとは感じない。なぜなら、彼らは共産主義者たちによって極めて残酷に犯されている抑圧を直接に経験していないからである。あらゆる種類の策略と欺瞞が自由世界の人々を盲目にするために用いられており、その結果彼らは共産主義を、事実そうである、正道を踏み外した地獄のような悪として認識していない。ファチマの聖母は実際、もしわれわれが聖母に心を留めなかったならば、そのとき「ロシアは戦争と教会に対する迫害を引き起こしながら、世界中にその諸々の誤謬を広めるでしょう。善人は殉教し、教皇は多く苦しむでしょう。さまざまの民族は絶滅させられるでしょう」と言われた。

一方で、鉄のカーテン諸国において共産主義の奴隷化に現実に抵抗している人々は虐殺され、打たれ、葬られているのに、残りの世界は怠惰に傍観している。なぜならわれわれの大部分はあそこで実際何が起こっているかをを知らないからであり、また世界も、聖母が効果的であることを約束なさった、天から与えられた単純な解決を知らないからである。実際、聖母はわれわれに、神御自身から来るものとして聖母が明らかになさった解決以外の他のいかなる解決も働かないでしょうと、保証しておられるのである。

メッセージはなぜ心に留められないままに来たのか? 人々が従わないのはなぜか? 司教たちが従わないのはなぜか? 明らかに、神が聖母を通じて、われわれに不可能なことをするように求められたということはあり得ない。われわれに与えられた命令は、神の恵みの助けによって、比較的容易にわれわれが遂行することができないほど困難なものではない。教皇と司教たちに与えられた神の命令は確かに不可能ではない:もし司教たちが1962年から1965年まで第二バチカン公会議のために毎年ある時期に3ヶ月間集まることができたならば、彼らは確実にある指定された一日に集まり、そしてマリアの汚れなき御心にロシアを奉献することによって神の命令を果たすことができた。

それでは、人々が従わずに、もしわれわれがファチマで神の御母によってわれわれに与えられた警告と命令を無視し続けるならば起こるであろう悲惨な諸結果について、彼らが見たところ気がつかず、関心を持っていないままに進んでいるのはなぜか? 人々と司教たちがむしろ彼らの霊魂を危険にさらし、神に従わず、共産主義ロシアに奴隷化されるほどに、愚かである、あるいは強情であるということがあり得るのか? 司教たちは今や57年間従ってこなかった。そしてファチマの聖母の命令は70年間にわたって余りにも多くの人々によって心に留められないままであった。われわれは、この不従順がまったくの強情あるいは故意の愚かさによったものであり得ると信じることは困難であると思う。

なぜ天の命令が心に留められないままに来たのかその理由は、上述したように、共産主義者たちが真理を抑圧する彼らの正道から踏み外したキャンペーンにおいて非常に効果的であったということである。共産党の殺し屋たちが厖大な数の殉教した犠牲者たちを殺戮した、カトリック教会に対する最も残虐な迫害によって、クレムリンは共産主義の悪に関して沈黙を守るようバチカンから一つの協定をゆすり取った。この「沈黙」は1962年から1984年まで続いた。バチカンの「沈黙」のためのこの血から引き出された協定は世界中に彼らの嘘を組織的に広めることを共産主義者たちに許したただ一つの最も重要な要因であった。その協定は1962年9月/10月に締結された。そしてバチカン・モスクワ協定として知られた。それは当時の共産党およびカトリックの新聞において報道された。また、この協定に言及している多くの書物が引き続いて出版された。

バチカンはこの協定によって共産主義ワルシャワ条約諸国におけるカトリック教徒の迫害が減るであろうと希望していた。クレムリンは、教会と教皇は、鉄のカーテンの背後のカトリック信者の権利を擁護することから一方的に思いとどまったと主張した。そのような協定は拒否されなければならない。というのは、教皇と司教たちは信仰と信徒を -- とりわけ、至る所で神の権利を -- 擁護する聖なる義務を持っているからである。

教皇ヨハネ・パウロ二世は「バチカン・モスクワ協定」から離れ始められた。共産主義者たちは彼らの空約束を果たさず、共産主義諸国における教会を支配し、カトリック教徒を迫害し続けている。教皇ヨハネ・パウロ二世は1986年5月18日の回勅において共産主義を悪として -- 聖霊に反するものとして -- 公然と非難された。教皇が回勅において共産主義を非難されたのは24年間のうちでこれは最初である。

教皇ヨハネ・パウロ二世はすでに、1984年初期には、バチカン・モスクワ協定から離れ始められたけれども、彼の下でのバチカン官僚制のある部分は、あたかも教会があの裏切りの協定の諸条項に縛られているかのように行動している。この協定が効力を持っていた時間の長さのゆえに、教皇の手は今なおある程度縛られており、そして彼は皆いっしょに協定から離れることができない。この時期に彼のためにわれわれの祈りを倍加しよう。

実際、一つのプロパガンダ戦争が戦われている場所がある。その戦闘は荒れ狂っており、その戦場はマス・メディアである。聖母が世界に平和をもたらし、われわれの霊魂を救うために何が為されなければならないかをわれわれに告げるためにファチマに来られたのはすでに70年前である。ファチマ・メッセージは、ファチマの聖母(そしてあなたの霊魂!)の敵である共産主義者たち、悪魔の人間的代理者を通じてサタンによって「言論を抑圧され、縛られて」きた。

神の愛と智慧に満ちたこの単純で深遠なメッセージは、もし従われるならば、世界に平和をもたらし、われわれの霊魂に救いをもたらすであろう。しかし、悲しいかな、-- それは十分に知られてこなかったがゆえに従われてこなかった。(盲人を導く)盲目の人々 -- 大きな責任を持つ立場にいるある人々さえ -- これまでそれを隠し続けることに成功してきた。それは十分に、完全にそしてそのすべての天上的な力において知られずにきた。ファチマの聖母は沈黙させられてきたのである。

以下の諸点のいくつかを思い起こそう:

1.シスター・ルチアは沈黙させられてきた。

2.ファチマの公式文書保管人によって書かれた14巻「の書物]は公表を禁止されてきた。

3.1960年に世界に明らかにされるべきであった第三の秘密は「公式に」抑圧され、「葬られて」きた。

4.偽って公式の地位を主張しているある影響力を持ったファチマ使徒職の雑誌はファチマの知られた、公表されたそして文書として残された真実に関して歪曲と偽りを広め続けている。

他の「カトリック」諸新聞は上述の出版物の正道を踏み外した例に従うか、ファチマ・メッセージを完全に無視するかのいずれかである。ファチマの聖母のメッセージは一般公衆と教会全般から意図的、成功裡に隠され続けてきた。聖職者と信徒の多くはファチマの聖母によって与えられた完全なメッセージ:すなわち、教皇はすべての司教たちと一緒に、マリアの汚れなき御心にロシアを奉献しなければならない、そしてこの手段によって平和が世界に与えられるということ、を知らない。

グレイバー司教が言及したファチマに関する沈黙の陰謀は破られなければならない。共産主義に反対する教会の立場は信徒の精神のうちに明瞭にされてこなかった。あなたたちは自分自身で識別しなければならない。あなたたちは、たとえある司祭、司教あるいは専門家がそうするようにあなたに告げるとしても、ファチマのメッセージを無視してはならない。聖ペトロがサンヘドリンに言ったように、「われわれは人間たちによりもむしろ神に従わなければならない。」

待っていてはならない。ファチマのメッセージを屋根の上から叫ぶためにわれわれを助けてください。教皇ヨハネ・パウロ二世はファチマのメッセージを「65年前よりももっと密接な関係があり、もっと緊急である」と呼んでおれれる。シスター・ルチアはフエンテス神父とのインタビューにおいて賢明にもこう言った:「神父様、私たちは教皇様の側でローマから来る償いをするようにという呼びかけを待つべきではありません。また私たちはは司教区において私たちの司教様方から来る、あるいは修道会から来る、償いへの呼びかけを待つべきでもありません。そうではありません!われらの主はすでに非常にしばしばこれらの手段をお用いになりました。そして世界は注意を払いませんでした。だからこそ、今私たち一人ひとりが霊的に自らを改革し始める必要があるのです。各人は単に自分自身の霊魂ばかりではなくて、また神が私たちの道に置かれた霊魂たちをも救わなければなりません。」

ファチマの聖母のメッセージを知らないでいる世界の諸結果は非常に大きい。ファチマの聖母は、もし彼女の要求が心に留められないならば、「ロシアはその諸々の誤謬を世界中に広め」そして「さまざまの民族が絶滅させられるでしょう」と言われた。もし人々が聖母と聖母のメッセージを無視し続けるならば、これらのことが起こることは確実である。シスター・ルチアは、ロシアが、世界中にこれらの誤謬を広めることにおいて、アメリカ合衆国とカナダを含む全世界を奴隷化することに成功するであろうと説明した。彼女はまた、「多くの民族は地の面から消え去るでしょう」とも説明した。われわれは、もし人々がファチマの聖母の要求を知っていたならば、そしてもし彼らが聖母の要求への従順が、聖母が起こるであろうと予告なさった重大な変動や不幸を避けるであろうということを知っていたならば、そのとき彼らは改革し悔い改めるであろうと確信している。

霊魂たちが救われ、平和と福祉が世界に与えられるように、聖母のメッセージをわれわれが知らせように助けてください。

ファチマの完全なメッセージはサタン、K.G.B.、そして聖母の他の敵どもによって沈黙させられてきた。彼らは世界中に、教会の内部と外部の両方で、ほとんど世界的にこの沈黙を課すことに成功してきた。人々は実際真理に飢えており、この希望 -- 悪しき残酷な共産主義者たちの手による戦争、絶滅そして奴隷化を避けることについて世界が持っている唯一の希望 --- のメッセージを探し求めている。

2005/02/15三上 茂 試訳

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作成日:2005/02/15

最終更新日:2005/02/15

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