ファチマの聖母マリア

世界の奴隷化か、それとも平和か...
それは教皇にかかっている

第 XII 部

ニコラス・グルーナー神父と他のファチマ専門家たち

三人の幻視者たちにつきまとった一つの考え:

教皇のために祈りなさい、たくさん祈りなさい

by Frere Michel de la Sainte Trinite

年少の幻視者たちの一つの絶えざる関心は教皇のために絶え間なく祈ろうとすることであった。われわれは、7月13日そして大きな秘密の啓示以後、彼らが教皇のために犠牲と祈りを献げ始めたことを知っている。特に「秘密の中で明らかにされたある事柄によって非常に感動させられた」ヤシンタはそうであった、とルチアはわれわれに告げている。

「私たちが監獄にいたとき、ヤシンタを最も苦しめたことは、彼らの両親が彼らを見捨てたと感じることであった。両頬に流れ落ちる涙とともに、彼女はこう言うのでした:

「あなたの両親も私の両親も私たちに会いに来なかった。彼らはもう私たちのことを心配していないのだわ。」

フランシスコが言った。「泣かないで。ぼくたちは、これを罪人たちのためにイエズスに捧げることができる。」それからその目と両手を天に挙げて、彼はその献げ物をした:

「おお、私のイエズス、これはあなたの愛のため、そして罪人たちの回心のためです。」

ヤシンタがつけ加えました:「そしてまた教皇様のため、そしてマリアの汚れなき御心に対して犯された罪の償いのために。」

後に、彼らを殺すだろうと彼らに信じさせた区長の脅迫の後に、ヤシンタは泣き始めた:

「私は彼女のところへ行き、彼女になぜ泣いているのか尋ねながら、彼女を私の側に引き寄せました」とルチアは言っている。

「私たちは再び両親に、お母さんにさえも、会わずに死んでいこうとしているからよ!」

両頬に涙をこぼして、彼女はつけ加えたl:「私のお母さんにだけでも会いたいわ。」

「では、あなたはこの犠牲を罪人たちの回心のために捧げたくないの?」

「捧げたいわ、捧げるわ!」

顔中涙に濡らして、彼女は両手を組み、目を天に挙げて彼女の献げ物を捧げた:「おお、私のイエズス、これはあなたの愛のため、罪人たちの回心のため、教皇様のため、そしてマリアの汚れなき御心に対して犯された罪の償いのためです!」

その年齢の子どもたちによって非常に恐ろしいものであったオウレムでの彼らの投獄についての説明の中で、ルチアは、秘密が明らかにされてちょうど一ヶ月後、彼らが絶えず教皇のことを考えていたということを示すもう一つの出来事を語っている:

祝せられたおとめが私たちにマリアの汚れなき御心に対して犯される罪の償いのためにも私たちの祈りと犠牲を捧げるように告げられたとき、私たちはそれぞれがこれらの意向のうちの一つを選ぶことに同意しました。一人は罪人たちのために、もう一人は教皇様のために、さらにもう一人はマリアの汚れなき御心に対する罪の償いのために捧げましょう。このことを決めた後、私はヤシンタにどの意向を選ぶかと言いました。

「私はすべての意向のために献げ物をするわ。だって私はそれらすべてを愛しているからよ。」

侮辱され、迫害された教皇の幻視

ルチアはこう言っている:ある日、私たちは私の両親の井戸の傍でシエスタの時間を過ごしていました。ヤシンタは井戸の上の石の厚板に坐っていました。フランシスコと私は近くの茂みの中の木イチゴの間に野生の花の蜜を探しに土手を登っていました。しばらくして後、ヤシンタが私に叫びました:「あなたは教皇様を見なかったの?」

「いいえ。」

「私はどうしてそれが起こったのか分からないけど、非常に大きな家の中に、頭を両手に埋めて、テーブルの側に跪いておられる教皇様を見たの。そして教皇様は泣いておられたの。家の外には、多くの人たちがいた。彼らのうちの何人かは石を投げていた。他の人たちは教皇様を呪い、きたない言葉を使っていた。可哀想な教皇様、私たちは教皇様のためにたくさん祈らなければならないわ。」

ルチアはこう続けている。ある日、二人の司祭が私たちに教皇のために祈るように勧めました。そして誰が教皇であるかを私たちの説明しました。後でヤシンタは私に訊ねました:

その人は泣いておられるのを私が見た人、聖母が私たちに秘密の中で告げられた人なの? 

「そうよ、その人よ。」

「聖母は確かにあの司祭方にもその人を示されたのだわ。ね、私は間違っていなかったのね。私たちはその人のためにたくさん祈る必要があるわ。」

何人かの専門家はこの神秘的な幻視は教皇ピオ十二世に当てはまると信じた。しかしこの預言的な幻視は未来に関わるということの方がもっとありそうである。おそらくそれは、世界にその最後の秘密を明らかにすることで始まる聖母の要求を果たすことを最終的に決断するであろう教皇に関係があるのであろうか? もしシスター・ルチアがそれを書き下ろす前に真の激しい苦痛を経験したのであるならば、われわれは、それを明らかにしたであろう教皇の恐るべき苦痛を想像することができる。教皇が沈黙を断念し、キリストの代理者としての -- すなわち、まず第一に、彼の群を毒する異端者たちを名を挙げて公然と非難することをもはや躊躇せずに、信仰の遺産の恐れを知らぬ擁護者としての -- 彼の義務に一致して精力的に行動する決心をするならば、彼はその敵どもの怒りを引き起こすであろう。彼はまた、長い間敵に奉仕してきた彼自身の誤り導かれた子らの侮辱と憎しみに耐えなければならないであろう。彼は侮辱され、石を投げつけられ、呪われるであろう。そうである、その時にはこれまで以上に「教皇は多く苦しまなければならないであろう。」

戦争の幻視と祈っている教皇

ルチアはこう書いている:別の時、私たちはラパ・ド・カベソと呼ばれる洞窟へ行きました。私たちがそこに着くとすぐに、天使が私たちに教えてくださった祈りを唱えながら、地面にひれ伏しました。しばらくして、ヤシンタが立ち上がり、私に叫びました。

「あなたは、飢えで泣きながら、食べるものを何も持っていない人々でいっぱいのあれらすべての大通りや道路や野原を見ることができないの? そしてマリアの汚れなき御心の前で祈っておられる教会の中の教皇様も? そして教皇様と共に祈っている多くの人々を?」

数日後、彼女は私に尋ねました:「私が教皇様とあれらすべての人々を見たと言うことができるかしら?」

だめよ、それは秘密の一部だってことが分からないの? もしあなたが言うならば、彼らはすぐに見つけてしまうでしょう。

「わかったわ、じゃあ、何も言わないわ。」

この第二の預言的な幻視は、第一の幻視と同じように、疑いもなくまだ果たされていない。問題の恐るべき戦争は疑いもなくわれわれが脅威を受けている未来の戦争である。「マリアの汚れなき御心の前で祈っている」教皇に関しては、われわれは、彼が秘密において言及されている教皇であると信じてもよいであろう:「最後に...教皇は私にロシアを奉献するでしょう。」聖母はおそらく彼女の小さな腹心の友[ヤシンタ]に、1929年以来神によってそのように執拗に要求されたロシアの奉献が最終的に行われるときにわれわれが直面するであろう悲劇的な状況が何であるかを明らかにされたのか? 「彼らはそうするであろう。しかしそれは遅いであろう」とわれらの主はシスター・ルチアに語られた。

第三の秘密の開示のみが、そして預言された諸々の出来事の実現のみが、ヤシンタのこれらの幻視についての全真理をわれわれに与えるであろう。それがどのようなものであろうと、ルチアがこれらの説明からわれわれに引き出すよう望んでいる教訓は、単純であり、そしてこれまで以上により重大であり、より緊急である:すなわち、われわれは教皇のために祈らなければならない、たくさん祈り、そして犠牲を捧げなければならない、ということである。その回想録において 幻視者[ルチア]は彼女の主張 -- それは明らかに第三の秘密における諸々の啓示に直接依存している -- の理由を明らかにすることができなかったけれども、少なくとも、われわれの前に彼女の小さないとこの感動的な例を提出しようと望んだのである。地獄から罪人たちを救うことに対する関心と並んで、教皇についての考えは彼女[ヤシンタ]の最も気がかりなことであった。なぜなら、確かに彼女はわれわれが知らない諸々の出来事を知っていたからである。-- 彼女はマリアの汚れなき御心の勝利の前に教皇はどんな危険、どんな誘惑をそして最後にどんな恐るべき迫害を忍び、そして苦しまなければならないかを知っていた。

ルチアは、このことがヤシンタに教皇に対するそのような愛を与えたので、彼女がイエズスへの犠牲を捧げるときにいつも、彼女はこうつけ加えた、と言っている:「そして教皇様のために。」ロザリオの後に、彼女はいつも教皇のために天使祝詞を3回唱えた。

フランシスコは、死ぬ直前にヤシンタとルチアにこう言った:

「天国に行く前に、今ここにそう長くいたくない。天国に行ったら、僕はわれらの主と聖母を一生懸命慰めるつもりだ。ヤシンタは罪人たちのため、教皇様のため、そしてあなたのためにたくさん祈るでしょう。あなたはここにとどまるでしょう。なぜなら、聖母はそのように望んでおられるからです。聴いてください、あなたは聖母があなたに告げられることをすべてしなければいけない。」祝せられた乙女がヤシンタに、間もなく病院に行くだろう、そしてそこでたいそう苦しむだろうと告げられたとき、ヤシンタは従兄弟にこう言った:「...私はそこで独りで苦しむでしょう!でも気にしないで!私はわれらの主の愛のため、マリアの汚れなき御心に償いをするため、罪人たちの回心のため、そして教皇様のために苦しむわ。」

数ヶ月後、1919年7月/8月に、聖母の預言は実現した。ヤシンタはヴィラ・ノヴァ・デ・オウレムの病院に入院した。ルチアはただ2度だけ彼女を訪問した。彼女はこう言っている:「私は、ヤシンタがわれらのよき神とマリアの汚れなき御心の愛のため、罪人たちのため、そして教皇のために喜んで苦しみ、いつもより快活であるのを見た。それは彼女の理想だった。そして彼女は他のことは何も話すことができなかった。」

彼女がアルジュストレルに戻ったとき、ヤシンタは秘密の中で告知された諸々の出来事についてしばしば考え続けていた:「恐れてはいけないわ!」と彼女はルチアに言った。「天国では、あなたのため、教皇様のため、戦争がここに来ないようにポルトガルのために、そしてすべての司祭たちのために、一生懸命祈るわ。」

最後に、彼女の死の数ヶ月前、彼女がリスボンに向けて出発する前に、ルチアは彼女に尋ねた:「あなたは天国では何をするつもり?」

「私はイエズスをとても愛するつもりよ、そしてマリアの汚れなき御心もよ。あなたのため、罪人たちのため、教皇様のため、両親と兄弟姉妹のため、そして祈って欲しいと私に頼んだすべての人々のためにたくさん祈るつもりよ...」

教皇がいつも含まれている

ルチアは、彼女自身のことに言及するときには常に控え目であるけれども、彼女がいとこの意向を分け持っていたということをわれわれに示している。ヤシンタが、彼女に質問しに来た、そして彼らと共に祈るように彼女に願いに来た訪問者たちや巡礼者たちによて圧倒されたとき:「私は心の奥底から私のいつもの祈りを繰り返しました:おお、わが神よ、これはあなたの愛のため、マリアの汚れなき御心に対して犯された罪の償いのため、罪人たちの回心のため、そして教皇様のためです。」

同じように、彼女の父の死での彼女の悲しみの大きさの中で:

「わが神!わが神!」私は私の部屋の隠遁の中で叫びました。「私は、私のために用意してあなたがそのようにたくさん苦しんでくださったと考えたことはありませんでした!しかし私はあなたの愛のため、マリアの汚れなき御心に対して犯された罪の償いのため、教皇のため、そして罪人たちの回心のために、苦しみます。」

ルチアは次のように書くところまで進みさえする:「...私たちが神に捧げた、教皇のための嘆願を含まない祈りあるいは犠牲はありませんでした。

そのような年若い子どもたちにとって非常に驚くべきものであるこの没頭は、もし第三の秘密が明白に -- そして想像力を打つ細部を伴って -- 諸教皇の可能的な諸欠陥や後に(これらの失敗のゆえに)彼らが経験しなければならないであろう迫害に言及しているならば、完全に理解し得るものである。さらに、われわれは諸教皇がリアンホ(Rianxo*)で1931年8月にシスター・ルチアに[為された]われらの主の劇的な預言において諸教皇が経験するであろうこれらの苦難についての明白な言及を見出すのである。

* Rianjo とも綴られる。

「私に仕える人々に、私の要求の実行を遅らせていることにおいてフランスの王の例に彼らが従っているからして、彼らはフランス王に従って不幸に陥るであろうということを知らせなさい。イエズスとマリアにより頼むことに遅すぎるということはないであろう。」

われらの主はどんな不幸のことを言っておられるのか? 疑いなくその答を用意しているのは第三の秘密である。

2005/02/17 三上 茂 試訳

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作成日:2005/02/17

最終更新日:2005/02/17

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