ファチマの聖母マリア

世界の奴隷化か、それとも平和か...
それは教皇にかかっている

第 IX 部

ニコラス・グルーナー神父と他のファチマ専門家たち

教皇が今なおバチカン・モスクワ協定を守っていない1986年のしるし:
マルキシズムは教会に対して戦争をしかけている

教皇ヨハネ・パウロ二世は1962年バチカン・モスクワ協定が教会にとって悪しきものであるということを理解された。共産主義者たちは今なお教会を迫害し、協定を守ってこなかった。教皇ヨハネ・パウロ二世は1984年2月から3月にかけて繰り返し、リトゥアニア、ロシアおよびアルバニアにおけるカトリック教徒の迫害を非難された。1984年9月には共産主義体制一般を鋭く批判した解放神学に関する文書が教皇ヨハネ・パウロ二世の明白な命令で公表された。1985年には、教皇ヨハネ・パウロ二世はウクライナカトリック司教たちに対する彼の講話の中で、彼らが今なおソビエト・ロシアの下で迫害を受けているという彼らの結論に同意された。1986年5月には、ほとんど25年の間で始めて、教皇は回勅 "Dominum et Vivificantem" の中で共産主義に反対して書かれた。ここに鍵となる節がある:

「不幸なことに、聖パウロが人間の心の中に起こっている内的、主観的次元における緊張、闘争および反逆として強調している聖霊に対する抵抗が歴史のあらゆる時期に、そして特に現代の時期にその外的な次元を見出している。それは文化および文明の内容として、哲学大系、イデオロギー、行動のため、および人間の行動の形成のための計画として具体的な形を取っている。それは、思想体系として、その理論的形式において、そして諸事実を解釈し評価する方法として、また同様にそれに相応する行動の計画として、その実践的形式において、その両方の形式における唯物論のうちにその最も明白な表現に達している。思想、イデオロギーおよび実践のこの形式を最も発展させそしてその極端な実践的諸結果へともたらしたその体系は、今なおマルキシズムの本質的な核として認められている弁証法的歴史的唯物論である。

原理において、そして事実において、唯物論は世界における、そしてとりわけ人間における霊であられる神の現存と行動とを徹底的に排除する。基本的にこのことは、本質的にそして体系的に無神論的である体系であるものとして神の存在を受け入れないがゆえである。これはわれわれの時代の際だった現象である。すなわち、それは無神論であり、第二バチカン公会議はそれにかなりのページを捧げた。(242)。

(マルクス主義者たちの)この解釈に従えば、宗教を社会から、そして人間のまさに心から取り除くためには、宗教は、時と所の諸状況に従った最も適切な手段と方法をもって戦われるべき、一種の『観念論的幻想』としてのみ理解され得るということが帰結する。

それゆえに、唯物論は、聖パウロによって『肉の欲は霊に反する』という言葉で非難されたあの『抵抗』と反対の体系的、論理的な発展であると言い得る。しかし、聖パウロが彼の金言の第二の部分において強調しているように、この対立は相互的である:すなわち、『霊の欲求は肉に反する』。霊の救いの働きを受け入れそれに従って、霊によって生きようと望む者は、反宗教的『唯物論』としてのそのイデオロギー的および歴史的表現においてもまた、『肉』の内的および外的な傾向と主張を拒否せざるを得ないのである。」

編集者注:

バチカン・モスクワ協定が今なお(少なくとも部分的に)効力を持っているということを指摘している記事は1987年にフランスの Arnaud De Lassus によって書かれた一節である。この論考の翻訳 "A Sign in the Heavens, Fatima" は1988年5月に Apropos No. 3 によってスコットランドで公表された。

1984年以来、聖座のいくつかの文書はマルキシズムのイデオロギーを強く批判してきた。特に1984年8月6日に信仰教義聖省によって発行された解放神学のいくつかの局面に関する教えはそうである。しかしそれらのうちのどれ一つ、ピオ十一世およびピオ十二世によってこのことが表明されてきたようには共産主義体制の非難を更新しなかった。両教皇の批判は、1955年のクリスマス・メッセージにおける教皇ピオ十二世の次の陳述によって要約され得る:「われわれはキリストの教えによって社会組織としての共産主義を拒否する。」

目次へ

2005/01/26 三上 茂 試訳

作成日:2005/01/26

最終更新日:2005/01/26

World Enslavement or Peace...It's Up to the Pope: Section IX; Chapter 6 へ

マリア様のページへ

トップページへ

inserted by FC2 system