ファチマの聖母マリア

世界の奴隷化か、それとも平和か...
それは教皇にかかっている

ニコラス・グルーナー神父と他のファチマ専門家たち

聖母は何を望んでおられるか?

Q. : ファチマの聖母は信徒すべてから何を要求なさったのですか?

A. : 聖母の二つの非常に重要な要求があります。それらは例外なしにすべての信徒に向けられています。これらの要求はこうです:「人々は彼らの生活を改め、彼らの罪のために赦しを願わなければなりません。彼らはこれ以上われらの主に背いてはなりません。なぜなら、主はすでにあまりにも多く背かれておられるからです。」聖母はまた皆に毎日ロザリオを唱えるように要求しておられます。聖母が子どもたちに言われたまさに第一の事柄の一つは「世界に平和を、そして戦争の終結をもたらすために毎日ロザリオを唱えなさい」ということでした。聖母はこの要求を御出現の度ごとに繰り返されました。

聖母はまた皆に茶色のスカプラリオ -- カルメル山の聖母のスカプラリオ -- を身に着けるように求めておられます。シスター・ルチアは「ロザリオとスカプラリオは離すことができません」と言っています。

聖母は償いを求められました。その意味は私たちの日々の義務によって要求される犠牲ということです。

最後に、聖母は初土曜日の信心を求められました。

Q. : シスター・ルチアは聖母の要求を要約した短い定式を書いたことがありますか?

A. : ええ、書きました。「個々のカトリック教徒は、世界に平和が与えられ、共産主義が追い返され、そして諸民族の絶滅が避けられるために何を為すべきですか?」という問いに答えるために、シスター・ルチアは以下のような平和の誓いの定式を与えました:

ファチマでロシアを回心させ、人類に平和をもたらすと約束なさった愛する元后にして御母よ、私の罪と全世界の罪に対するあなたの汚れなき御心への償いとして、私は荘厳に以下のことを約束します:

1)毎日私の日々の義務によって要求された犠牲を献げること:2)ロザリオの一部(5連)を毎日唱え、その間に諸々の玄義を黙想すること;3)この約束の宣誓としてそしてあなたへの奉献の行為としてカルメル山のスカプラリオを身に着けること。私はこの約束をしばしば、特に誘惑の時に、更新します。

これは国際ファチマ・ロザリオ十字軍および他の諸々のファチマ使徒職の誓いです。

Q. : ファチマの聖母は何か他のことをお求めになっていますか?

A. : ええ、聖母は教皇に、世界のすべての司教たちと一致して、同じ日に荘厳、公的なやり方で聖母の汚れなき御心へのロシアの奉献をするようにお求めになりました。

Q. : 神は教皇と司教たちがこの奉献の行為をすることなしにロシアを回心させる意志を持っておられるでしょうか?

A. : いいえ。

Q. : なぜ神は教皇と司教たちが奉献のこの行為をすることなしにロシアを回心させようとなさらないのですか?

A. : われらの主御自身がシスター・ルチアのためにこの質問にお答になりました。「なぜなら、私は私の全教会がその奉献をマリアの汚れなき御心の勝利として認め、その結果その信心を後になって広め、マリアの汚れなき御心への信心を私の聖心への信心の側に置くようになることを望んでいるからだ。」

Q. : しかし、それでは祈りと償いはなぜロシアの回心のためにそのように重要なのですか?

A. : いくつかの理由でそうです!まず第一に、祈りは常に、われわれが神の恩恵のあるものを受ける前に神によって決められた条件です。教皇ベネディクト十五世は、1917年5月5日に、諸民族に真の平和を得る道を示してくださるよう聖母に悲痛な訴えをなさいました。聖母が、地上における彼女の子どもたちの最初の人であるキリストの代理者によるこの熱心な要求に答えるためにファチマに来られたと信じることは理に適っていないでしょうか?

第二に、ロシアの全般的な回心はロシアの奉献までは起こらないでしょうけれども、ロシアにおける個々の人々は祈りと犠牲を通じて回心することが出来ます。ロシアにおいて多くの人々が神に立ち帰っているという証拠があります。そしてわれわれはこのことのために大いに感謝することができます。しかし、われわれは、ソビエト政府がその悪魔的なマルクス・レーニン主義のイデオロギーを、あるいは世界支配のその計画を決して断念しなかったし、また教皇と司教たちがロシアを奉献するようにという命令に従うまではそれを断念しないであろうということを覚えておかなければなりません。

第三に、鉄のカーテンの背後の苦しんでいる、そして迫害を受けたカトリック教徒はわれわれの祈りによって助けられることができます。信仰の偉大な告白者そして擁護者であるミンゼンティ枢機卿、スリピイ枢機卿、ウィシンスキー枢機卿、そしてステピナック枢機卿 -- 彼らはファチマの使徒たちの祈り、数百万環のロザリオによって強められていないでしょうか? もしもっと多くの祈りが捧げられるならば、われわれは神が未来にこれらの人々のようにもっと多くの英雄たちをお挙げになるであろうと希望することは許されないでしょうか?

最後に、祈りと犠牲によって、われわれは奉献の偉大な日を早めることができます。各々のロザリオはロシアと世界の回心へと近づく一歩です。

Q. : ロシアが回心し、世界に平和がもたらされるのは忠実な人々の祈りと犠牲の手段によるのですか?

A. : 1930年に教皇ピオ十一世は「ロシアの回心」のためにミサの後に祈りが捧げられるべきであると命じられました。このように、その時からその祈りが落とされた1964年まで、上に言及したファチマ平和の誓いの署名者たちによって毎日捧げられた数百万環のロザリオは言うまでもなく、文字通り数百億の天使祝詞がロシアの回心のために捧げられていました。神にはそのように喜ばしいこれらの熱心な嘆願はおそらく無駄にされることはなかったのです。そしてそれゆえに、いつかそれらの嘆願はわれわれが想像できるよりももっと大きな実りをもたらすでしょう。

にもかかわらず、実際にロシアを回心させるのは、ただロシアの奉献だけです。というのは、ただ「この手段によってのみ」ロシアを救うと神は約束なさったからです。この理由で、ロシアがわれわれの祈りと犠牲によって回心するであろうと言うことは不正確です。ロシアはわれわれの功績を通じて救われないでしょう。イエズスはシスター・ルチアにこう告げられました:「マリアの汚れなき御心はロシアを救うであろう。ロシアは彼女に委ねられた」と。

Q. : しかしそれでは、あなたは奉献にある種の「魔術的な」効力を帰しているのではありませんか?

A. : いいえ、そうではありません。例えば、司祭が子どもの額に水を注ぎ、洗礼の式文を唱えるとき、その子どもはその司祭の功績を通じてではなく、イエズス・キリストによって定められた条件を果たし、そしてキリストのペルソナにおいて行為している司祭の力によって罪から清められます。その効力は確実です。そのことは、われわれが洗礼にある種の「魔術的」あるいは「魔除け的」効果を帰しているということを意味するでしょうか? いいえ、そうではありません。プロテスタントの人々でさえそのことでわれわれを非難したことはありません。

ところで、われわれはロシアの奉献が一つの秘蹟であると示唆しているのではありません。にもかかわらず、イエズスとマリアによって要求されたようにロシアの実際の奉献が為されるとき、それは確実にその効力を持つでしょう。なぜなら神がそれを約束なさったからです。これまでに世界の奉献がありましたが、それらの奉献に神はそれらの奉献のためのそのような約束をなさいませんでした。上に挙げた例においてのように、たとえ司祭が水でよりもむしろ牛乳で洗礼を授けたとしても、神はその子どもを清めるとは約束されなかったのです。神によって定められた条件はまず満たされなければなりません。

Q. : 上に指摘された平和の誓いを守る等しい数の人々がいるとき、ロシアは回心するであろうという何年も前になされたパードレ・ピオの預言についてはどうですか?

A. : パードレ・ピオがこの主題に関してある特別の啓示あるいは神からの照明を受けたということはあり得ます。あるいはおそらくそれは、ロシアの回心が十分な数の人々のファチマの聖母への聴従があるときに来るであろうということを言う彼のやり方だったのでしょう。

もし教皇ピオ十一世が共同的奉献をする決心をなさったならば、ロシアはすでに1929年に回心していたでしょう。教皇と司教たちが今年奉献をしさえすれば、ロシアは今年回心するでしょう。しかしながら、その奉献は人間たちによって遂行される単なる一つの行為であるだけではありません。それは神からの一つの恵みです。世界がこれまで以上に神に背き続けているときに、なぜ神は世界にそのような異例の恵みと憐れみをお与えになるでしょうか? これは、なぜ奉献がそのように長い間遅らせられてきたか、他にもいろいろありますが、その一つの理由です。

Q. : 初土曜日[の信心]はロシアの回心とどのような関係を持っているのですか?

A. : この質問は聖母御自身によって最もよく答えられています:

「もし私の要求が聴かれるならば、多くの霊魂が救われ、また平和が来るでしょう...しかしもし人々が神に背くことを止めないならば、もう一つのもっと悪い戦争(第二次世界大戦)がピオ十一世の在位期間(1922-1939)に始まるでしょう。あなたが未知の光によって照らされた夜を見るとき、それは神が戦争、飢餓、教会と教皇の迫害によってその罪を罰しようとなさっているということを神があなたにお与えになるしるしであるということを知りなさい。」

「このことが起こらないうようにするために、私は私の汚れなき御心へのロシアの奉献と初土曜日の償いの聖体拝領を求めるために来るでしょう。」

シスター・ルチアはこの要求を次のような仕方で説明している:

「善き神は、教皇様にすでに指示した償いの信心の実践を承認し、推奨するよう、この迫害の終結の援助と共に約束なさりながら、もし教皇様が、償いとイエズスとマリアのいとも聖なる御心へのロシアを奉献の荘厳、公的な行為をなさり、世界のカトリック司教たちに、同じようにするように命令なさるならば、ロシアの迫害を終わらせると約束なさっています。

Q. : 奉献は直ぐになされるでしょうか?

A. : われわれはこの驚くべき恵みに値するために殉教者たちの十分な血がすでに流されてきたと思います。その時まで、祈り、特にロザリオとマリアの汚れなき御心への償い、5回の初土曜日は非常に大切です。もちろん、平和の誓いの実行もまた非常に重要です。われわれの祈りの他に、われわれは奉献をもたらすためにわれわれにできるすべてのことをしなければなりません。これは、公的な支持を与えること、奉献のための請願に署名し、広げること(この書物の p.609-610 を見てください)そしてこの奉献に関する情報を広めることが含まれます

奉献が為されるときのみ、われわれは安全にこう言うことができるでしょう:「この世の国はわが主とそのキリストとのものとなりたり」(黙示録 11:15)

2005/02/11三上 茂 試訳

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作成日:2005/02/11

最終更新日:2005/02/11

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